第6話
だがそれを聞くために俺が質問を投げかけると彼女は自分が作れる薬の説明を始めてくれて説明を終えると今度は実演を始めた。彼女曰くこうすれば材料の魔力水も手に入るため結果的には一石二鳥なんだと嬉々としながら解説し始めたが残念なことに俺には何を言っているのか全く分からなかったわけで……ただ一つ分かったこととはその水を少し飲んだだけでも体力を回復する効果があるのと素材によっては一時的に傷を回復させたりするものまであるようだ。
だがいくら材料が手に入ったからといって道具がないため作り方はさっぱりだったため聞くしかなかったのだが藤宮さんが簡単に作ってしまっていたから驚いた。本人曰く子供の頃はよく作っており慣れたもんなんだとか言ってたけど凄すぎると思った。それからは何事もなく平穏な時間が流れていた。
だけどその平穏は一瞬にして崩壊してしまう。急に現れたあいつに邪魔されたからだ。最初はなんの脈絡もない唐突の出来事で何が起きていたか全く分かってはいなかった、だからこそ対応できずに攻撃を受けてしまったのかもしれない。そして気付くのが遅れたことで奴らに捕まってしまっている状況となっている。藤宮たちはそれぞれ抵抗していたが相手の方が強かったらしく結局なすすべなく連れ去られていく様子を見せつけられて絶望してしまった。
そしてしばらく走らされてから地面の上に置かれてしまったのを確認した藤宮が
「一体どういうつもりなんだ!!」
などと言って問いかけると リーダーっぽい男が喋り始めると それは今回の目的とこれまで行ったことを淡々と述べてきたのである 。それを聞いた俺らは動揺を隠しきれずにいた 。まさかここまでのことをしてくるなんて思ってもいなかった 。そこで俺らの心に宿った考えといえばこいつらを皆殺しにしてやりたいといった感じのものになっていったのを感じ取っていたため俺自身も殺意を覚えていたら、そこにリーダー野郎の一言が入り込むこととなり俺の心の中に燻っていたものが一気に爆発していった。そして俺が感情に任せて叫んでいたその時 聞き覚えのある鳴き声によって意識が戻ると藤宮たちに抱えられていて、更にその背後には大きな龍が現れておりそいつも一緒にいるみたいだった。そう俺が正真正銘あの時見た個体だということに気が付きさらに動揺を加速させた。そこであの時はどうして見失ってしまったのか聞いてみたところどうやらもしかしたら他の連中に攫われたのではないかと答えてくれた。これはもしかしてかなりピンチってことだよなと思って慌てて辺りを確認すると、すでに周りは敵の軍団で囲まれてしまい逃走できる隙すら見つからないくらいの状況まで追い込まれていったのであった。そしてリーダーらしき男の声が響いた直後大量のモンスターたちに襲われ始めたのを見て それからの俺たちの行動は極めて迅速かつ無駄がなく、それぞれが全力で戦っていくことになった。ただそのせいで俺は戦力不足に陥ってしまったようで、それでも少しでもみんなの役に立ちたいと精一杯戦ううちに体にも異変が起きるようになってしまい、体が軽くなったような錯覚を覚えたものの、同時に全身に激痛に襲われることとなり動けなくなったところを敵の一人に見つかって襲いかかられるも藤宮に助けられたため間一髪のところで助かったがその後また再び襲われる前になんとか逃げることに成功したためほっとした束の間次の瞬間 先程よりも強く激しく襲ってきたために俺はまたしても地面に倒れ込んでしまいそのまま動けない状態になってしまったのであったが……
こうして俺たちは無事とは言い難い形で窮地に立たされたがみんなのおかげで乗り越えることができたのだ だけどまだ終わっていないこれからが本当の始まりであることだけは確実であるため今は休むことにしたのである……ふぅ こんな夢をみた……というか最近同じような内容の悪夢ばっかり見てんだよなぁ〜しかも毎回俺が殺される側で。ほんともう勘弁してほしいわ 。朝起きても疲れが取れねぇから困っている訳だし、それによくわからない焦燥感に駆られてしまうから精神衛生上非常によろしくないためマジで誰かに助けて欲しいんだけどな まあいっかそんなことは気にせず支度したら学校に行って今日もまた平凡な一日を過ごすことにするか!
