第7話

なんせ奴らが目の前にいるのを視認することができたからである まさか……!どうしてお前がここに……

「俺がここにいることに疑問を持ちつつも それを隠したければ隠せばいい どうすることもできないだろう」

………………

はぁ……やっぱこいつの力はヤバイレベルに到達してんじゃないですかねぇ……しかも今の発言を聞く限り藤宮もこちらの様子を観察していてさらには奴らの姿を確認して俺に対して質問してきたってことであるはずなんだ つまり俺は嵌められていたということでもあるがここまでやってくれるのかよ!?と思ってしまったり……まあこれが本当の目的ではなかったとしても結果オーライ的な何かであることを願うのみであるんだな……

そんなことを考えていて、何も言葉を出すことができなかったが 藤宮に助けを求めようと口を開けて声を発したその時には時すでに遅し 再び睡魔に襲われてしまうとまたしても寝てしまい、目を覚ました時は既に集合時間が過ぎ去っていたためどうしようもなかったのであった。

その後の行動としては……というより 現状把握をすると共にこれからのことを考えて行かないとならない さっきも述べたように奴らに捕まってしまった以上どうするかを決める必要があるということであり 簡単に言うならば今回の件に関して今後二度と関わり合いを持つことを避けたいという意思が強くあることを認識して 俺自身どのような選択をとるべきなのかどうかを判断するべきだと思っていたのである。そして俺はこう考えてしまったんだがそれは……

1全員の記憶を完全に消し去る つまり忘れてもらうことで一切の問題が生じなくなると考えてはいたけど流石にこれは実行することができないために諦めるしか無かったのだが……

2奴らと接触することを避けて過ごし 何か問題が生じた場合は学校側から対処するという形に持っていける それが可能であれば修学旅行は欠席しても良いかなと考えていたりもしていたのである 何故なら面倒事が起きる可能性が高いと考えているのだからそうした方が良いのではないかなと思えてきてしまったということだ。しかし当然これを実現するには非常に難しいものとなっていて実際には難しいと考えざる得ないのだが 仮に上手くいった場合を想定して話をしていくとすれば

1 今回のような事件に巻き込まれても奴らからは助けてくれることはない

2 教師達が何らかの対応を取ってくれるのか怪しいところではあるが それでもし万が一にも解決に至った場合は修学旅行の参加を許可してもらえる ただし参加に関しては俺個人の見解になるのであまり期待はできないものの

3 もし本当に問題が解決できた場合に修学旅行に参加する許可を得られるか?という話になります。その場合は

1.問題を発生させずにやり過ごそうとする

2.修学旅行に参加せず自宅に閉じこもり続けて過ごす(これは一番あり得るかと思います)

といった形になろうかと思われており

どの道を進もうにしても苦労してしまうのが予想されていますので非常に厄介です ちなみにこの2パターンの場合は自宅まで押し掛けられて襲われることは間違いなく考えられるでしょうね

(だってわざわざ狙った獲物を逃すわけがないだろうからな 間違いなく捕まえた後にじわじわと苦しめる方法を模索しているはずだし 特に藤宮とかいう女に関しては完全にロックオンされているみたいだし)

というわけで結局は詰んでいる状態に陥らせられており 一体どうすればよいのだろうかという疑問ばかりが浮上するのだった……

そんなふうになっている中 とあるグループトークの方でも動きがあることに気付いたため そこに記載されていた文章を読むことにするとそこにはこのように書かれてあった。

"みんなもう既にバスには乗っているんだけど、まだ君たちだけは乗り遅れそうになっているよ!先生達と一緒に待っているから、さっさと行っておいで!それと、みんなもうバスの方に行っているからそっちに乗るようにするんだよ!" これを読んで思ったことなのだが まさか……この修学旅行における班ごとに分かれている点を利用した罠みたいなものが仕掛けられているのではないかという疑惑が浮かんでしまったので、慌てて自分のスマホの画面を見始める。すると藤宮以外のメンバー3人の方からも同じようにラインでメッセージが入っていることに気付いてしまい一気に冷や汗が出まくってきてしまって焦っていた。…………。えっと〜どういう状況になってんのぉ〜……と心の中では呟いていながら現実逃避しそうになる中でこの状況をどうにかすべく思考を切り替えていくしかないなと思えたのだ。

それからしばらくの間沈黙は続き 何も言葉を発することなく立ち尽くしていること数十分後、突然大きな物音が聞こえたためそちらを向くと担任の山田教諭の姿が見えるのだった。

「やばいやばい……お前ら遅刻だぞ!?早く来い!」

かなり必死の形相になっており本気で怒っておりそうな感じだったため俺自身も少し動揺しつつ走っていくとあっという間に辿り着くことができたのであるが他の4人のメンバー達はその場におらず、俺一人で走るはめになっていた。そのため俺は奴らのグループトークを確認した。

