【KAC20232】最強中学生伝説☆バトル・ザ・ファイトギャラクシー～天使のぬいぐるみ編～

第３話 幼女を愛する男 ユース・Ｋ登場

（これまでのチュー☆ファイ）

　買ったばかりのBL本がビショビショにっ！！

　髪を逆立てて激怒した菅蔵（すげぞう）は海水を噴射した「車エビの化身、轟エビ太郎」が着ているシャコみたいな灰色のエビ着ぐるみを引っぺがそうとする。でも、ちっとも脱がせない！

　それどころか逆に返り討ちにあって本屋の隣にあるコンビニまで吹っ飛ばされてしまった！　

　と、ウイーンとドアが開いてメガネをかけたスーツの男性が出てくる。そして、あの着ぐるみエビ男は異世界に繋がるゲートから出現した怪人で、菅蔵には怪人を狩る「ハンターの素質がある」というのだが……。

　◇

「トイレの電球を買いに来ただけのつもりが、まさかハンターのタマゴを見つけるとはな。見事なファイトだったぞ、少年。あの怪人を倒したいか？」

　尻もちをついている菅蔵に手を差し伸べるスーツの男。

　菅蔵はおっかなびっくり手を借りて立ち上がる。

「あ、ありがとうございます。でも怪人って？　あなたは誰？」

　メガネを光らせて男は「フッ」と笑った。

「おれか？　おれの名前はユース・Ｋ。この世のすべての幼女を愛し守る男だ。ちなみに少年よ、幼い妹がいたりしないか？」

　ユース・Ｋは内ポケットから「見習い天使ユアちゃん」ぬいぐるみを取り出そうとした。でも。

「いいえ、ぼくひとりっ子なので」

「そうか。残念だ」

　すっ、とぬいぐるみをしまうユース・K。

　彼はいついかなるときも幼女を喜ばせるため、プレゼントを用意しているのである。

「それよりあのエビ着ぐるみの変な人が何者か知ってるんですか？　あんなふざけた格好をして海水を吹き出してきたから、この野郎、脱がしてやるって思ったんだけど全然ダメで」

「あれは着ぐるみではない、ああいう生き物なんだ。倒すには……」

☆次回予告☆

怪人轟エビ太郎を退治するには「油で揚げてエビフライにするしかない」とユース・K。

第４話『揚げ油とパン粉を準備せよ』お楽しみに！！