第27話 危険な男と金髪男

「お!今日の魚はサンマじゃん!」


「そう!冷凍物だけど安かったんだ。

 先生のようなお坊ちゃんに冷凍物を出すなんて申し訳ないけど、よければ食べてくださいね。

 そして、我が家へようこそ!」


「ど……どーも……」


「十維、骨取ろうか?」


 俺はビクビクしながら食べる。誠はというと、幸せオーラ満載で、満面の笑みで食べている。


「1人で食べれるから!」


「そう?そりゃそうか。綺麗に食べれるんだよな。なんでも。

 さてと、ブン、店はどうだった?」


「実は夜遅くに、あのお客さんが来て……」


 2人は、朝食をとりながら店の様子や売り上げ報告をしている。

 俺は、いつ俺たちのことを話されるのかとドキドキして、2人の会話が耳に入らない。



 食べ終わるとすぐに金髪くんは食器を片付けてお茶を運んできた。なんと、手際がいい。この家のことを何もかも把握してるのであろう。


お茶を飲み始めると誠から話し始めた。


「ブン、話しとくよ。」


   ついにきた!!!


「俺、十維とちゃんと付き合うことになったから、これからはそのつもりで頼むよ」


   キター!そんないきなり?前振りなし?

   金髪くんどーする?!

   怒号?罵声?それとも泣き落としとか?

   どうでる金髪くん!



ブンは静かにお茶を一口呑んだ。



「高柳先生、十維さんでしたよね?

 おめでとうございます。願いが叶いましたね。

 ずっとMaxのことが好きで毎日通い続けた甲斐があるってもんだ!

 僕、実は十維さんが最初にうちの店に来た時から、十維さんのことが気になってたんですよ。

 密かに狙ってもいたんですけどね。

 ある日、それをMaxに知られて、めちゃくちゃ怒られて諦めたんですよ!

 でもほんとよかったですね。おめでとうございます。先生が幸せになるのが1番ですから」


   金髪が俺のことが気になったのを

   Maxが知って激怒……

   そんな過去があるのに

   誠からの交際宣言って……

   大丈夫なのか?



 淡々と金髪くんは言った。十維はパニックだ。


 誠は俺の手を取り、金髪くんの目の前でキスをしてきた。


「お、おい!」


頭がパニックだ。


「それで今日はデートとか?」


金髪くんが聞いてくる。


「ちょっちょっ、ちょっと待って!

 俺わけわかんない。ブンさんが俺を?え?

 えっと……俺と誠が付き合うのは、本当にいいの?ブンさん本当にそれでいいの?」


「ん?十維どうしてそんなに気にするんです?

 こいつのことは気にしなくていいですよ!

 こいつならちゃんと俺たちを応援してくれますから。何を気にしてるんですか?」


「だって、2人は……その……」


「その?なに?」


「こ……こ……恋人なんじゃないの?」


「こいびと!?僕たちが?」

2人が声を揃えて言ってきた


「アッハッハッ!先生、なんでそうなるの?」


「十維、あなたはどうしてそんなふうに僕たちを思うんですか?」


「だっていつも手を繋いで帰ってきてたし……いつも泊まってるみたいだし……いつも仲良いし……その……ちがうの?」


「十維、それは勘違いしてます。

 僕とブンはそんな関係じゃ無いですよ。

 ごめんなさい、ちゃんと紹介をしてなかった僕たちが悪いですね。

 彼の名はブン、本名を土居文(どいふみや)。文書の文と書いて、ふみやって読みます。

 僕の正真正銘の弟です」


「おとうと!!」

俺は今までの緊張が一気に取れ、倒れそうになった。


「先生、僕は弟だけど、この家に出入りしている他の奴らは違うからね。

 フフ……。頑張ってね。

 俺と違ってMaxはもてまくりのヤリまくり人生の人だからね!遊び相手もめちゃくちゃいるからさ!

