第5話 そりゃそうでしょ。結婚相手だもん

クロイツと徐々に狩りをする。

因みに俺達のやっているこのゲームだがタイトルにタワーが付いているが前も説明したかもだけどタワー攻略が目当てのゲームである。

その為にタワーは滅茶苦茶弱いモンスターから強いモンスターになっていく。


階下<階上


対比で見るとこんな感じだ。

敵は本当にかなり先までいる。

そしてこのタワーを登頂した野郎は.....誰も居ない。

どこまでがゴールなのか分からないから、だ。

運営からも知らされてない。


(少し休もうか)


(そうだな。狩りのし過ぎで目が痛い)


(そうだね)


そんな会話をしながら俺達は岩に腰掛けて休憩する。

それから.....クロイツを見ていると。

クロイツは、でも不思議、と書いてくる。

俺は?を浮かべて、何がだ、と反応してみると。

クロイツは、私が君の家に居る感覚になるよ、と言ってくる。


(.....な、成程。確かにな。お前の分身だもんな)


(そうだよ。.....生き別れに近いから)


(.....そうか)


(まあこれ以上はプライバシーに関わるからね)


(そうだな。リアルで話そうか)


(そこでちょっとご提案なんだけど)


何だよ、と返事を書く。

そうしていると、私と一緒にまたオフ会やらない?、と書いてくる。

俺は?を浮かべて、まあ良いけど.....、と書くと。

クロイツは、やった、と笑みを浮かべた。

それから.....クロイツは、じゃあ約束ね、と岩から立ち上がる。


(そんなに嬉しいか?俺と会うの)


(当たり前でしょう。.....結婚相手なんだよ?)


(.....それは相棒も込めてだよな?)


(そ.....いや。どっちかなぁ?)


(はぐらかすな.....)


俺は赤くなってしまう。

すると、えへへ、とニコニコするクロイツ。

それから、君と一緒に行動出来るのが楽しいよ、と言ってくる。

何それ止めて、と思いながらボッと赤面する。


(俺と一緒ってそんなに楽しい?)


(世界が認めなくても私と憂が認める。楽しい)


(.....言っているけどな。名前)


(あ)


(あ。じゃないぞ。リアルの名前出すな)


全く、と思いながらクロイツを見る。

そして、じゃあそろそろ行くか、と立ち上がると。

クロイツは、そうだね、と反省しながら立ち上がる。

それから、まだまだこれからだね、と笑みを浮かべる。


(そうだな.....今タワー何階だっけ)


(458層だね)


(.....そうか.....確かタワーは1000だったかな.....)


(そうだね.....先は長いねぇ)


(まあボチボチ攻略すれば良いだろし)


(そうだね。一応1000とはいえそれで全部とは限らないしね)


それから苦笑いを浮かべるクロイツ。

判明している範囲で1000階。

つまりまた出現はあり得る。

ので.....キツイけど。

でも今はクロイツと一緒だしな。


(クロイツ。じゃあ行こうか)


(そうだね。.....あ。そうだ。ギル。話があるの)


(.....?.....何の話だ?)


(ギルドってか騎士団に入らない?)


(.....あー.....成程な。.....ソロで2人組だしな。.....キツイか.....そろそろ)


(勿論君が嫌なら入らないけどね。そこら辺は任せるよ)


(.....今は保留かな。だったら)


うん。じゃあ僕もそうする。

とニコニコしながら付いて来るクロイツ。

俺は、お前を独占したいしな、と回答し.....あ。

意味が異なってしまうか?これ。

思いながらクロイツを見ると。


(ふゅ?)


(く、クロイツ?)


(い、いや。勇ましいなって.....)


(.....すまん。今のは言葉のあやだ。ミスだ)


(.....え?撤回するの.....?)


え?、と思いながらクロイツを見る。

クロイツは俺を見上げてくる。

そして、ま、まあでも撤回も大切だよね!うん!、と笑顔になる。

俺は???を浮かべながらその姿を見る。


(クロイツ.....?)


(.....な、なんでもないからね)


(.....分かった。いいなら良いけど)


(.....うん)


そして俺達は話を進める為に歩き出す。

すると途中で、ねえ。ギル、と聞いてくるクロイツ。

そうして、好みのタイプってある?、と聞く。

ん?何の好みだ?


(え?それって武器のタイプとか?)


(え.....あ。ち、いや.....違わない.....)


(え?)


言い淀むクロイツ。

何がどうなっている。

思いながら、俺は太刀以外は嫌いだな、と回答する。

するとクロイツは、だ、だよねー、と曖昧に返事をした。

なんだ今の間は.....?


(ご、ゴメンね。今更だけどね)


(そうだな.....?)


(わ、私は鞭だしね!アハハ.....)


(.....???.....それはちょっと前から知っているけど.....)


なんでいきなりこんな事を聞く?

俺は思いながらクロイツを見てみる。

クロイツは、質問が違う、という様な複雑な表情を一回見せるが。

直ぐにニコッとした。

俺自身は意味が分からず、である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る