第23話 商業の国、港町

 イリアを購入した次の日には、商業の国港へ向けて出発した。

 町や村の宿で宿泊しつつ2週間程で、港町に着いた。

 旅の間、イリアはアイギスさんに武器の扱い方の訓練を受けていた。

 イリアは、槍を使うことにしたようだ。

 どっかで俺も弓術とか習おうかな。


 俺達は、宿をとり、東の島国に向かう船を確認しに向かった。

 次の出航は、来月の頭らしい。

 うーん、2週間程時間ができるな。

 ま、ここまで来れば、急ぐ旅でもないし、のんびり過ごしますかね。

 あ、この期間に弓術習ってもいいな。


 俺達は、宿の食堂で今後の予定を確認していた。


「ということで、2週間程自由行動です!」


「はい!」


 勢いよく手をあげるアイギスさん。


「はい、アイギスさん」


「その間のジョージさんの護衛はどうするの?」


「うーん、ここ治安良さそうだし、大丈夫だと思うから、好きに過ごして大丈夫だよ。あ、とりあえずここまでの護衛料として、金貨2枚渡しとくね」


「え!? 多くない?」


「ま、今はお金あるからね。渡せる時に渡しとくよ。ボーナス……特別報酬だと思って、この町で楽しんで」


「そういうことなら。ありがとジョージさん」


「いえいえ、こちらこそ。それでイリアはどうする?」


「私ですか?」


「あ、イリアは私と町を回ろうよ!」


「えっと、よろしいのでしょうか……」


「いいよ。イリアも楽しんできてね。じゃあ、金貨1枚渡しとくね」


「ご、ご主人様! そんな大金を!」


「大丈夫、大丈夫。女性に必要な物とかもあるだろうから、アイギスさんと町を回って購入してね」


「あ、ありがとう、ございます」


「じゃあ、俺は、テマリと釣りに行ったり、弓術も習えれば習ってみようかな」


「ジョージさん弓術やるの?」


「そうだね。ちょっとでも自衛出来れば、みんなの負担が減るでしょ」


「なら、短剣術か体術も習うと良いよ。ま、私達が抜かれるとは思わないけど、いざという時に助けに行くまで時間稼いでくれたら助かるし」


「確かに。どこで習えるか知ってる?」


「うーん、冒険者ギルドで講習やってるから、申し込めば基礎は教えてくれると思うよ。それにジョージさんだから、スキルも取れると思う」


「そっか。冒険者登録しなきゃダメ?」


「講習は、狩人や住民の護身術としても教えてるから、登録しなくても大丈夫だよ」


「そうなんだ。じゃあ、早速明日行ってみるよ」


 俺とアイギスさんの話を聞いていたイリアは、首を傾げていたが、たぶん講習を受ければスキルはゲット出来ると思う。


 こうして、俺達は、次の出航日まで、各々自由に過ごすことにした。



 次の日、俺は冒険者ギルドへと向かい、講習を受けるための手続きをした。

 弓術と体術、短剣術の講習を1週間受けることにした。


 毎日クタクタになりながらも1週間なんとか講習を受け続け、無事3つのスキルをゲット出来た。


 出航日まであと1週間。

 俺は、テマリを連れて海で釣りをすることにした。

 この港町にも釣具屋はあったが、リール売ってないんだよなぁ。

 まぁリールってかなり技術が詰まってる物だしな。

 船借りて、凧揚げの糸巻きみたいなの作って、深いとこにいる魚狙ってみようかなって考えてたけど、釣り糸をその長さ購入すると大金が必要になることが分かったので諦めた。

 普通に港で釣ることにして、釣り糸は、スパイダー系の魔物の糸を加工した物で、かなり丈夫な物らしいので、これと、餌のゴカイみたいなやつを購入した。

 

 港へ行くと、何人かの釣り人がいたので、俺も早速釣ってみることにした。

 ただ、イールレイクで釣りをした時の竿の長さは3m程だから、糸もそれくらいの長さじゃないと釣り上げることが出来ない。

 港だから、船が入るように深くなっている。

 ま、とりあえず2mくらいでやってみようか。


 準備をして、釣りを開始。

 まわりの釣り人を見ると、投げ入れてから、それほど待たずに釣り上げてるな。

 釣り上げて、そのまま地面にピチピチさせて……踏んだ!?

 え、なんで? っと思っていると、アタリが来たのであわせた。

 スッと釣り上げられた魚は、小さな赤い魚だった。


 よく見ると、カサゴのような魚だ。

 これ俺知ってるかもしれない。

 オニカサゴじゃね?

 ちょっと調べるか。


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名前:オニカサゴ

wikiに該当のページはありません

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 え?

 そんなこともあるの?

 ま、まぁオニカサゴってのは分かったから、良しとしようか。 

 それにしても、この【調べる】って微妙だな……。


 さっき魚を踏みつけていた釣り人の場所をよく見てみると、この小さな赤い魚がみえるので、オニカサゴを踏んで仕掛けから外してたのが分かった。


 この魚、背ビレとどっか忘れたけど、毒のある棘があるんだよな。

 でも、高級魚じゃなかったか?

 あれ? それはカサゴか?

 やべぇ、どっちか分からん。

 ただ、この小さいのもヒレ全部切って、唐揚げにしたら美味しいんじゃないかな。

 ハサミは、釣具一式の中にあるから、刺さらないように気をつけながら尾ビレ以外全部切って、確保しておこう。


 釣りしている間、テマリは眠そうだったので、木箱を出してあげたら、その中で寝ていた。


 

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