第4話 誘い

「先輩、今から私の家に来ませんか?」


 白に上着の端をつかんで呼び止められる


 今から?家に?俺が?


「何でだ?」


「……お礼が、したいんです」


「そんなものは必要ない」


「……分かりました……呼び止めてしまい、すみませんでした」


 白は八の字の眉で、あごにしわをよせている……


 初めて白の表情らしい表情を見ることができたが、後輩にこんな顔させてたら……先輩失格だよな



「勝手なことを言うが、やはり家に行かせて貰ってもいいか?」


「はい……!」


「どこに住んでいるんだ?」


「駅前のマンションです……ついてきて下さい」


「……嬉しそうだな」



 三人で店を出た後、白と彰が先行し、それに俺がついていく形で家に向う


「で、お礼ってなんだ?」


「ここでは……言えません」



 街中で言えないお礼って何だ?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る