第79話 皆でダンジョンアタック
皆で中央国のメインダンジョンの前に来ているのだが、
攻略の前にまずは、自分のステータスチェックをしてから〈例の〉あらぬ噂の元凶となったスキルを配ることにする。
「ステータスカード」
いつものカードが手のひらに現れた。
アルド 12歳 レベル268
称号
アルフとルルドの子供
神々の使徒
勇者の協力者
鍛治士 レベルMAX
格上殺し
ドラゴンキラー
スキル
神々の知恵 (鑑定・マップ・索敵・探索・記録 の複合スキル)※知識のグリモア産
濾過EX (濾過プラス・パッケージの複合スキル)
斧 レベルMAX
体術 レベルMAX
身体強化
土魔法 レベルMAX
神速
電気無効
放電
電撃
短距離転移 レベルMAX
耐寒 レベルMAX
耐熱 レベルMAX
頑強
必中
追尾
HP 4309 / 4309
MP 5912 / 5912 (6503)神木の種の首飾り
固さ 1926
魔力 2560
腕力 1793
速さ 1101
運気 302
加護
運気上昇の加護
装備
黒オリハルコンとヒドラ皮の兜
自然修復
空きスキルスロット3
黒オリハルコンとヒドラ皮の鎧上
自然修復
空きスキルスロット3
黒オリハルコンとヒドラ皮の鎧下
自然修復
空きスキルスロット3
※黒龍の鱗とヒドラ皮の効果で、「魔法耐性 大」「物理耐性 大」
黒オリハルコンの斧
自然修復
空きスキルスロット3
翼膜のマント
飛行
滑空
空きスキルスロット なし
よし、確認終了…
まぁ、チェックだけでも一苦労だな…
「では、みなさん今から踏破に向かいますがその前に、
キッドくんとシルフィーちゃんに渡したい物が有ります。」
と、俺がアイテムボックスから二枚のスキルカードをだして二人見せ、
二人はみんなから少し離れてスキルを取得して貰う
シルフィーちゃんは取得したスキルに、
「あっ!これ。」
と驚き、
俺の付与を受けたキッド君は
「えっ、えっ」
と、焦っている。
俺もスキルカードを使い再び〈濾過EX〉を取得し、
〈コイツを交換する為に俺は大量の魔力と、穏やかな日常を手放したのだ…〉
と、流れそうになる涙を堪えて、
「えー、二人には俺とお揃いの〈濾過〉スキルを取得してもらいました。
これで、スキルの濾しとりとフルポーション製造の手伝いもお願いしたいので、
このダンジョンで使い方をマスターして貰います。」
と発表した後に。
ミーチェさんには、とあるプレゼントを渡した。
ミーチェさんは、〈魔力が余り無いので…〉と断った、四色のグリモアの代わりに、有り合わせの装備を渡していた…
レベリング中はキバさんが〈麻痺〉らせて、ミーチェさんが〈経験の指輪〉を装備して槍でトドメを刺していたらしいが、
もう、レベルが100以上ある立派な〈戦闘メイド〉に成長した。
なので、工房の女将さん集団と共同で、
軽くて頑丈な黒龍の鱗や水龍の素材をふんだんに使ったミスリル装備とメイド服のセットを渡し、
新たに〈黒龍の鱗で鍛えたオリハルコンの盾〉
「重量軽減」
「衝撃吸収」
「リフレクター」
「武器破壊効果」
「自然修復」
も渡し、俺は、
「ミーチェさんは遠距離攻撃担当が多い女性陣パーティーの防御担当に成って欲しい…
頼りにしています。」
と伝えると、
ミーチェさんがヘタリこみ泣き出した…
〈えっ?〉と驚く俺をよそに、
「皆様…、わだじ、いいんでずよねぇぇぇぇぇ…」
と泣いているミーチェさんをシルフィーちゃんが、
〈よしよし〉している。
後から聞いたのだが、どうも彼女は、
〈無理やり我が家のメイドに成ったので、俺からあまり期待されてない〉
と、不安に思っていたらしい…
〈そんな事ないのに…〉
そして、もう一人スキルも装備も渡して無いメンバーに声をかけた。
「シロちゃん、」
と俺が呼ぶとシロちゃんが「びくっ」として、ミーチェさんのお祝いの輪からぎこちなくやってきて、
「ダーリンなに?」
と、聞く
「シロちゃんにも、装備か装飾品を送りたいが、少し待って欲しい。」
と俺が伝えると、
シロちゃん急に暗い顔になり
「私、ダーリンを食べそうになったから?やっぱり嫌い?」
と涙を流しだす。
俺が焦って、
「違う、違うから!」
というと、
シロちゃんが泣きながら、
「じゃあ、好き?」
と聞いてくる。俺はシロちゃんを撫で撫でしながら、
「好きだよ。だから話を聞いて欲しい。」
となだめると、
俺の言葉に「ニヘラ」とハニカミ
「うん」
と答えるシロちゃん…
「シロちゃんが普通の装備を身に付けたら、フェンリルに戻る時に邪魔に成るだろ?
