第2話 義妹と区別出来ない

実際の所だが.....こんな馬鹿な事があり得るのか。

俺は思いながら目の前の義妹を見る。

その義妹は今日出来たばかりの再婚相手の連れ子の義妹だが.....その。

俺のネトゲ友達の美少女の瓜二つの少女だった。

姉妹であるが故の事だが.....。


「おにーさん」


「.....な、何だ」


「今日からまさにおにーさんですね」


「.....そ、そうだな.....」


汗が噴き出る。

声もそっくりとかもうヤバいんですけど。

髪飾りだけが違うだけで.....。


思いながら、買い物に行く、と取り残された俺達は会話をする。

この子の名前は憂ちゃんだ。

憂ちゃん.....だよな?


「おにーさん。洗濯してきますね。私。掃除とかも」


「.....そ、そうか」


「.....おにーさんの部屋も掃除します」


「.....い、いや。止めて。お願いそれだけは」


「冗談ですよ。うふ。うふふ.....」


「.....」


冗談に聞こえないんだが。

プロフィールとしてこの子はネトゲはしないが。

でも.....アニメ文化は好きらしい。


アニメとかグッズが好きなのは偶然だったらしい。

結衣の影響とかじゃ無く、だ。

俺は汗をかく。


「.....取り敢えずあの部屋は魔窟だ。入るな」


「.....はい。兄妹の掟ですね」


「分かったら宜しい」


「.....じゃあ質問です」


「はい。何か」


「私と結衣はどっちが好きですか」


「.....」


やっぱ俺も出ようかな家の外に。

何でいきなりそんなジャッジをしてくるの。

俺は思いながら見ていると。

胸を持ち上げる仕草を.....そして手を首の後ろにするポーズをした。

何やってんの!!!!!


「私、結衣に負けないプロポーションだと思います」


「まあそうだけどね!?確かにそうだけど!何でいきなり!?」


「だって何だか.....おにーさんに興味が湧きます」


「.....興味.....何.....で?」


「おにーさんはどうやって結衣の心を開けたのか気になります」


「.....?.....それはどういう意味だ」


結衣は心を閉ざしていました。

何かといえば.....鬱で、です。

躁鬱だったんです、と言ってくる。

俺は!と思いながら憂ちゃんを見る。

憂ちゃんはいきなり俺に接近して来た。


「だからおにーさんに興味が湧きます」


「.....もう良いから。揶揄うな」


「おにーさん。私はマジですよ?」


「もう良いから!?」


もう心臓持たないから!?

何か重ね合わせてしまうし!!!!!

もう俺逃げるから!

思いながら俺はダダダと階段を駆け上がり。

そのままネトゲの世界にダイブした。



(どうかな?生活は。まさに半端じゃないかな)


(いや揶揄うなってお前まで)


(アハハ。揶揄っているつもりはないけどね)


(全く.....)


俺はそんな事をタタタとキーボードで叩きながら。

そのまま画面を見る。

すると画面に、私の姉妹がお世話になっております、と頭を下げる仕草をした。

今更だな、と思う。


(クロイツ。.....お前さんはどうも思わないのか)


(.....どう、って?)


(お前は俺が.....その。姉妹と生活していてどうも思わないのか)


(.....どう思うと言えば.....内緒だね)


(内緒て.....)


追求禁止。

それに僕は負けるつもりも全くないよ、とニコッとするクロイツ。

俺は、結婚しているから、か?、と聞いてみる。

するとクロイツは、そうだね、と笑顔で答えてくる。

それから余裕ぶる。


(僕は君をメロメロにしてみせるから)


(メロメロって.....無理だろ)


(無理じゃないよ。だって私ですから)


(お前はリアルを知らなすぎる。.....俺はマズイ状態に巻き込まれているぞ)


「何がマズイんですか?おにーさん?うふふ」


うわぁ!!!!?、と思いながら背後を見る。

そこにはニヤニヤしている憂ちゃんが。

俺は真っ赤になりながら、は、入って来るなよ、と愕然とする。

すると憂ちゃんは、呼んだけど全く返事がなかったですから、と笑顔になる。


「.....もしかしてこれは結衣ですか?」


「そ、そうだな.....うん」


「結衣.....何だか嬉しそうですね」


「.....そうか?」


「はい。.....お姉ちゃん元気そうですねぇ.....うふふ」


それから笑顔になってからニコニコする憂ちゃん。

俺はその姿にまた重ね合わせる。

そして.....憂ちゃんを見てしまった。


困ったもんだな!これ!

俺は思いながら.....真っ赤になる。

この先もずっと続くのか.....これが!

俺は混乱しながら頭を掻きむしった。

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