第二十四話
いつものように学校に行って、放課後になった時だった
「先輩、一緒に帰りましょう♪」
「そうだな。帰ろう」
帰る準備をして、昇降口まで来たところで白が急に立ち止まった
「どうかしたのか?」
「いえ……何でもありません」
白は一瞬暗い表情を見せたがすぐに取り繕うように笑って見せた
「本当に大丈夫なのか?」
「はい!全然平気です!」
元気良く答える白だったがどこか無理をしているように見えた
「そっか……何かあったら言えよ」
「ありがとうございます。それじゃ行きましょうか。美味しい晩ご飯を作りますね♪」
「ああ、楽しみにしてるよ」
「はい!任せて下さい♪」
白の笑顔を見て安心したが、この時はまだ気づく事ができなかった
◆◆
昼休み。白と一緒に昼食を食べていると、不意に声をかけられた
「おい、そこのお前」
声の主はクラスメートの男子・加藤だった
「ん?どうしたんだ?」
「話がある。ちょっと来てくれねえかな?」
「あぁ、いいぞ」
教室を出て屋上へ向かう途中、加藤が話しかけてきた
「あのさ、あんたって白と付き合ってんだよな?」
「そうだが」
「ふーん……」
「それがどうかしたのか?」
「なぁ、白のどこが好きなんだ?」
「は?なんでそんなこと聞くんだよ」
「良いじゃん、聞かせろよ」
「まあいいか……。そうだな……。あいつは俺のことが好きだし、それに可愛いと思う。だから好きになったのかもしれない。あとは俺の事を慕ってくれてるところとかも可愛くて好きかな。もちろん全部含めて好きっていうのもあるけど」
「へぇ~。結構ベタ惚れしてんじゃねぇか」
「まあな、それで何が言いたいんだ?」
「単刀直入に言うわ。俺も白の事が好き。白を俺に譲ってくれ」
「断る」
「即答!?普通考えさせて欲しいとか言わない?」
「考える余地はない。諦めろ」
「チッ」
舌打ちすると加藤はその場を離れた
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