第2話
食事が終わるとそのままサロンへ移動して話を両親に振る。
「ところでお父様お母様」
「おやシェル? 私を忘れてないかい?」
「忘れてませんわ!お兄様」
ニッコリ笑って馬鹿な事を言うお兄様はぁ~この兄うっざ。
いちいちお兄様は面倒なんですよね。
「で、なんだね。シェル」
お父様起動修正ナイスです、うざい兄は放って置きましょう。
「その…お父様、昨夜の事は申し訳ありませんでしたわ。それでその…私はこのまま領地へ戻りたいのですが…よろしくて?」
「シェル…今なんと…」
「まあ、それもシェルちゃん!貴女は何に悪く無いわよ? それでも領地へ引き込むのかしら?」
「そうだぞ!お前は悪くない。詫びる事等何も無い!お前が幼少の頃話してくれた通りの事が、起きただけだ。悪いのは全て、あの馬鹿の所為だ。それなのに何故、お前が領地へ等と云うんだ」
でも…お母様やお父様がなんと言おうと事実は変わらないし。
婚約破棄されたのは。
それに、体裁も悪いし心象も悪いでしょ?だから傷物は引っ込むのよ。
「それでもお父様、私は領地へ戻りますわ」
「ん~でもなぁ~お前を一人で彼方へ戻すのも心配だ」
「そうよ!シェルちゃん。領地へは遅くても一月は掛かるのよ? それも、道中何があるか分からないんだから。だからね、大人しく王都に居てくれないかしら」
むぅ……何故反対するかな?
そりゃ~領地へ戻るには少し危ないけれど。
大丈夫よ、私にはちゃんと護衛騎士が要るし。それに冒険者にも依頼をするしね。
冒険者ギルドには、ちゃんと高ランクの冒険者を付けて貰うし。
でもちょっと心配な所はあるのよね。
「お母様、ですが私がここに居てもお三人にご迷惑が掛かりますし。その…アレ(王子)とは破談に為った訳ですし。領地への旅なら大丈夫ですわ」
そうそう、婚約破棄された令嬢が王都に居たって碌な事が無いわよ。それにここにいたら悪い噂が広まりそうで…怖いし。
「シェル、元々あの馬鹿とそんなに交流が無かったのだし気にする事無いって!」
「お兄様……そうは仰いますが…」
私は気にしないで居たいけれど、回りの貴族達の噂って本当に気に触るくらい喧しいのよ?怖いし。
「でもな~お前、友人達はどうするのだ?挨拶も無しに引っ込むのか?」
「それは……」
あっ、考えて無かった…私のお馬鹿!痛恨のミス!
昨日のパーティーに居た友人達に挨拶する事を忘れてた。
別れの挨拶をするにも日数が掛かるわね。
どうしようかしら。
「シェル、挨拶回りも面倒だろ」
お兄様痛いところを…突っつく事をしないで下さいな。
「そうだぞ!シェル。どうせ戻るのであれば、社交シーズンを乗り切ってからにすれば良い。そうすれば家族で領地へ戻れるし、そう急ぐ事もないぞ?」
その手があったわね、それなら冒険者も雇わずに済むわね。あ~あ誘惑の手が……
「そうよ!シェルちゃん。社交シーズン!あれを乗り切らないとだわ!シェルちゃんは、お友達のお招きにお顔を出せば良いじゃないの。他は全部御断りするし。それに、うちでもパーティーは開かないと為らないのよ。だからね?!シェルちゃん!ここに居て頂戴。分かったかしらぁ~」
う!母の圧が……怖い。
お母様お顔が般若の様ですわよ!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
お詫び
話が重複していましたので、正規の話を掲載しました。
申し訳ありませんでした。
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