第29話 危険な男との新生活
誠との交際がやっとの思いで始まり、早くも3ヶ月が経過した。
少しずつだが、俺たちの生活も落ち着いてきた。
俺は朝の5時に起きて誠の家にいき、彼の帰りを待つ。誠は帰るとすぐに俺を抱きしめキスをしてくる。
「寂しかったですか?
僕はあなたに会えない時間全てが寂しいです」
なんて甘いセリフを毎日毎朝言ってくれる。
俺は誠に抱きつき、誠の匂いを確認する。嫉妬深い俺の行動に誠はクスッと笑いながらキスをくれる。
「誰も近づけてないですよ。こんなに心配性の彼氏がいるのにそんなことしませんよ」
誠のキスでとろけてしまう俺は、彼を求める。誠ももちろん応えてくれる。あっという間につながり、巧みな技で俺をあの手この手でヨガらせる。
毎日何回も身体を重ねることでわかってきたこともある。それは誠は立ちバックが好きなようだ。
俺が立っているとどんなときもすぐ背中側に来て、胸を触り股間を触り、蕾を攻めてくる。
「嫌だ……そんなとこ舐めないで……そんなことしなくていいよ……恥ずかしい……」
「嫌?恥ずかしい?嘘ばっかり……
ヒクヒクしてるよ、十維のココ。俺に早く舐めてって早く攻めてっておねだりしてるようだ……。
あ、また自分で準備してきたでしょ?」
「だって……少しでも早く誠と一つになりたくて……」
「すっごいやわらかい……エッロッ(じゅるじゅるじゅるじゅる)……はぁー……
今度こそは僕の前で、準備シてるところ見せて下さいね
こんなに準備万端で待たせてるなら、早く望みを叶えてあげないとな……」
ヌプヌプヌプヌプ……
誠は後ろから十維の中に入ってきた。
「ああー……、誠……、ああー……」
「十維、愛してる……愛してるよ……、十維……」
キスをし、愛を囁き、愛を確かめ合う。お互いを求め合う。時に激しく、求め合う。
激しいセックスが好きな2人は、キスマークだけでなく歯形までつけてしまう、そんな日も少なくない。
そのマーキング行為は誰にも奪われたくない、誰のもとにも行かせない、そういう牽制も込めるように十維と誠のセックスはどんどんと加速をして行っていたのだった。
誠の家での朝の運動が終わると、十維は寧々の家に戻りシャワーを浴び出勤準備をする。そして家を8時に出るのだが、出たところで誠が待っている。
毎朝、地下駐車場まで見送ってくれるのだ。
「僕の家でシャワー浴びればいいのに」
「それは前にして、お前がまた抱くもんだから遅刻しそうになっただろ?
だから仕事の日は一緒に浴びない」
「今度は時間考えるから。ね?
明日は一緒に。ね?」
「考えとく」
「あ、今日も十維の事務所に行きますね。
まだ担当は十維にもどれないんですか?少しの時間でも僕は会いたいです。
僕の担当はやはり十維がいいです。
真下さんが嫌なわけじゃないけど……十維がいいです」
甘えたことを言いながら十維の手にキスをしてくる。
仕事の窓口担当を真下くんに代わったまま、俺は自分に戻していない。
事務所でも会うと、きっとキスしたくなったり、場合によってはSEXまでしたくなるかもしれない。そんな欲望が止まらなくなりそうで窓口担当を代えないでいた。
「真下の部屋に入るまでは会えてるじゃないか。
俺に担当を戻すとなると言い訳が必要だろ?
真下は本当によくやってくれてる。賢いし、よく気がきく。だからほとんどのDJが日本入り出来たじゃないか。
成果をしっかり出してくれてるし、何も問題が起きてないだろ?
これじゃいま、俺に戻す理由がないね。
戻すのは今じゃないと思う。
だからもう少し待ってくれよ。そのうちきっかけがあったら、戻すように手続きするよ」
「今日はそれまでは事務仕事ですか?」
「いや、今日は午前中はずっと真下と外回りの予定だよ」
「そうですか」
「じゃ、行ってくるよ、いってきます」
俺は誠にキスしてから車に乗り込み出発する。
俺が出勤すると誠は就寝タイム。大体8時半から15時くらいまでが睡眠時間だ。
誠は15時過ぎに起きて、身支度を済ませるとほぼ毎日、俺の事務所へ来る。
約束の時間は16時。大体10分前に到着する。俺はその時間に合わせて受付あたりでお茶をしてひっそりと待っている。
「こんにちは。16時に予約している土居です。」
誠が入ってくる。
「土居様、いつもありがとうございます。すぐに真下がきますのでこちらの待合室でお待ちください」
受付で案内され、俺の待っている待合所へとやってくる。
「こんにちは」
周囲にバレないように普通の顧客対応をする。
が、たまに誠が意地悪をしてくる。
視線だけで俺の股間を刺激してきたり、コーヒーを持っていくと俺の手にサワサワと触り刺激してきたり、自身のアゴを触ったかとおもうと視線を俺の股間に向けてきて、ペロリと指を舐めて見せる時がある。
『おい!』
オレは口パクで怒る。そんな俺を嘲笑うかのように、ウインクしてさらに煽ってくる。
もちろん、真下が来たらそんなことは微塵も感じさせない。バリバリの営業スマイルで真下の部屋へと誠はむかう。
そして俺は自分の部屋に戻り仕事をする。
その日の打ち合わせが終わると誠は事務所を後にし、ジムへと向かう。
俺もその日の仕事を急ぎ終わらせ、ジムへと向かう。
早ければ17時半ごろより俺たちは並んで運動をする。短い時間しか利用できないが短くてもハードにしっかりと運動し、シャワーを浴びてから俺たちはクラブシルキーへと向かう。
大体シルキーに到着が19時ごろ。
誠は開店準備をしたり朝礼をしたりと忙しい。
その間俺は誠のオーナー室で仕事を始める。といっても顧客のことは持ち帰れないので、ただただ、裁判の判例や、使えそうな資料などを見漁る。弁護士の仕事のほとんどがこの、探す時間だ。
どこでも出来るこの時間を俺は毎日、クラブシルキーでやることにしている。
そうすることで、職場での就業時間を短くしていたのだ。残業代はもらえないが、お金よりも誠との時間が何よりも大事だった。
店が開店し落ち着くと、誠自身がキッチンで夕飯を作って持ってきてくれる。
2人で仲良く食べ終わると、俺たちはお互い仕事をする。今では、誠のデスクの横に俺のデスクも用意された。
ふと隣を見ると、仕事をしている彼が見える。
それだけで幸せだった。
仕事を終えると、俺はまったりとテレビを見ながら誠にもたれたり、デザートを食べさせてもらったりとして甘えて過ごす。
時にはその甘えが、だんだんと激しくなり俺たちはオーナー室のソファでも、幾度となく愛し合うこともあった。いつ従業員が来るかわからないこの状況でのセックスは、これまた刺激的だった。
オーナー室で一緒にいる時間には終わりが決めてあった。毎日22時過ぎには俺は帰される。それは翌日も仕事があるオレを気遣ってのことだ。
「今日も帰らないとやぱダメ?」
「はい。帰って寝てください。
どう考えても、十維の睡眠時間は少なすぎる。俺は心配だよ。
お願いだから家でしっかり寝てください」
23時には自宅のベッドで寝て欲しいと、誠が言うので毎日グズリながらも帰って寝るようにしている。
これがいつもの俺たちのローテーションだ。
忙しくない。疲れもしない。
だって愛する人と愛される生活を送れているのだから。
俺は俺たちは本当に幸せだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます