第4話 再臨者の右目
「キャピキャピ☆」
ナイアルラちゃんだよ☆
「あー! 矮小なる人間がわたしのセリフとったー!」
いや何回目だよ。
いい加減覚えるわ。
「今日はね~♪ きれいな宝石を手に入れたから紹介するよ☆」
「えー? なんでナイアルラちゃんのお家知ってるの~? でもそれじゃないよ☆」
家。
家!?
「今日の一品は~これ☆ 【再臨者の右目】!」
脳に送られてきたイメージは球体の水晶だった。
大きな宝石を球状にカットしたのか、その造形は光を複雑に反射している。
「コレはなんとね、生まれ直した人間の右目なんだよ☆」
急にグロくなった。
「国一つを生贄に不老不死になろうとした王様がいてねぇ~。その儀式で生まれた人間の眼球なんだよねぇ☆」
権力者は常々不老不死を求めるものだとはいうが。
まさか国一つまるごと生贄とは。
で、それで不老不死になった、と。
「違うよ~! 生まれたのは再臨者。無数の命と存在を束ねた生命体なんだよ☆」
どう違うのかがわからない。
殺しても死なないとか、無数の能力を持つとか、そういうことは想像できるが。
「ン~、矮小なる人間じゃあその程度だよねぇ~」
あー、はいはい。
上位者から目線ありがとう。
だいたいわかった。
無数の命を束ねただけなんだな。
「せいかいー☆ だから数千万回ぐらい殺せば死ぬよ~☆」
こいつはそれで普通に相手を殺害できるから当たり前のように言うんだろうな。
「で、この右目! 無数の命が重なった結果、平行世界を覗ける宝石になってるんだよ☆」
わぁお。
「見ることに長けた宝石だからいろんな触媒に使えるしぃ~、人間に移植すればぁ~それこそ見つめるだけでだけで矮小なる人間ぐらいは殺せるだろーねー♪」
とんでもない魔眼だな。
「あとはぁ~、平行世界の可能性を強引に引き寄せたりぃ~☆ 平行世界に因果を押し付けたり~☆」
で、なんでそんなものを紹介しているのか。
「世界ごと発狂してたから縊り殺してもぎとってきちゃった☆」
こわー……。
「で、欲しい?」
いらん。
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