第???話 VRゲーム

「これをつければ、ゲームの世界に入れるんですか?」


「ああ、その通りだ」


 今日は俺の家で白と二人で最近話題のフルダイブ型のVRゲームをする事になった



「凄いですね……」


「じゃあ、早速やってみるか」


「はいっ!」


 俺は白にヘルメット型のゲーム機を渡した



「どうやってつければいいんですか?」


「ここにあるボタンを押せばいい。そうすれば、自動的に頭に被せるようになってる」


「分かりました」


 白は言われた通りにボタンを押し、頭に機械を被った



「これで終わりですか?」


「ああ、それでOKだ」


「それでは、行ってきますね」


「おう」


「あっ、忘れてました」


 白は振り返ると、急接近してキスをしてきた



「行ってくる前に……挨拶を忘れていました」


「そうだな」


「では、改めて行って参ります」


 白は笑顔で手を振って、白はゲームの中に入って行った。


「さて、俺も始めるかな」


 ゲーム開始ボタンに触れた瞬間、視界がブラックアウトした


 真っ暗になった世界が一瞬にして明るくなった



「これが……仮想現実……!!」


 そこは見渡す限りの大草原だった


 空を見上げると太陽が浮かんでいて、雲が流れていた


 風が吹き草が揺れている


 俺は辺り一面に広がる壮大な景色を見て感動していた


「本当に現実の世界のようだな」


 目の前には白がいた



「うわぁー!綺麗な景色ですね!!それに空気も美味しく感じます!」


「そうだな、このゲーム凄いな」


「はい、こんなの初めてですっ」


 白は目を輝かせながら大自然を眺めていた


「ずっとここにいたくなりますね」


「まあ、確かに気持ちは分かるけどな」


「あの、先輩……手繋いでもいいですか?」


「ああ、別に構わないぞ」


 白は嬉しそうな顔をすると、指と指の間に自分の指を入れてきた



「恋人繋ぎというらしいです」


「そうなのか」


 そのまま、白と寄り添いながら歩き続けた。



「やっぱり、先輩の手大きいですね」


「お前が小さいんだろ」


「むぅ……身長差もありますもんね……」


「俺は今の白のままで十分可愛いと思うぞ」


「えへへ、ありがとうございますっ」


「お、なんか建物が見えて来たぞ」


 遠くの方に大きな街が見えた。



「あれは一体何なんでしょうか」


「行ってみればわかるだろ」


「はいっ!」


 その建物は中世のヨーロッパのような作りをしていた


 中に入ると、沢山の人が行き交っていた



「これは凄いですね」


「ああ、まさかここまでとは思わなかった」


「まずは何をすればいいんですか?」


「とりあえず、クエストを受けてみるか」


「わかりました」


 受付に行くと、可愛らしい猫耳の女性が対応してくれた



「ようこそ、冒険者ギルドへ。本日はどのようなご用件ですか?」


「クエストを受けに来たんですが、何かオススメは?」


「はい、初心者向けのものならこちらになります」


【薬草集め】


 報酬:100G

 詳細:街の近くにある森で採れる。


「じゃあ、それで」


「かしこまりました。お気をつけて」


「よし、行くぞ」


「はい、頑張りましょう」


 俺達は森の中に入っていった



「お、早速あったみたいだぞ」


 そこには、たくさんの緑色の葉っぱがついた植物があった



「これが薬草ですか?」


「多分それだな」


「意外と簡単ですね」


「そうだな」


 その後も順調に薬草を集めて、モンスターを倒していったりした


 そして、日が暮れる頃には全て集まった



 それをギルドに持っていってクエストを達成した


「そろそろ終わりにしとくか」


「はい、楽しかったです」


「また、機会があれば来ような」


「はいっ」


 俺たちはログアウトした



「ふー、疲れたぁ」


「私も少しだけ眠くなってきちゃいました」


 時計を見ると午後七時を過ぎていた



「もうこんな時間だったのか」


「ご飯どうします?」


「ん〜、たまには出前でも取るか」


「賛成ですっ」


 ピザを注文して、届いてからは二人で食べた



「美味しいですねっ」


「だろ?この店のピザ最高に美味しいよな」


「はうい、ほんとにおいひいでふ」


 白は口いっぱいに頬張って食べていた


 幸せそうな表情を浮かべている


 そんな白を見ているだけで俺は幸せな気持ちになった


「ほら、口にソースがついてるぞ」


 白の口を拭いてやった


 すると、白は顔を赤く染めながら微笑んだ


「えへへ、ありがとうございますっ、」


「気にすんな」


 白は照れたように笑った後、再び食事に戻った


 その後、二人で片付けをして俺は風呂に入った


「ふう〜」


 湯船に浸かると思わず声が出てしまった



「今日は色々あって大変だったが、楽しかったな」


 白と遊んでいる時間は本当に楽しい


「明日は何しようかな」


 俺はそんなことを考えながら、ゆっくりと浸かった

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