第21話 スタンピード終了から商業の国へ
スタンピードが終息し、救援が来たことで、それまで戦闘に参加していた人や非戦闘員の人達は、簡易テントなどで休息をとった。
そして、次の日になり、冒険者達は町長と冒険者ギルドから報酬を受け取った。
俺とアイギスさんも町長から、かなりの金額を頂戴した。
その後は、全ての人が参加し復興作業となった。
復興作業は、魔法やスキルがあることもありその日のうちに完了した。
俺は、芋爺ことガモイさんからムカゴ、ジャガイモの種芋、サツマイモの茎など栽培をするのに必要なものを頂戴した。
それぞれ植木鉢に植え付けて、木箱に入れてマジックポーチに収納しておいた。
スタンピードの事後処理が全て終了し、町をあげての宴会となった。
亡くなった人もいたようだが、その追悼の意味もあるようだ。
皆それぞれが、泣き、笑い、酔いつぶれ、各々の夜を過ごした。
宴会の次の日、俺達は、オークの干し肉などの食糧や調味料を購入して、商業の国へと出発した。
そして、1週間後、商業の国へと入国した。
商業の国は、都市や小さな村まで、全ての場所で上下水道や街道の整備がされており、とても衛生的で、効率の良い運搬ルートが整えられていた。
そのため小さな村でも、食糧や調味料の種類も、たいがいのものが揃っていた。
街道でも野営することなく、村で宿泊できるようになっていた。
ただこの国では、借金で身持ちを崩す人が多くいるため、借金奴隷となった人達を雇うことも出来ると宿屋の女将さんに教えてもらった。
そこで、アイギスさんと東の島国についた後のことを話し合うことにした。
「アイギスさん、東の島国に着いたらどうする?」
「どうするって?」
「アイギスさんは若くて美人だし、俺とずっと一緒にいるって訳にもいかないでしょ」
「わ、若いかなぁ? それに美人なんて……もしかして口説いてるの?」
「いやいや、ただの事実を言っただけだって」
「そ、そうなんだ。うーん、貰ってくれる人がいなければ、ジョージさんが貰ってよ」
「なッ!? 冗談でもそんなこと言っちゃいけません!」
「あはは、お母さんみたいなこと言うんだね」
「ん“ッん”っ……で、どうする?」
「そういうジョージさんは、どうするの?」
「俺は、島国を見て回って、美味しいものがあるところに拠点を構える予定だよ」
「へぇ。ま、そうだよね。錬金術師だし、この前のスタンピードでもかなりお金貰えたみたいだし」
「まぁね。テマリと一緒にゆっくりした時間を過ごすさ」
「そうかぁ……ジョージさんと離れるとテマリちゃんとも会えなくなるんだよねぇ」
「アイギスさん、ほんとテマリ好きだよね。とりあえず、この国なら護衛用の奴隷も買えるみたいだからさ。アイギスさんの予定を確認したかったんだよ」
「あ! 私がいなくなったら、その奴隷とあんなことやこんなことをするんでしょ!」
「なんでそうなるんだよ。まぁ、女将さん曰く、購入した奴隷が借金を返し終えた時に、結婚する人は多いって言ってたけどさ」
「でもさ、それだとジョージさんの場合、どんなに早くても結婚する時40越えてるよね?」
「ぐっ……」
「借金がなくなれば、ただの人だよ? 選んでもらえるかもしれないけど、たぶんお金目当てだよ?」
「……ぐうの音も出ないこと言わないでくれるかな? 俺もそこはなんとなく分かっていたけどさ」
「うーん……私はまだ若いみたいだし? ジョージさんも心配だし? なによりテマリちゃんと離れたくないからジョージさんの拠点の近くに住むことにするよ」
「……心配してくれて、ありがとうって言えばいいのかな?」
「いえいえ、どういたしまして」
あははっと笑うアイギスさん。
くっ。笑顔が可愛いのは卑怯だと思う。
「まぁ、借金奴隷の購入はする予定だよ。アイギスさんが戦闘している時は、俺無防備だからね。この前のスタンピードで嫌というほど実感したからさ」
「あー、確かにそれはそうかも。もう1人いたほうが、私も安心出来るかもね。ずっとテマリちゃんが心配で心配で……」
「そこは雇い主の俺を心配して?」
アイギスさんに揶揄われながら、この日の話し合いは終わり、大きな街に着いたら奴隷商館に行くことにした。
そして数日後、俺達は、港に向かう道中に、大きな街に着き、奴隷商館へと入った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます