第7話 まさかのさらっとの告白
「おにーさん。やっぱり何というか元気が無いですね」
「.....それはまあ.....うん。ちょっと色々あってな.....」
「うーん。でもでもそんな覇気では次の時間は持ちませんよ?」
「まあ確かに持たないかな。.....まあそうなれば究極は寝れば良いしね」
目を丸くする憂ちゃん。
それから、いやいやおにーさん。良くないですよそれ、と苦笑する憂ちゃんを見る。
クラスで会話をしている俺達。
憂ちゃんはそんな俺のクラスにやって来てから.....リア充に囲まれたりしていたが。
俺という男子の抑止力のお陰かあまりハイエナの様に、恋恋恋、的な感じでやって来る奴は居なかった。
例えば本当に、求愛、とかそんなのである。
既に俺の義妹という事もバレてしまっているので.....どうしようもない状態ではあるのだが.....まあ先手が打たれて良いかもなこれ。
「でも良いのか?.....お前さんは」
「.....何がですか?おにーさん」
「とんでもない事まで言ってしまって.....」
「.....そうですね。.....でもまあその中でも義妹っていうのは嘘では無いですしね」
「.....まあそうだけど.....いや。それじゃないというか.....」
うん。
全てにおいて私は後悔などしていません。
寧ろおにーさん。
私は貴方に感謝しています。
今の状況.....変な人が寄って来ないので、とウインクする。
俺はその姿を見ながら少しだけ赤面した。
するとユニが俺達に話し掛けてくる。
「やあやあ。憂さん。君は義妹という事だけど.....小路くんの義妹にいつ頃なったんだい」
「ユニさん。.....この前です。彼の義妹になったのは。.....彼は本当に良いお兄ちゃんで良い人です」
「.....ふむ。.....興味深いね。.....そういえば自己紹介時に君は彼が好きだという話だけど.....これも本当なのかな」
「あ.....」
「.....!」
俺は憂ちゃんを見る。
そして憂ちゃんの答えを待つ。
すると.....憂ちゃんはキュッと口元を締める。
それから見上げた。
冗談では言わないですよ、と言いながら俺を見ながらユニを見る。
「そもそも転校して来た理由はまず第一がそれですね。.....私は.....おにーさんが好きですよ」
「やはりそうか。.....だそうだが?小路。ははは」
「.....え?.....え?いや。ちょっと待って。.....う、嘘だよね?」
「嘘ではないですよ。おにーさん。.....結局.....私はおにーさんが好きだと思います。.....どういう部分で好きか、って言われたらやっぱり優しい所ですね。段々と惹かれています」
「.....だそうだね。小路。はっはっは」
「.....し、信じられない.....」
俺は赤くなりながら憂ちゃんを見る。
憂ちゃんは、私は.....恋愛の意味でおにーさんが好きです。おにーさんは.....本当に良い人だと思います、と。
そんな言葉を受けながら.....俺は顎に手を添える。
すると、何を悩んでいるんだ君は、とツッコミを受けた。
「.....ユニ。俺には俺なりの悩みがあるんだよ」
「.....?.....君に悩みなどあるのかい?」
「ひでえなお前.....」
「冗談だ。.....憂さんが君を好きになると問題があるのかい?」
いや、と言いながらも悩む俺。
それから考えていると。
ピーンとした様な感じでハッとした憂ちゃんがニヤッとした。
ユニさん。.....おにーさんは悩んでいますよ。だって、とそこまで言ったところで俺は憂ちゃんの口を塞いだ。
それから教室の外に引き摺って行く.....。
「おにーさん?」
「あのね.....これ以上バラすのはマズイ。結衣の事もあるだろうし」
「.....!.....そう.....ですね。.....確かに。.....おにーさん人思いですね。それぐらいなら良いかなって思いましたが」
「まあ今は.....バラさないでおこう。.....五月蝿いしな。色々と世の中も」
「.....そうですね。そういう所が好きですよ。おにーさん♡」
「冗談でもよしてくれ」
そんな感じで会話をしながら戻ろうとした時。
おにーさん、と声がした。
それから力強く見上げてくる。
俺は?を浮かべて目をパチクリする。
そして見ていると。
「おにーさんの事は優しいし本気で好きだと思っています。だからこそ負け戦かも知れませんが聞きたい事があります。.....おにーさん。.....私と結衣はどっちが好きですか?」
「.....え.....いや.....それは.....」
「.....ですね。.....やっぱりです。.....じゃあ」
と言いながら俺の腕に腕を絡ませてくる。
俺は!!!!?と思いながら憂ちゃんを見る。
憂ちゃんは見上げてきた。
それから、結衣には負けたくないですね、と言いながらニコッとする。
「おにーさんは決めきらないと思います。.....だからこそ魅力で勝負ですね」
「.....い、いや.....うん。まあ.....」
「何ですか?嫌ですか?」
「.....いや。嫌って訳じゃないよ。.....でもその.....俺が危ない」
「.....?.....それは性欲の部分ですか?」
「あのね.....そんな事を女の子が言わないの。違うから」
「では?」
義妹だぞ君は。.....それに美少女だ。.....だからその。俺と今は.....、と言うと。
憂ちゃんは目を丸くしながらニヤッとした。
それから、大丈夫ですよ。おにーさん。.....私は貴方が好きなだけですから、と極論を述べてくる。
俺は真っ赤になりながら慌てる。
「君達は本当に恋人の様だね」
「.....いや。ユニ。静かに見てないで助けてくれ」
「助ける必要があるかな?ハハハ」
それから俺は戻ってから授業を受ける.....が。
心臓が痛い。
でも何ろうか。俺を好きになる理由が分からない。
そんな事を.....思いながら俺はドキドキしながら憂ちゃんを見ていた。
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