第3話
取り敢えずは軽く?
聖女と言われる女に頭を下げ、その場で挨拶をしたけれど…
一体何が不満なのかしら?またなにが叫んでるわ。
「ふん!私を知らないなんて、しらばっくれて!なんて女なの?」
「ですが…存じ上げ無いものは存じませんわよ? それに、私が貴女を虐めたと言われますが、初対面の方をどうして虐めますの?」
……私、その理由を聞きたいわ~。
しかもこの方…多分学園の生徒でもないでしょ?
あら、それとも何方かの力を使って学園に入学されてたのかしら?
それなら…学園に聖女が居るって噂が私にの耳にも入って来る筈だけれど。
むむむ……と腕を組み、頬に指をあてて首を傾げて考えてているとまた殿下が私を怒鳴る。
「おい!シェル聞いているのか? 私はルルベルに謝れと言っているんだぞ!」
「……」
五月蝿いわね…聞いてるわ。
でも謝らないわよ。
私はそんな人知らないもの。
っとに、いつまでこれにお付き合いしなければならないのかしら?付き合う方の身にも為って欲しいわ。
「無視をするな! 貴様がルルベルの事を知らぬ訳がないだろ? 大方、私とルルベルと私の事を嫉妬して、ルルベルに嫌がらせをしたのだろ?本当に意地の悪いことだ!」
嫉妬ですか……それはまた。
それは前から貴方方が、そう云う関係だったとこの場で公表したのと同じよね?
これは……私は悪くないわね。
殿下は私を裏切って浮気してたのですもの。
「意地が悪いですか……? では、殿下はご自分は悪くないと? そもそも殿下は、私を欺き浮気をしていると、ご自覚はおありなのですか? それをお伺いしたいのですが」
「う、浮気……?」とぽかんとした顔をする。
へっ!自覚なしなの?
マジか!
お勉強だけは優秀なのに…
何故こう云う、人の痛みには鈍感なのかしら?
…そうだったわ、この人自分主義だったわ!人の痛みがわからない人だった。
こう言う方に成るからと、王妃様にあれ程伝えたのに、王妃様…途中で教育方針曲げたのかしら?
知らなかったわ……。
ま、、あまり殿下と私の間では会話も無かったから仕方が無いのかしら。
婚約が決まってからも、特段殿下とは会話もなく顔を合わせて挨拶をすると直ぐに別々に行動してたし。
殿下は私の屋敷にも訪ねて来られるなんて事はなかったし。
私が王妃教育のためにお城に上がっても顔を合わせなかったし。
デビュタレント以降、私がお茶会を開いて殿下をお招きしても顔を見せなかったし。
それに、殿下は私の誕生日にも贈り物を送っては来ない。
私宛に王家から届くのは、陛下と王妃様からの贈り物だけだったわね。
まあ、ぶっちゃけどんだけ嫌われてたのよ!
って話よね。
ほんとに不思議なのはね?
何故そんなに嫌われてたのかと、言うことよ。
そりゃ~婚約破棄は前もって知ってたけどさあ!
私は殿下に歩み寄ることはしたわよ。
嫌われないように努力もした積もりだし。
殿下の誕生日には贈り物はしたけれど、それに対しての礼の一言の貰えた事がない。
多分私からの贈り物は破棄されてるのだと思うわ。
けれど、私は、それにもめげず殿下と会う時はお洒落もしたし、為るべく笑顔で対応した積もりよ?
なのに、なのによ!!
浮気されるほど嫌われるってなによ!
階段から落とされる程、死んで欲しかった…とか?
「そうですわよ、殿下はご聡明な方。それくらいの考えは出来る筈ですわよね! なのに、私と云う婚約者が有りながら浮気するって!どういう事です? まさかご自分は悪くないとでも?」
「う、煩い!自分の事を棚に上げて私を貶める積もりか? ほんとに貴様と云う女は…昔から地味な癖に、やたら喧しいくてだから嫌いなんだ!」
た、棚って…
しかも!き、嫌いですって!
じ、地味ですって!喧しいですって!
一言二言話し掛けただけなのに、喧しいですって!
だったら、だったら!私だってあんたみたいな男、自分主義で、優しさの欠片もない男なんて!
顔だけの男なんて嫌いよ!大っ嫌い。
だけど……そこは堪えるのよ!
頑張れ私!
ここは平常心よ!耐えるのよ。
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