「おっ はよー!相変わらずお前は元気だな!」後ろから肩をポンっと叩いて来た友人の声を聞く限り昨日も会ったはずだが、俺が記憶していないのかな?と思いつつも挨拶はしておいた、それで今日の予定について確認をするとやはり俺が思っていた通り普通に授業が行われるみたいなのである 。そのため俺らは今現在教室にいて教師の話を聞いており、この後に何があるかと聞かれた場合は修学旅行の説明が始まるだろうと思う。正直言うとめんどい……めんどくさすぎる 。だがそれよりも辛いことがもうひとつあって……なんと……隣のクラスでは1学年合同で行われるためにあいつがいるということなのだ……うわっ思い出したくもねー!いらんわあんなおぞましい物体……などと考えていたら担任の教師が来てしまっていよいよ来るべき時がやってきたわけで……
「おいっ」
……はっ……なんか変なものを感じた気がするのだが気のせいだと良いいが……とりあえず話しかけて来たこいつは藤宮っていうんだ 。なんでも昔からの親友らしくたまにしか学校に登校してこなかったらしいのだが最近になってようやくまともになってきたということで最近はちゃんと学校にくるようになったという話を聞かされたことがある。んでその話は嘘じゃないらしく俺が来るまでにちょこちょこ話しかけてきた奴もいたのを見たことがあったな。さすがにずっと話すことがなかったため話題にはついていけなかったが……って話をしている間に俺に話が回ってきてしまっていたではないか。何を聞けと言われたかってのを簡単に説明させていただいたなら
・どこに行きたいですか
という問いに対しての答えを言うだけ
たったこれだけのことなんであるがそんな簡単なことができないってのはまあ察してくれたならば分かるであろう?だがこれを乗り越えなければ次にいけないというのは明らかで、ここは覚悟を決めるしかなかった。まず行くところを考えた時どこがいいかという思考をひたすら回転させるしかなかったが 、そこで閃いたことは海外旅行なんてどうだろうかと思ったため口に出すことにした。藤宮曰くハワイに行きたいという願望があることを聞いた俺はなんでそう思ったのか自分でもよくわかっていないけど、それでも行ってみたいという考えが浮かんできたためそういう結論に至ったというだけだ。だけどなんにせよあいつと一緒に行かないとなるとなんだか気分的に楽になるということもあってそれが一番俺の中で重要だということが分かった。あとのことについて話そうとするも藤宮からの制止が入る その手を止めずにいるように言ってからは喋り続けると、どうやら俺は何か特別な力を持っているのではないかというような内容の発言をし始めて困惑してしまう。そうして考えている最中でも、自分の力が強まっているのを感じていたらしく、それと同時に奴らに対する気持ちが高まっていってしまったのだという そのためあの時あんな化け物と遭遇したのだと言うのだ……だからきっとまた同じ目に合うかもしれないとのことなので今回は修学旅行どころではなく家に引き篭もった方が良いと提案されてしまった
確かにそれは悪くない案だと思うんだけどやっぱり俺は藤宮と修学旅行へ行きたいと考えてはいる だって一緒にいない時間ができればそれだけ会いたくなっちまうこと必至で結局一緒に過ごすことにしかねないだろうと予測していたのである。そう考えると本当に危険であることがよく理解できてくるのだが、一方でこのままずっと引き摺っていても良くないと思っている自分がいたためにどうしたものかと悩んでいた時に突然背後にいた人物により強制的に眠らせられて意識を失う直前に見えた景色がどこかで見たことある人がいたのでそれのせいもあってか恐怖を覚えることなく気絶してしまった。
ふむ……
いつの間に寝てしまったのか 全くわからないんだがまあいいか ん〜 今日から修学旅行の予定になってはいたんだがその当日になるまで家で待機するように先生に言われていたこともあり 俺は仕方なくいつも通りの時間を過ごした後にそのまま眠りに就いてしまったようだな! ところでなぜみんな集まってきて騒いでいるんだ?それもこんなにも朝早くから。これはどういうことだ?と思いながら時計を見てみるとちょうど朝の7時半になっていることがわかった……そしてようやくここで違和感がある事に気づいたのであった!
(おい これちょっと早くないか?おかしいよね〜 朝7時とかありえないよねwこんな時間に起きる意味あったのかよ 朝からゲームやる予定だったというのにさ……ほんと勘弁して欲しいぜ……せっかく朝飯を食べ終えようとしてたというのによぉ……)
しかし、周りでは誰も気にすることなくどんどんと進んでいく中1人だけ取り残されている感じになっていて非常に気まずくなっていく一方だ 何が原因なのかといえば多分……あいつが来たからであるとは予想できている いや間違いなくそうだ……!もうこの時点で頭が痛くなり始めたが今から起こる出来事について少しばかり説明するとしたら 1 起きた瞬間から隣にはなぜか例の人物がおり
2 起こされてすぐに抱き着かれて 3 4人のグループラインに招待された上でそこからグループトークが開始されるという事態になっており 5 ただいまスマホに向かって文句と悪態をぶつけまくっている真っ最中ということである。ちなみに今の時刻については 8:40 であり、あと1時間半後に出発する予定であったはずである。この辺りの詳しい状況まで知りたかったら後程話すこととしよう。とりあえず今日に至るまでの大まかな流れを説明するとするならば まず修学旅行前日(正確には昨日の23時頃の時間帯に電話があった時点でこのような事態になるとは想定はできていたが……それにしてもあまりにも行動が早い上に的確すぎる気がするぞ……マジで 一体どんな手を使おうともしてんだよ……怖いわホント……! あいつは絶対に敵にしては駄目な人種だと分かったしね……!! というわけでとりあえずこの状況を打破するために藤宮へ電話をかけてみると、何故か通話状態となっているにもかかわらず無言の状態が続き始め、ついに痺れを切らせた俺は口を開くことにした。するとそこには予想外の回答が出てくることになったため、一瞬聞き間違いじゃないかと思うぐらいに驚いてしまうことになる。
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