第4話 太宰府天満宮
朝食はビュッフェ形式で、九州の名産品を活かしたメニューもあり、楽しい。
また水炊きを、お椀一杯ぶん美味しく食べた。
西鉄の「福岡(天神)駅」から太宰府へ行く。太宰府天満宮を描いたラッピング車両で、気分が上がる!
電車を降りてからほんの少し歩くが、その間にあるお土産屋さんで「博多通りもん」をたくさん買ってコインロッカーに入れた。私の知り合いはだいたい甘いものが好きだ。その筆頭が私。
名前の由来である「通りもん」とは博多どんたくで衣装を着て楽器を弾きながら練り歩くこと、またはその人々。
両側にお土産屋さんの並ぶ参道を道なりにゆくと鳥居が見える。
その横には御神牛。
撫でたところが良くなると言われている。
(いま太宰府天満宮のウェブサイトを見てみたら、頭を撫でると知恵を授かると信じられといる、という話だった。拡大解釈?)
「心を良くしたい」とはにかみがちに話す娘さんたちがいて、ほっこりとした。
私は手の湿疹を直したかった。御神牛を撫でるのは蹄でいいのかしら。
二つの橋が縦にならんだ「心字池」が目に涼やかだ。
渡りきると楼門があり、その手前右側の手水場で手と口を清める。
楼門から先は神様の領域の中心部という趣きがある。
楼門を入ってすぐのところにも、横に細長い池があり小さな橋がかかっていて、とても風情がある。
お参りのときに旅の無事とか家族のこととか、少しでも賢くなれますように、とか、いろんなことを思った。
九州国立博物館へ移動するまえに、太宰府天満宮の境内を歩いてみたい。
さっきの小さな細長い池にも錦鯉が泳いでいる。眺めているうちに一頭が、私の立っているところ近づいてきた。
大きな鯉だ。背中が赤と黒の二色で、白いところがほとんどない。
春に虹の橋を渡った三毛猫のミィもこんなふうに、背中に白いところが少なかった。
こちらに泳いでくる背中を見ているうちに涙が滲んでしまった。
楼門を出たあたりでしばらく涙を拭いていた。
楼門の外にもいろいろな小さなお社がある。
そのひとつに、製菓業の神様をお祀りした「中島神社」がある。
向こうのほうに、梅ヶ枝餅を食べられる和菓子店も見えた。
当時、親戚の子がパティシエを目指していたので「夢が叶いますように」とお祈りした。
(続く)
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