シロちゃんに、身に付けてもらうスキルモリモリの首飾りを作りたかったんだけど、フェンリルに変身したら、首が絞まっちゃうから…良い案が出なかったんだよ…神器みたいに自動調節出来れば良いんだけど…
色々調べて良い方法を探すから暫く待ってくれるかい?」
俺の思いを告げたら、シロちゃんは俺に抱きつきグズりだした。
「やだ、シロだけ仲間外れはやだ、
…パパぁぁぁ!」
と空に叫ぶシロちゃん…
すると、
「どうしたのぉー?」
狩神 リバー様が即応答した。
シロちゃんは、
「パパは、大っきくなったり小っさくなる装備の作り方しってる?」
と、シロちゃんが育ての親に甘えて聞くと、
リバー様は、
「パパは、作り方しらないけど、マイスおじぃちゃんに聞いてあげるからね。
待っててね。
直ぐだからね。
おい、マイスよ、聞いていただろう、シロちゃんにぴったりの自動調節の装備をアルド君に作らせろ、
早くしないとシロちゃんが可哀想だろ!」
と、なにか神界で揉めてらっしゃる…
そして、リバー様は、
「シロちゃん、アルド君、マイスが次のクロネコ便で作り方とか送るらしいから待っててね。
シロちゃん、頑張ってね。
皆様シロちゃんを宜しく!」
と、忙しなく神様との交信が終わった…
みんな唖然としているが、ステラさんだけ天に向かい祈りを捧げていた。
ペットに自分をパパと呼ばせるタイプの神様を手放しで受け入れるステラさん…
〈素敵です。〉
攻略前の準備も整い、
「さぁ、皆でダンジョン踏破しちゃいましょう。」
と、シルフィーちゃんがニコニコしてる。
よし、頑張ってダンジョン踏破して、
神様問題解決して、皆で楽しくのんびり暮らすぞ!
とダンジョンに向かい、
完全踏破の前に、キッド君のまとめた資料をもとに、
目的のスキルを集めては転移陣でダンジョンを出たり入ったりしながら、
「キッド君、次はアイテムボックスが濾しとりたい。」
と、俺がキッド君に言うと、
「ご主人様、一旦30階層から地上に戻り、ミーチェ様の腕輪で50階層に入り直しましょう。」
と、キッドがナビしてくれる。
〈女性陣が、それぞれ別で初級ダンジョンを踏破してダンジョンの腕輪を持っており、皆で手分けして、違う階層で登録してくれているので出入りや階層移動が楽だ。〉
30階層に上がり転移陣で入り口に戻る。
転移陣からわらわらと総勢15名の大部隊が出てくると、
「お疲れ様です。
今日は他のパーティーがいませんので、そのまま転移陣をお使い下さい。」
と、受付の職員さんが答える。
もう三日目なので馴れたものだ…この人数で転移陣から出入りしても驚かない。
「次50階層に行ってきます。」
と俺が言うと、
「いい加減、踏破の報告を出したいのですけど…
王国がメインダンジョンの入場管理をはじめてから初踏破に成りますので、是非早めの踏破をお願いしたいです。」
と、受付嬢にお願いされて、
「了解でぇ~す。」
と返事をして50階層に向かう。
50階層の転移陣部屋に着くと、キッド君が、
「ここから三階層下の53階層にいる盗賊イタチがアイテムボックス持ちです。」
と、教えてくれた。
全員で、階段を下り各種サーチの後、攻略していく。
敵は、ファルさん・キバさん・グリフ君・テディちゃん の麻痺らせ組が捕まえて、
キッド君とシルフィちゃんが練習も兼ねて濾しとり、
手にしたカード類はアイテムボックスのレベルアップの為に、バトラーが管理する。
固さ・魔力・スキルを失くし気絶している敵を「経験の加護の指輪」を装着した者が倒していく。
今回はピピンちゃんだ。
頑張れ、炎の翼でとどめだ!
