第47話 - エピローグ
目が覚めた。全身のあちこちが痛むようであった。
ここは何処だろうかと辺りを見回す。
狭く、小汚い壁に区切られた小部屋。
ここは、いつもの――ハーヴィスによっていつも転移していた、地下迷宮の小部屋であった。
『おはよ』
そして、声のしたほうを向くと。 そこには、いつものように澄ました顔のシャロが……いない。
頭に響いたのは、小悪魔の声だったのか。それとも、愛しの白い少女であったのか。
レウは、この直近の出来事を回想する。
色々なことがあった。
ハーヴィスは二人を騙していて、神を作るだなんてとんでもない計画を実行しようとしていた。
そして、レウはそんなハーヴィスを斬った。ギルド大幹部を。
水平眼はあの時の奇跡だったのか。今それは宿っていない。
信じられない大立ち回りをした実感は、今は無い。
少年は自らの腕を見やる。そこには、真新しい包帯が、ぐるぐる巻きにされていた。
不器用ながら、必死に生きてきた少女の温もりが伝わるようでもあった。
「……シャロ」
レウはぐしゃりと、己の髪の毛を掴んだ。
平行と平行は、交わらない。だから自分から、別れを切り出していた。
だけど、どちらかが高さをかえれば、完全に重なることができる。
見つけた真理は、水平の形を変えた。レウはどうしても、それを少女に伝えたい。
痛む体を引きずるようにして少年は、壁にかけられた細い剣を手に取り、ゆっくりと歩き出すのであった。
オナ禁ブレイド -シコった時間が全て修行していたことになる呪いで、最弱剣士は最強になる- @xayuki
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