第6話
ドレスの整理が終わった翌日。
その日の朝食も取り終わり、サロンでは私とお母様の二人でお茶をしております。
因みに…父と兄はお仕事に行きました。
そこへ執事のケニスが慌てた様にサロンに入ってくる。
「失礼致します。お嬢様にこれを」
と渡されたのは一通の手紙。
「? なにこれ…ケニス?」
「その……先ほど、そちらの家の方が持って来られました」
そうなのね、ふ、ふぅ~ん手紙ねぇ…一体誰からと封筒の封を開けようとすると、蝋番に目が止まった。
…………………んん!!
ケニスが慌ててサロンに入って来たのが分かったわ。
でも?
この紋章の方と私は…………あ!
知ってた。
忘れてたーーー卒業パーティーを抜け出そうとしたときの人だわ。
うん!すっかり忘れてた。
何せ昨日はお兄様の圧と母の圧と、私の用事が重なったので、すっかりさっぱり忘れてたました。
「あら、シェルちゃん。何方からのお手紙かしら?」
受け取った手紙を手にして固まって居ると、母から声を掛けられて私の固まった頭が動く。
「え、ええっと、お母様。これは…そのプラロース公爵家からの様ですわ」
ギギギと首が動き母に目を合わして……よし言いきった!
「は? ご、ご免なさい。シェルちゃん今なんて?」
「ですから、プラロース家からの………」
「な、なんですって!シェルちゃん、その手紙にはなんて、なんて書いてるのかしら!」
これは大変よ!なんであの家からとぶつぶつと言ってるけど…。
まあ、それもそれはそうよね。
私もそう思うし、何せあのプラロース公爵家ですものね。
~あのプラロース公爵家とは!~
シェルちゃんのプラロース公爵家~簡単端的説明~!!
プラローズ公爵家は王家との繋がりがある。
確か…前王様の姉君の嫁ぎ先だったはず。
それに公爵家は政を管理する家。
だから、王家の次に力を持っている家ですわ。
簡単過ぎますがシェルには情報などそんなものしかない。
なにせ神からは何も聞いてないのだから。
……あのヘボ神……今度会ったらしばく!
で、追記すると。
確かあのお馬鹿殿下の従兄弟と云う関係だわね。
~説明終わり。
「はぁ~すっかり忘れてたし」従兄弟が同じ学園に居たこともすっかり抜けてたわ。
家紋と家名は知ってけれど。
それに王家からの紹介も無かったのよね。
なんでかしら。
「シェルちゃん、なんでプラロース家からの貴女宛に手紙が届くのかしら?」
え、お母様そこ怒る所かしら。
お顔が怖いのだけれど。
一言言わせて貰えば私は「知らん」です。
「お、お母様。お顔が怖いですわ!」
「私の顔の事はいいのよ!なんで手紙が我が家に、貴女宛にに来るのかを聞いてるわよ?お母様は」
「ええっと、その、卒業パーティーの時に少しお話しましたのよ。プラロース家のアンソニー様に。その時に、手紙を出すと言われてましたから。それでこの手紙なのでわ?」
「……シェルちゃん。お母様…貴女の言ってる意味が、さっぱり分からないわ」
ま、それはそうでしょうよ!私だって知らないし。私も事の興りの説明するのも程度しか出来ません。
「そう、それなら良いわ。それで手紙にはなんと?」
「お母様、私は未だ封筒を開けても無いのですから、少しお待ち下さい」
「……それなら早く開けてさっさっとお読みなさいな」
むぅ……なんで命令されないと為らないのかしら?
せっかちなんだからもう!手紙は私は宛に来たのだから、急かさないで欲しいわ。
でも、気には為るわね。
どれどれ……
と、手紙に押してある蝋封を剥がして中に入っている手紙を出してガサガサと音を立てて取り出して、手紙を開き何が書いて有るのかを手紙を読見始めた。
む…………っっ……ん?
手紙の内容は……まず、不躾に手紙を出したことの詫びとパーティー会場での一連の事の詫び。
それから……………………「へっ?」とシェルから声が漏れた。
「シェルちゃん!何が書いてあるの?教えて頂戴な!」
「………」
「シェルちゃん!」
「あ、すみません。お母様……少しビックリしてます私」
「何かしらそれは? シェル、手紙を見せなさい!」
「ええと……はいどうぞ」
と手紙を素直に母に渡す。
そして、母は私の手から手紙を奪いそして手紙を見る。
「し、シェルちゃん? これは何かしら?」
「さ、さあなんでしょう。お母様」
親子二人で手紙の内容を見て唖然とするのだった。
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