敵を倒したピピンちゃんが、ミレディさんの肩に乗り、パタパタしている。
それをミレディさんは、ウンウンと頷きながらみていた。
すると、
「マスター、ピピンがスキルに変化があった事と、唯一の攻撃手段の炎の翼が熱くて大変だから何とかして欲しいそうデス。」
と通訳してくれた。
ピピンの鑑定をしたら、マップと索敵が、「鷹の目」になり、
スキルスロットが1枠空いていたので、アイテムボックスからアダマンタイト金槌を出して「耐熱」を付与した。
「これで熱くないよ、ピピンちゃん」
と言った俺のまわりをピピンちゃんがぐるぐる回った。
「マスター。
ピピンが、有り難う。
大好きご主人さまと言ってマス。
私も大好きデス。マスター…。」
と、通訳にいらない追加報告をいれて、くねくねしているミレディさんは一旦無視する事を決めて、
ピピンちゃんが、ガンガン敵を パッシュん させていく。
俺は忘れないうちに「耐熱」スキルをMAXで取得し直しておく。
敵を倒したら採掘を行い金属を集めていくが、女性陣は宝石が出る度にキャッキャと、喜んでいた。
キッド君とシルフィちゃんの濾過ポイさばきも様になり、
始めの
「これをこうして、こう!」
とお手本を見せながらやっていたのが、嘘のようであった。
アイテムボックスのスキルカードも沢山手にした俺達は一旦50階層に戻り、
シルフィーちゃんをはじめ、女性陣にと〈バトラー〉にも、アイテムボックスのスキルカードを渡し、重複して取得して〈レベルMAX〉にしてもらう。
これで、女性陣全員がアイテムボックス持ちになった…
そして、
「もう、踏破しちゃおっか?」
と意見をだした俺に皆が賛成をしてくれて、
転移陣部屋でキャンプをして、明日の朝一旦入り口にもどり、シルフィちゃんの腕輪で90階層にむかう事にした。
「大地の女神号」と「愛妻号」を出して固定し、簡易キッチンでミレディさんとミーチェさんがお料理を始めた。
ユリアーナさんとステラさんが羨ましそうに二人を見て、
「いいな、お料理出来て…。」
と言っていたから、
俺は、
「二週間、包丁で素振りしてたら料理スキルが生えるよ。」
と教えてあげたらシルフィーちゃんがアイテムボックスから包丁をだして、三人で素振りを始めた。
それを見ていたシロちゃんは、
「シロは、ダーリンに美味しいお肉を届ける係だから料理は皆に任せるぅ。」
と、言って子犬になって俺の膝の上に乗っている。
包丁を握りしめ、
「ズルいですわよ!」
と抗議する三名の〈お料理上手〉を目指す三名…
〈怖いから、一度包丁を置こっか?〉
みんなに責められて渋々膝から降り変身する。
しかし、いつもの少女ではなく、
白いワンピースの妖艶な女性になり、俺にしなだれかかる。
「ダーリン、みんなが虐めるぅ。」
と言ってイタズラっぽく笑う。
思わずドキッとした俺に、
「悪の元凶から対処します。」
と、シルフィーちゃんが俺とシロちゃんの分の包丁を出して、
二人とも〈料理スキルを生やそうぜチーム〉に入れられた…
俺は、3歳以来の包丁素振りをし、
くたくたで食事して、その日は終了した。
翌朝、バトラーが、
「念話スキルがレベル2になりました。
どなた様を登録すればよろしいですか?」
と聞いてきたので、バトラーには新生ゴーレムチームとミレディさんを登録してもらった。
これで、ミレディさん経由になるが、バトラーは
ミレディに念話を繋げばピピン・グリフ・テディの皆が念話で指示が出せる計算に成った。
〈連絡網が完璧に成ったね。〉
と満足していたが、少し考えて俺は、アイテムボックスの中に有る最後の一枚の念話のスキルカードを自分で使い、バトラーを登録しておいた。
〈これで直に新生ゴーレムチームとも話ができる!〉
と思っていると、
「ワタシ経由では何か聞かれては不味い事でもあるのデスか?」
と、盗聴娘が念話をしてくるが、
あえて、スルーしておいた。
よし、明日も頑張るゾぉ!
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