活動報告 2話 モノ
拝啓。お母さん、お父さん、今僕の前には全裸の少女が立っています。
「お、おい、誰か知らないけど前を隠せよ、ちょっと待って、ほら僕の制服貸してやるから着ろよ」
「……ありがとう、貸してもらう」
「仕切り直してまずは自己紹介だ、僕の名前は羽宮 零だ、君の名前は? 」
「……モノ」
「モノは何処から来たの? ここは何処か分かる? 」
「……フリーデンから来た、ここは何処かは分からない」
「フリーデン? 厨二病なのかモノは? 」
「? 」
「ま、まぁ、安定した生活を得てからこれからどうするか考えよう、まずは安定した生活のためには火が必須なってくるな、だからモノ、精一杯薪を集めるのだ! 」
「ラジャー」
そんなこんなで薪を集め終わり、次の問題は食料だ流石に腹が減った、水は浄水すればいいが、食料は用意出来そうにないぞ、一体どうすれば……
「きゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁ」
『!? 』
「何だこの悲鳴!? モノさっきの悲鳴の正体はなんだか分かるか? 」
「……奴隷商人の人達かも」
「今はふざけてる時じゃないぞ! どうすればいい試しに行って見るか……」
「……足……震えてる」
「ふふ、震えてねぇし、行くぞモノ! 」
「レッツゴー」
震えてる足を押えながらゆっくりと進んでいくと、どんどん異臭が強くなっていく、この匂いの正体は、鉄みたいな、にお、い。
「おぇぇぇぇぇ」
「おぉ」
鼻の奥を刺激する程の悪臭と、小腸がもろび出でてハエが集っている死体があった。吐瀉物を全て出し切って落ち着いた時には、モノは死体をつついていた。
「モノは大丈夫なのか? 」
「馴れてる、あとこれ」
モノが指した所には血出できた足跡があり、行こうという目線を向けてくる。
「本当に、行くのか? 」
「零……ビビってる? 」
「僕は正義のヒーローだぞ、殺人事件を犯した犯人を見過ごす分けないだろ、だから早くほら行くぞ」
「ラジャー」
また険しいけもの道を進んで行くと、人影が見えてくる、体格は大人であり、身長も170は少なくともある、ただこの時代に右手に剣のようななものを持っている。こいつは銃刀法違反を知らないのか? でもここまで来たらやることは1つ。
「そこの人、私は正義のヒーロー羽宮 零だ! さっきの人が亡くなっていたんだけどなにか見なかったか?」
「あぁ、なんだお前? 足が震えてるぞ」
疑問を浮かべながら僕の後ろにいるモノのを少し見つめると
「ちょっとそこのガキ、顔を見せろ」
そして、躊躇いながらモノが顔を見せたその瞬間、僕に向かって男が距離を詰めて剣を振ってくる
「ま、待って」
「危ない」
モノに押されて、鼻を掠める斬撃を躱す事が出来た。
「待って、モノはあなたの言う事を聞く、だからあいつは見逃して欲しい」
「アイツを殺して、お前を捕縛するこれが1番楽だ、だからお前さんの言う事は残念ながら聞けないな」
何んだこの急展開は? とりあえず、さっきの焚き火のとろに戻らないと、急がないと今にも男がこっちに向かってくるぞ、せめてモノだけでも逃がさないと!
「モノ! 走るれ! 」
「何処行くんだクソガキ! 」
「全力で走れ!! モノ」
モノが走る姿を見てみてから後ろを振り返り
「今こそ本当の正義のヒーローなってみせる」
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