ネレヘンチック

第1話 寝れない、…

専門学校への進学を理由に、実家を出た。

実家は田舎で、コンビニも遠かった。

弟は常にイラついてたし、両親もそれに感化されていつも黙ってた。

高校の同級生達もみんな県外に…

要は、居場所なかった。

だから、このワンルームアパートに引っ越した。

実家から唯一持ってきた携帯型ゲームを連打しながら、最寄りの家具のチェーン店で買った背もたれに出来るタイプのデカめのクッションに背を預ける。

お腹、減ってんのかなぁ〜…

微妙な空腹具合を吟味しつつ、ふとスマホを時計を見た。

22:34

学校から帰ってから、菓子パン一個食べたっきりだけど。

キリのいいところで、ゲームを止め、

風呂に入る事にした。

猫のように身体を伸ばし、欠伸をする。

早いけど、風呂入ったら寝るかなぁ。

ウダウダと立ち上がり、シャワールームを開ける。

そこに、宙を泳ぐ魚がいた。

「えっ…なんなん…」

須藤　あわは、超能力なんて持ってはいなかったのに。