第34話 欲望

私の手は彼の手に触れ、私たちの指は絡み合って終わる。私の手は、彼の手をつなぎ終えたとき、わずかに痙攣した。


一瞬の光が私たちの目を映し、お守りは完全に金のような黄色がかった色に変わり、金属の形をすべて吸収している。


一瞬、本が小さく明るい光を放つ。

身を乗り出して、その本を見ながら、彼の顔を観察する。麻痺して、アルファベットの最初の文字さえ発音できない、完全に信じることができないで口を開けている、彼は物のあらゆる点で決意を持ってそれを見ている。


「ついにやったね、カズキ!」 彼は再び、私の前に現れる。お互いの気持ちが、これが最後になることを告げている。


「もう行かなくちゃ。さようなら」 私の悲しみをすべて吐き出すような笑顔と同時に、彼から白い光の束が復活し、空高くまで昇っていくのを目の当たりにした私の目。


ようやく、『イニツガ』という本の最初のページに書かれていたことを伝えることができた。


「第1章 生命の樹」 リンツの唇がほとんど発音できない。


「生命の樹 」というのが君の名前だったのか。そのためにあなたはこの森を徘徊することができた。。。再生の木。。。


私の目は、ゆっくりと閉じ始めた。

また開くのだろうか。


私はリンツの手をそっと離す。生命の樹の守護者が言ったように、時間がない、解決するには遅すぎる。


本を開いてから、リンツは一言も話してくれない。。。

私の手に力が入らなくなったのを感じると、彼はさらに力を込めて私を抱きしめ、彼の涙がまた私の顔を撫で、彼の声だけが私の頭の中に響く。


カズキ!


一樹、一樹の声が聞こえるか?


私はようやく感覚を止め、深い眠りの中にいる、そこには全ての記憶が待っている。


もうあきらめきれない。もう何も怖くないし、誰も怖くない。もう孤独を感じない。私たちは互いに愛し合っている。


だから、また会えると信じている。

だから、私は生きていく。



願いは言葉だけで、人の気持ちがその願いを叶えるのだ。


「カズキ カズキ!もうどうしたらいいのかわからない。。。私の人生の唯一の願いは、ずっとあなたの側にいたいということでした。私の人生に必要なのは、あなただけ!あなたなしには、もうすべてが無意味なのです」


涙を流しながら、本の中に探しているものが見つからないことに完全に絶望して、彼女は心の底から言う。


リンツの目はその中のある一点に集中し、目を見開き、本を頼りにページに触れていた手が震え始める。




「いつかまた会える 思っているんだ、カズキ。だって。。。あなたは私と一生を共にすると約束したのだから!」





「これがあなたに起こらないことを願っています!」

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