そこにはこう書かれていたのであった。"俺らが考えた作戦を実行しようとしていますので皆さん協力してください""まあ大掛かりなことをしようとしているだけですからすぐに終わるよ""それよりもさっさと来るんだ じゃないと面倒事になると思うよ 私達が待ちぼうけ喰らう羽目になったじゃないか "あいつマジむかつくわ……!!と思いながらも今は冷静さを保とうと考えながらゆっくりと歩いていたら目的地に着くのであり そのままバスに乗ろうとしたら何故か止められてしまう……?あれ……どうしてだよ……何で乗車拒否されてんだよ どうなってんだ それにここにいる全員が俺の顔を覚えていることを良い事に何かしら仕掛けてきやがったということであろう つまり奴らは俺の存在について記憶を失っていないということを証明しているようなものである。しかしそれでは意味が無いということがわからないのかよ……。

だがしかしよく考えてみたらここで無理矢理突破したら何をされるかわかったもんでもないと思ってしまうと、このまま大人しくしているしかなさそうだ 俺は渋々ではあるがバスに乗車させてもらえるよう許可を貰えるようにお願いした。そしてそれを承諾してもらうためにまずは話をしようとした時である。バスが発車し始めてしまい俺は1人だけ取り残される形となったのだが そこは敢えて慌てず騒がずに落ち着いて行動することにしたという訳なんだ。そしてとりあえず何とか無事に乗り込むことはできたものの……俺はいつまで我慢し続けなければいけないんだ?と苛立つしかなかったんだよね……全く……

そんなこんなでようやく出発してから暫く経った頃のことであったのである 俺の携帯の方にも着信が入り確認してみたところまたも藤宮からであり しかも内容はこのようなものであった。

どうせロクなものでも無いだろうから無視をしたいなと考えていたらその瞬間に通話状態になってしまったのだから思わず驚きを隠すことができなかったのだがそこでいきなり彼女から言葉を掛けられてきたのである。

その内容としては

『さっきのことについて詳しく話を聞かせてもらおうかな〜』といったもので本当に嫌気が差してしまっているのと同時にこいつも一体なんでわざわざ話しかけてくるのかが本当に理解できなかったんだよね てかこいつは自分がどれだけ迷惑なことをしているのかということがまるで分かっていないんじゃねえか って思えるくらい そう考えていく内に自然と頭の中で怒りが爆発し始めていたため抑えきれず とうとう彼女に思いっきり怒鳴りつけてやったぜ そうしたらいつの間にか電話は切れていた。その時になってようやく落ち着きを取り戻すことができましたね……それから車内で一悶着起きるかもしれないという可能性も充分考えられたので、これから先のことを考えると溜息ばかりが溢れ出してしまっていたのだ。そうしたこともあって気持ちは憂鬱になりかけていたのだがそれでも何とか切り替えるようにはしていたから気力で乗り越えるしかないと考えた末に、今はとにかく目的地に到着できたのならその時点で終了になるんじゃないかなとか思っていたりした。そんなこんなで約15分程走り続けたあとにバスを降りてからはクラスごとに各宿泊施設に分かれて向かうことになっているから、もう俺がこれ以上絡まれることはなくなるだろうと少し安心することができたのであった。……にしてもここまで来る道中に何度か生徒達による集団暴行を受けそうになるなど、かなり危ない目に遭わされてしまったわけですがこれはあまりにも危険すぎませんかね……いくら俺の記憶が残らないという体質を持っていても流石に注意力が散漫すぎるんじゃ無いですかねぇと正直思えてきてしまったのだった。

はぁー本当面倒臭ぇわマジで……。こうして長いようで短い2泊3日の修学旅行が始まるのであった。ちなみに今年で6回目となるこの行事においては今まで通りトラブルだらけになると予測されており、既に教師連中はかなり疲弊し始めているのだとかいないとの話もあるそうなので余計に不安になっているところであります……

まあお土産屋さんにて購入できますのは勿論のこと有名な"温泉まんじゅう"ですので是非とも食べてみてください!美味しいですよ〜 それじゃ今回はこの辺にしときましょうか。次の話もまた楽しみにしててくれたらなと思っていますんでヨロシク! バスに乗っていた際に奴らからのちょっかい掛けられることは回避できたとは言えど、その後の宿泊所に向かうまでの間に同じような事が起こってしまうのではないかと少し懸念しながらも結局何も起きることなく無事にたどり着くことができた。しかしながらそれは逆に考えると俺を狙っていたのではないかという疑惑すら生じさせることにも繋がりそうな展開だったため気を抜かず警戒し続けたのはいうまでもなかったのだ。……というのも俺には前科がある。

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