 まぁ先生も何人かは知ってるんだろうけどね。いつも見かけてただろうし。

 大丈夫?Maxを狙ってるセフレはめちゃいますよ

 ヤキモチなんてキリがないくらい焼くことになるよ?

 そんな大変なことになりそうなMaxとの恋愛より、俺となんてどう?

 俺ならMaxみたいにセフレはいないからさ!

 どーよ?」



   そうだ…

   俺が気にしてたのは金髪くんだけではない。

   何人もの人がMax目当てでいたし、

   泊まってもいた……

   俺は耐えれるのか?



じっと誠をみた。


「ブン、変なこと言うなよ。

 十維、絶対大丈夫です。気にしないでください。

 僕はあなた以外には決してなびきませんから。

 あなたがいるのに、他で遊んだりなんて絶対にしません、ここに誓います!信じてください」


誠は俺の手をとり、チュッチュチュッチュ連続でキスをする。


「信じる……とは言えないんだよな……

 Maxは本当にモテるしセフレたくさんいるよな……」


「本当に大丈夫ですよ。僕は愛する人が悲しむことはしません。それに……」


「それに?」


「これは前々から考えて、少しずつ実行してることなんですが、実はシルキーのことはどんどんブンに任せていこうとおもってるんです。

 僕はこれから昼間の働きにシフトを変えていこうかと。

 レストランを本気で作ろうとしてるんです。

 十維のためにも、僕は昼働くように変えていくつもりです。

 少しでも夜一緒にいたら安心できますよね?

 だからブン、頼んだよ店のこと。もうだいぶわかるだろ?

 あ、それから!これ大事なんだけどさ、ブンは、これからは出来るだけ家に帰れ。

 ここは十維と僕との家になるんだから。

 ね?十維」


「わかってるって。

 ちゃんと恋人が出来たらここに帰るの無しって約束したの覚えてるよ。

 でもさ、家からシルキーが遠いから面倒くさいだよね。

 ねぇ十維さん、先生!俺がここに住んでいたらダメ?やぱイヤ?ほら、片付けとかも俺がするしさ。朝ごはんも!

 俺の部屋は、玄関すぐの部屋だし。兄貴の部屋にはちゃんと気を使って入らないようにするし!

もともと兄貴の部屋は防音しっかりしてあるから音も声も聞こえてこないからわかんないし!

 ね!だからいいじゃんか。

 ね?俺いたほうが何かと便利でしょ?ダメ?ねぇ先生!お願い!」


「俺に聞かれても……

 そもそも俺はこの家に住まないし……」


「え?十維?どして?」

「えーー?なんで?なんで?」


「なんでってそんな……付き合って数時間で一緒に住むとか、普通ないでしょ!そういうことは愛が深まってから考えるもんじゃないの?

 ということで、よし、俺はそろそろ帰りますか」


「はっ?帰る?どこに?何をしに?」


立ち上がった俺の腕を誠がすぐに掴んだ


「え……もう長くここにいるし、そろそろ帰ろうかと思ったんだよ」


「だから、なんで帰るんですか?」


「なんでって寧々も心配してるだろうし、着替えもしたいし」


誠は俺を上に座らせ、俺の胸に顔を埋めた。


「ま……まこと?」


「てっきり俺はこのまま夜まで、一緒に部屋で過ごせるかと思ってました。

 着替えとかしたら帰ってきてくれますか?

 まだ一緒にいたいです。離れたくないです」


誠は抱きしめて離さない。

俺はすぐそこにブンがいるから落ち着かない。

そんな俺の思いがわかったのか


「俺は部屋で夕方まで寝まーす。おふたりさんはごゆっくり!

 おやすみなさい」

ブンは去っていった。


「本当に帰るんですか?」


上目遣いで誠は俺を見てきた。


「一旦は帰るよ。シャワーして着替えて……

 そしたらまたすぐに来るよ」


「本当に?」


「あぁ。……俺だって離れたくないから」


俺からキスをし、寧々の家に帰っていった。


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