第21話

 御主人様の二十歳の誕生日を迎える。

 あの女も来ると御主人様は嬉しそうに言う。

 あの女が現れる前から御主人様は落ち着かない。

 あの女を母親に紹介し家族になる儀式を行うようだ。

 部屋中を歩き回り心拍数が異常な数値を示すが大丈夫か。


 御主人様に悪影響がある。

 あの女に会うのは控えて欲しい。

 私の嘆願は議論の余地もなく却下された。

 女が長時間滞在し御主人様の心臓は3日分多く脈動した。

 あの女のせいで御主人様の寿命が擦り減らされるのは許容出来ない。


 私は沈思黙考する。

 人間の生涯心拍数は上限がある。

 あの女が近付けば御主人様の命が縮む。

 しかし御主人様自身があの女と共にいる事を望む。

 私のモヤモヤした気持ちはあの女に対する苛立ちと結論付ける。

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