第98話 止まっていた計画

旧帝国の領地を奪還し、帝都を拠点にし、


現在、街には援軍と物資や職人が次々と届き、数千にん規模の人が暮らしている。


〈勿論、皆にダンジョンである事は伝えてあり、ゴタゴタが済むまでの滞在ポイント要員としての役割をお願いしている。〉


この街は、人類側の防波堤であると同時に、最大の最終兵器のエネルギータンクでもあるのだ。


俺の〈神様パワーの源〉としてだけどね…


そして、俺達は最終的に魔王城の街を目指す為の準備をこの街で行っている。


…と言っても〈ダンジョン間転移〉もあるので、どの街でも1日2日で往復出来る〈街から何かしらのダンジョンの距離による〉ので、若干の誤差が有るが…


メダリアで有れば日帰りも可能である。


そして、この旧帝都は〈ダンジョン〉に指定した為に普通街には出来ない真似が可能と成っている。


先ずは、〈ダンジョンの現状維持機能をオフにして開発をする。〉


ダンジョンポイントを使い、区画整理や上下水の完備、


同じく毎日〈数千単位で貯まるポイント〉で、街を作り数千人が寝起き出来る状態にする。


そして、ここからが大事で、街を住める状態にして、街の広場には資材を並べる…


それこそ、木材から金属、果ては作物まで、放牧地には牧草の種を撒き、青々と繁らせ、街の住人を一旦街の外に出してから、


〈現状維持機能〉を発動すると、


資材の山から資材を運び、帝都の外に持ち出すと、

ダンジョンポイントは使うが、数時間後に再び資材が現れる。


ただ、ここで注意が必要なのは、街の地面に直接触れた指定外の物は、ある一定の時間でダンジョンに吸収される為に、ゴミも無くなるが、いかに高価な物も無くなる為に落とし物は、ほぼ帰って来ない。


ダンジョンの街に住み3ヶ月、


旧帝国領の復興の足掛かりも出来、


そして、止まっていた俺達の準備も着々と進んでいる。


そして、その間に俺は誕生日を迎えた…


思えば、あんなに盛大に誕生日を祝ってもらったのは俺の人生、前世もひっくるめて初めてかも知れない。


そして、誕生日プレゼントとして、シルフィーちゃんにキスをもらった。


〈結婚式まで待つ予定だったが、投獄中のオッサンに奪われたのが悔しかったらしい…〉


俺は、この楽しい夜と、この幸せな感触を生涯忘れないだろう…


…ありがとう皆、ありがとう「記録」スキル!


神様になり、成長するのかも不安では有るが…



などというイベントも有ったが、


さて、仕事!仕事!


俺は我が家の〈念話〉スキル保持者達の念話網の整理にとりかかろうかな…



アルドニアの工房に、タンパさんが来てくれて、衣類系の装備に空きスキルスロットが出来やすなり、


バトラーのシルフィー工房特製の戦闘執事服に手を加え空きスロットを2つも追加した上に強度も上がった。


「ウチの工房のコーティング技術は凄いんスよ!」


とタンパさんが自慢するのもわかる。


その他の衣類系の装備の加工もお願いした。


戦争前にキッド君達に〈激臭カメムシ〉の〈拡散〉〈範囲拡大〉のスキル狩りを頼んでいたのだが、


テディとピピンの両名は〈匂い〉と〈汚れ〉を濾しとれば元に戻ったが、


キッド君の装備の衣類は激臭カメムシの餌食になり所々繊維が溶けて脆く成っていたので、新調してもらった。



そんなこんながあり「拡散」「範囲拡大」を百枚程ゲットしてくれたから大々的に「チャンネルアルド作戦」の準備に

とりかかる。


バトラーの執事服に「拡散」「範囲拡大」を付与し


ミレディと合わせて中継網の中核が出来上がったので、

二人を連れてカーンさんの所にきた。


カーンさんは「手狭」という理由から町役場からリストラにあった為に、現在のグランドマスタールームとして頑張ってくれているのだが、最近元気がない


「カーンさぁーん!」


と俺が呼ぶと、


「…御主人様…遂に要らなくなりましたか?」


と、返事をする。


〈うわぁ、病んでるね。〉


と、少し引くが、


「いや、カーンさんには悪いんだけど、」


と俺が話始めると


「壁じゃ無いからですか?

