第8話
あぁ~あ、自分の愚かさを親にひけらかした王子のなんと情けないことでしょうか。
「ええ!そうです! 私はこのルルベルと、一生涯共に過ごす覚悟です!彼女聖女なのです。これで王家も安泰でしょう」と宣った。
国王陛下や王妃の目の前で。
そして、その宣言を聞いた聖女ルルベルが喜び王子に抱きついた。
「きゃー嬉しいわ!王子様♡」
王子と聖女が抱きつく姿を見る陛下と王妃は、呆れて頭を振って溜め息をついてます。(賭けには勝ったけど。居たたまれない)
お二方…お気の毒様です。
私も、この光景を見てもう知りません。
お好きにどうぞと言う感じですわね。
しかしよくもまぁ~、浮気相手を堂々と卒業パーティー会場迄連れて来たものよねぇ~。
自分達以外の卒業生や学園の関係者の居る前で、二人でじゃれつくなんて事をする気持ちが分からないですわね。何処でもいちゃつけば良いって物では無いのよ?
私には出来ません。
…ほんとにこの王子様は、残念としか言いようがありません。
それにしても……三文芝居もここまで来ると見てられないわね。
すると三文芝居を観かねた王妃様が、声を上げて王子殿下を非難し出したわ。
やっぱり、こうなる事が前以て知ってたとしてもショックなのかしらね。
だけれど…おや?
私はこの後どうしたらいいのかしら?
……帰りたい。
だけれど、この三文芝居をずっと見てないと駄目なのかしら?
三文払うのも勿体ないわよ。(笑)
私なら払わないわね。
「まぁ~なんてはしたないのかしら。シェルちゃんと云う、婚約者が居るのに。浮気した挙げ句に、浮気相手の方が本当の伴侶だなんて。そんな事がよくも言えたわね! 陛下!やっぱりこの子駄目ね…。"顔だけ″は良かったから、可愛がっていたけれど……。わたくし、ガラルドがシェルちゃんと結婚しないなら…ガラルドはそうねぇ……考えるわ」
「は、母上!? 駄目!? それに、考えるとはどういう事でしょうか」
「あら、考えるは考えるよ?」
「母上、私の顔だけとは?」
なんてお妃様に言われて、ショックを受けてるわ……ウフフ。
なんか~面白いぞ。
「まぁ、妃よ…そう言う事はここでは言うな、ここは学生達の祝いの場だ。それは戻ってからだ」
「だが、この場を混乱させたのはこの愚かな者共だ。即刻捕らえねばならんが……ここでは不味い…ガラルド!即刻ここから出るんだ。」
「そんな父上! 私は真実の愛を見つけて……。」
まぁ、こうなる展開も知ってたけれど。
この場を傍観者していたらルルベルとやらがまた騒ぐし。ウザイ。
「ひ、ひどいわ!王子様が顔だけなんて!いくら親だからって、王子様を馬鹿にしたら駄目なのよ? それに私は聖女なのよ? 貴方達より偉いのよ? 知らないのかしら、フフフ」
「ル!ルルベル。お前それは……」
「「………」」
ルルベルの言葉を聞いた卒業生や学園の関係者達が騒がしくなり、ガヤガヤと話をしはじめた。その中でこんな「がや」の声が聞こえて来たわ。
フフフほんとに面白いわね。
【なにあれ?】
【国王陛下より偉いって……】
【聖女って陛下より偉いの?】
【陛下に対して無礼にもほどがあるだろ!】
【不敬だ!即刻捕らえるべきでは?】
【そうだわ!王子殿下は騙されてるのよ!】
【ご覧に為った?あの貧相なドレス。しかも全然可愛くないわね? あれなら私のほうが…】
【それに見た? さっき、シェル様の怪我も直せなかったのでしょ?】と、ざわざわするモブ達のガヤ。
……フフフ実に面白いわ。
すると、その声を聞いた殿下が大声を上げてモブ達に怒鳴る。
「だ、誰だ!私の妃を馬鹿にした者は!ここに出てこい!そして、私の妃に詫びろ」
あらら、切れて叫び出したわね。
ああ~あ、最悪な卒業パーティーに為っちゃったわね?
ま、最初から分かっては居たけど。
しかも……王子に付いてた虫達は、もう何処かに逃げたわ。フフフ逃げ足の早い事ですわ。
あの者達は、外で捕まってるのかしらね面が割れてるしねぇ…。
あいつら後で覚えてなさいよ!
特にグロース!あの方は卒業と同時に騎士団に入隊の筈。
まあ、それも入隊出来るかは知らないけれどね。
陛下は怖い人だもの。
それは王妃様もだけれど。
 ̄ ̄ ̄ ̄
すみません長くなりそうなのでここで一旦切ります。
次でこの章は終わるかと。
多分。
応援していただければ嬉しいです。
作者はそれを糧に物語が書けますのでよろしくお願いいたします。
感謝。
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