第7話

 公爵家のアンソニー子息ご本人様から、シェル宛に手紙が届いたと辺境伯家は大騒ぎに為ってる。

 勿論手紙を受け取った本人のシェルも困惑中である。

 王家からの手紙は殆んど騒がなかったのに…なんでかしらね。

 あっ、知ってたから騒がなかった…失礼しましたわ。


それで、彼方からの手紙の内容は……


 私と、付き合いたいと言うお付き合いの申込と後日屋敷に訪ねてたいので、私の都合の良い日を知らせてくれと云う感じのお手紙を受け取った。


 受け取った手紙は三枚あり、その内の一枚目だけを家族に読ませてるのです。

が、二枚目以降は私しか読んでないので私だけが赤く為ったりしてるのですが…

なんとも……テレる内容でして、決して誰にも見せられない。


 ふぅ……あの方は一体何を考えているのやら。

 どさくさ紛れの帰り際のあの時に話し掛けて来るなんて。


 狙ってた…まさかね?



 公爵からの手紙が届いたものだから、お母様が騒ぐしお仕事から帰って来たお父様も大騒きだわ。

 おまけのお兄様も騒ぎ始めて、なんともこの家は…五月蝿い。

……少しは大人しく出来ないのかしら?


 取り敢えず先方をお迎えする準備を。

 ……ま、まだ早いわね。

 やだ私まで慌ててますわ……オホホ。


 っと失礼……


 先に私からお手紙のお返事をしないと!でも、ここで書くのはまずいわね。

お母様やお兄様は勿論、お父様の目が痛いし書ける筈もない。

 それなら部屋に戻って返事を書きましょう。


 そそくさと執事のネイスを連れて部屋に戻る。

 当然リビングで騒ぐ家族は放っておく。


 部屋に戻ってネイスにお茶を入れて貰いながら考える。

 先方をお迎えする日はいつがいいのかしら?


 そう思ってネイスに相談。


 ……そう三日後ぐらいなら落ち着いてるの……(本当に?)少々疑問も残りますが、ではそうしましょうか。

 お迎えする日取りが決まれば返事を書くのは早いわ。


 つらつらと挨拶から始まりご招待する日を書き入れてっと……はい終了。


 で、これをネイスに渡してプラロース家へ送って貰うのを頼む。


 ふぅ~これで一安心。


 相手はプラロース家の確か……ご次男様のアンソニー様。


 彼は学園ではどうだったのかしら?


 全く知らないのよねぇ……。

 彼の噂話の一つも気にしていれば良かったのだけれど……。

 眼中に無かったし、其処ではなかったし。

 それに神様からも彼の事は聞いてない。ヒロインが攻略する対象にも外れてる筈。

 多分……

 あ~もどかしぃわーーー。

 何か知ってれば何とか話が出来るし、御断りすることも簡単なのに。


 私は領地へ戻ってスローライフするんだから!

 今はどの家にも嫁には行きたくない。

 なんでわざわざうちより位が高い家に嫁がねば成らんのよ!


 どうせなら、子爵辺りのイケメンを婿に貰いたい。

 無理だけど。


 子爵から下の男爵なんかは聞くところに寄ると、結構悪どい事をやっているとかいないとか……

 知らんけど。


 まあ良い人も居るだろうし…要は知り合ってないから『知らん』だけだしね。


 そんなことはどでもいい。

 先ずはアンソニー様の攻略?

 んと…………撃退?撃墜……違うわね

なんて言うんだっけ?


 あっ!排除は……失礼か。



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