第5話
あれは…5才の頃でした。
その年に私と第二王子との婚約が決まった年の事でしたわ。
…婚約が決まった年の私の誕生日には、王家からプレゼントが届いた。
以降毎年私宛に王家からプレゼントが届く様になった。(王家…ここ大事!)
十三才はビュタレントの年。
……私も社交デビューすると云うことで、一段と豪華なドレスが我が家に届いた。
でもそれは、殿下からのプレゼントではなく。
私はやっぱりと思ったものです。
だってねぇ…陛下と王妃からのプレゼントでしたもの。
それからも、毎年王家のからの贈り物が届いている。
今年は卒業の年だったので二着ドレスが届いたのは新しい記憶ではある。
それは兎も角今はドレスの整理が先だったわね。
子供の頃着ていた、小さいサイズは古着として商人に売り払ってたけれど。
学園に入ってから贈られたドレスが問題よね。
王家からの贈り物のドレスが数点と、両親からの贈り物のドレスと宝飾品の数々。
これはどうするのかしらね…と考える。
まあ、両親からの贈り物等はリサイクルに出しても良いのだけれど…。
だけれど…王家からの贈り物はちと困るわね。
素材はほんとうな良い物なのです。
何せ豪華なのよ、勿論一度は陛下達には袖を通した所を見せてますが…
卒業パーティーで着てたドレスもですが。
プレゼントされたドレスの大半は、一度着てるけれど…その後はクローゼットの中に仕舞い込んで有る一度袖を通せば十分です。
それに……ドレスを見るといちいちあのバカの事を思い出すのも嫌だし。
かといって……王家から貰ったドレスは売りには出せないし捨てられない。
捨てるなんてして、王家にばれたら……怖いどうすれば…あっ!
「それなら…リペアでも良いのかしらね?」
ボソッと呟いて手をポンと叩いた。
「シェルちゃん? どうしたのかしら突然。それに…り、リペアって何かしら」
あっ!聞こえたちゃったかな?
「えっと、その…服を直すとか形を変えるって意味ですわ。お母様」
「そうなの…」
お母様聞いといてスルーですか?
まあ、それも良いけど。
「それなら、方針は決まったわね。シェルちゃん取りあえず仕立て屋を呼ぶわよ! シェルちゃんはお母様とお部屋へ行きましょう。そう言えば、リドは?」
「リドならお庭で日向ぼっこしてますわよ?」
「あらそうなの?それは残念」
母よ、リドは母が近寄ると逃げるのですから放って置いてあげて下さい。
お母様がリドを構い倒すから疲れるらしいし。
だって、ゆっくり寝てるリドを無理矢理起こして撫でまくり抱き付いて離さないのよねぇ……リドも気の毒だわね。
それにリド用おやつ…あれも上げ過ぎよ、太る。唯でさえ運動不足なのに。
おやつをタップリと食べさせないで欲しいわ。
「お母様、リドなら直ぐに戻って来ますから、放って置いても平気ですわ。それより、お部屋へ行ってリペアするドレスを選んでくださいませ!それからお飾りもどうせ形を変えるのでしょ?」
「あら、シェルちゃんよく分かったわね?」
「フフフ、何となくですわ」
「あらそうなの? それならケニスお願いね」
「畏まりました。直ぐに手配を致します」
「ネイスも頼んだわね。それと後でで良いから、軽く摘まめる物と飲み物もお願いね?」
「畏まりました。ではご用意して参ります」
ケニスとネイスがサロンから出ていくと私お母様とで私の部屋に向かう。
その後から、メイド長と私のメイド他数人がゾロゾロ連なって後ろから着いてくる。
うん~蟻の行列……
はぁ……部屋の移動だけでも大変よね~貴族って。
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