壁じゃ無くて砦だから要らなくなったんですが?」


と拗ねている…


〈うわぁ、キツイ、拗ねる大巨人…実にキツイ〉


俺は、


「カーンさんに町役場では役不足だったから、今は指令室だけをグランドマスタールームとして使っているけど、〈カーン〉さんには、今から重大な任務に就いてもらいます。城ゴーレムチームの司令官が町役場じゃ迫力不足でしょ?」


と説明すると、


「そ、そうですかぁ~」


と満更でもない様子。


〈よし、あと一押しだ!〉


カーンさんの外壁をそっと触りながら、


「カーンさん、今からの世界で必要なのは情報なんだけど、カーンさんにはこの領地だけではなく、世界に情報を流す〈放送局〉としても頑張って欲しいんだけど駄目かな?」


と俺がお願いしてみる。


「ま、まぁ、御主人様の為ならなんでも致しますが。」


となんだか自信がでてきた様子…


まぁ、カーンさんの自信喪失には、彼に「念話」「拡散」「共有」という放送局むきのスキルがあるのをすっかり忘れていた俺にも責任がある。


〈確かに果ての村の戦いの時に100メートル以上離れたキャスターさんとナニカさんに同時に指示を出してたよ…忘れてた。〉


この旧帝都に来ても相変わらず、


ゲートさんは自動ドアとして

キャスターさんは壁作りと監視員として、

バリスさんは森の大型魔物の討伐員だし、

ナニカさんは馬などの柵がわりとして役にたっていた…


カーンさんは、ほぼ待機所扱い…ごめんねカーンさん…。


そんなこんながあり、


気を取り直したカーンさんに試しに、〈記憶の水晶〉を設置してファルさんに上空を飛んでもらい〈念話〉と〈共有〉でリンクさせ〈記憶の水晶〉をカーンさんに使って貰う。


水晶の上に〈ボワン〉と、空から見たカーンさんの映像が現れた。


〈成功だ。〉


俺が、


「カーンさんこれからは移動指令室と放送局の2つの大役を与えてしまうけどいいかな?」


と、確認すると、


「ウム、心得た!」


と完璧に自信が戻った様にカーンさんは答えてくれた。



ようやく〈チャンネルアルド〉の放送局が決まったが、専属カメラマンと中継網を整備しなければ

ならない、


念話スキル〈レベルMAX〉の登録先は最大27だ。



まず、ミレディには


俺 1枠

国のお偉いさん 11枠

(各国の長にジーク様・トネルお兄様・

大司教・ユリアーナパパ・魔族のベルガーさん)

ダンジョンマスター 6枠

ゴーレムネットワーク 2枠

(ミレディ・バトラー・カーンの相互ネットワーク)


予定

テレビゴーレムリーダー 1枠

カメラゴーレム 2枠


使用登録枠23 空き4



つぎにバトラー


俺 1枠


ゴーレムネットワーク 2枠

(ミレディ・バトラー・カーンの相互ネットワーク)


女性陣チーム 〈何故か頑なに10枠を取ると言って聞かない。〉


ゴーレムチーム 7枠


予定

テレビゴーレムリーダー 1枠

カメラゴーレム 2枠


使用登録枠22 空き5


最後にカーンさん


俺 1枠


ゴーレムネットワーク 2枠

(ミレディ・バトラー・カーンの相互ネットワーク)


城ゴーレムチーム 4枠


領内貴族 5枠


家族 2枠

(パパさん・ドドルじぃちゃん)


領内の弟子・知り合い 5枠

(エドさん・ジャックさん・コートニー君・アーシェさん・ソロさん)


予定


テレビゴーレムリーダー 1枠

カメラゴーレム 2枠


使用登録枠22 空き 5



となった。


カメラゴーレム (スーパーレア) 〈共有〉で視覚映像も念話回線に乗せれるゴーレムを二体作るだけだ。


テレビゴーレムボディーは既にドドルじぃちゃんとタンパさんと、


シルフィー工房チームの二ヶ所で既に作っている。


背中に〈記憶の水晶〉が埋め込まれた魔鉱鉄にミスリルをコーティングしたものをメインに背中の甲羅はアダマンイトコーティングの陸亀型ゴーレム 20体


アダマンイトボディーの大型陸亀ゴーレムボディーに〈記憶の水晶〉が同じく埋め込まれたテレビゴーレムリーダーが1体は既にアイテムボックスに入っている。


ゴーレムハートと念話のスキルカード、

をダンジョンショップでメダルと交換や、ダンジョンポイントで引換れば


準備が完了する。



魔王領には用意が出来てテレビゴーレムの配置がすみ次第出発だ。


さてカメラゴーレムはどうしよう?

ファルさんと、同じ(スーパーレア)ゴーレムハートだからなぁ



ファルさんと…一緒…!



〈じぃじ師匠!一緒に鍛治仕事しませんかぁ~?!〉


と、テストも兼ねてじぃじに念話を送ってみた。

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