第5話 インキュベーター
「はろはろー☆ ナイアルラちゃんだよ☆」
また出た。
昨日の今日でまた新作を持ってきたのか。
「そうだよ~。今日はねぇ~♪」
どうせろくでもないんだろうな。
「はい! 【インキュベーター】!」
孵卵器。
卵を温めて孵化させる装置のことか。
……普通の道具だなこれ?
「なんとこれはねぇ~☆ 宇宙の卵を育てられるんだよ☆」
宇宙の卵。
すでに響きがろくでもない。
「宇宙の卵をそだてるとねぇ~、世界が生まれるんだよ☆」
わあ、想像通り。
そのまんますぎて面白くもない。
「不敬だぞ矮小なる人間~☆」
スケールがでかい上に概要が掴みづらい。
反応もタンパクになろうものよ。
「なんとこのインキュベーターで育てた世界はねぇ、いろんな設定を書き込めるんだよ☆」
設定。
「ナイアルラちゃんを崇める世界も作れるんだよ☆」
はい。
別にそんなものを作らなくてもナイアルラちゃんなら教団ぐらい簡単に作れると思うが。
「もー、褒めても何も出ないぞ☆」
褒めてはない。
というか聞きたいんだけど大きさは?
「週刊誌ぐらいだけど?」
なんというか微妙なサイズだ。
となると次の疑問が湧く。
その卵、孵化したらどうなる?
「その場でビックバンを起こすけどそれがどうしたの~?」
危険物じゃねえか。
国どころか地球が消えるじゃねえか。
「で、欲しい?」
いるかボケェ!
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