第6話 エーテルエリクサー

「ハピハピー☆ ナイアルラちゃんだよ☆」


 こっちはその念話のせいでハッピーじゃないよ。


「ハッピーだよね、矮小なる人間~☆」


 あーはいはい。

 ハッピーハッピー。


「いいねー☆」


 なんでこんなことできる上位者がこんなしょうもないことしてるんだろうな……。


「今日はねぇ~、これ! 【エーテルエリクサー】~♪」


 エーテル……はともかく、エリクサー。

 珍しくまともな代物……代物? か?

 でもエリクサーだしな。

 そもそも魔法薬の時点でまともではないか。


「このエーテルエリクサーを飲むとね! なんと使ったはずの魔法力が体にみちみちて、ついでに傷も治っちゃうんだよ☆」


 普通にすごそうな薬だった。


「魔法力がない人間とかぁ~、魔法力が有り余ってる人間が飲むと~、魔法力がミチミチして爆発しちゃうけどね☆」


 訂正。

 危ない薬だった。

 いやまあ、現代の薬も使い方を間違えれば危ないものが結構あるが。


「コレはねぇ~☆ エーエルヒト界で10本3000エリスで買ったの!」


 普通に店売りなのかよ。

 1エリスがどれくらいの価値かは分からないが。


「エーテルヒト界はねぇ~☆ あっ」


 あっ?

 なんかまずいことを口走ったような気が。


「これは矮小なる人間に聞かせちゃいけない話だった☆ 失敗失敗」


 これ本当に大丈夫なやつ?


「バレたら聞いた矮小なる人間を消さなくちゃいけなくなるけど~。 ダイジョブダイジョブ!」


 なにが大丈夫なんだよ。

 どう考えてもやべーやつじゃん。


「バレなければ犯罪じゃないんだよ!」


 そっか……そっちか……。

 まともな人間的感性を期待したのが間違いだったな。


「で、エーテルエリクサー欲しい?」


 いるわけねえだろ!

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