第78話 お帰り…そして、さようなら

やっと、皆が帰って来ました。

べ、別に嬉しくなんか、

無いんだからね!モジモジなアルドです。


結局皆様は半年近く留守でした…


寂しかったです。


その成果が


シルフィー レベル180 B級冒険者


称号

ハイエルフの皇族

商人 レベル MAX

(アイテムボックス・交渉・防音・鑑定

※商品鑑定)


スキル

杖 レベルMAX

風魔法 レベルMAX

火魔法 レベルMAX

土魔法 レベルMAX

水魔法 レベルMAX



ユリアーナ レベル126 B級冒険者


称号

元エルフ王国の第一王女


スキル

弓 レベル MAX

風魔法 レベル MAX

火魔法 レベル MAX

土魔法 レベル MAX

水魔法 レベル MAX



クリステラ レベル 130 B級冒険者


称号

聖女

(治癒魔法・手当ての知識・結界)


スキル

風魔法 レベル MAX

土魔法 レベル MAX

火魔法 レベル MAX

水魔法 レベル MAX



ミーチェ レベル118 B級冒険者


称号

貴族の娘


スキル

槍 レベル 2

剣 レベル 3

盾 レベル MAX

料理 レベル MAX

家事 レベル MAX

投擲


シロ レベル 321 B級冒険者


称号

狩神 リバー の眷属(リバーの加護)

聖獣フェンリル(変幻自在)


スキル

不老長寿

嵐の爪

大地の牙

神速

頑強


と…


何ですか皆さん、何処に行ったら半年で百レベル以上の冒険者になるんだよ!


俺でも数年かかったのに…


「皆、おかえりなさい。

…どこで、何をなさっていたのですか?」


と俺が聞くと、


「ごめんなさい、ダンジョン踏破しながらレベル上げをしてたら楽しく成っちゃって、テヘッ」


と、シルフィーちゃんが答える。


〈バカ野郎、カワイイじゃねぇか!〉


と久しぶりのシルフィー師匠を細胞一個一個に感じながら俺は、


「まぁ、皆長旅だったろうから、お風呂に入ってさっぱりしてからゆっくり話そうよ。」


と皆を風呂に送り出す。


「ゴーレムチームも風呂でさっぱりしてきなよ。」


と言うが、微妙な反応…?


〈ん?どうかしたのかな?…〉


と首を傾げる俺に、


「あのー、ご主人様…こちらの方は?」


と、申し訳無さそうにキッドくんが、バトラー達の事を聞いてきた。



「!あぁ、紹介が未だだったね。


王都に買い物に出かけた時にゴーレムハートが売ってたから、屋敷の連絡と女性チームの護衛やサポートと思ったけど…


女性チームの方が強く成っちゃってたね。」


と、俺が説明したら、


キッド君は、


「良かった。僕たちが要らなくなったのかと思いました。


ミレディに

〈ご主人様に連絡入れよう。〉

と言いましたが、

〈会えない時間が愛を深めるらしいデス!〉

とか、

〈いきなり帰ってビックリさせるデス〉

と聞いてくれなかったので…ごめんなさい。」


と、しょんぼりとするので、


俺は、


「良いんだ…キッド君は悪くないよ。


いきなり帰って来てビックリというより、


半年帰って来なかった方がびっくりだよ。」


キッド君はあわてて、


「ミレディや皆さんを叱らないでください。


僕の口からは言えませんが、皆様はご主人様を思い頑張っておられたので…」


と…


キッド君はこの旅で一回り大きく成長した様だ…ミレディも見習って欲しいよ…


俺は、キッド君の頭を撫でながら


「苦労をかけたね。怒ってないから大丈夫だよ。

キッド君もお風呂入ってきな。」


と、お風呂におくりだした。


皆のお風呂待ちの間に、俺はシルバーさんとキバさんの水浴びを手伝い。


二人に、


「ボディーが出来てるから、明日バージョンアップしようか?」


と言うと、二人共に走り回り喜んでいた。


何故だかグリフも混ざり三人で、庭の中をワチャワチャと駆け回っていた…


〈仲良しで結構!〉


庭から工房に入ると、先に水浴びを済ませたファルさんが、止まり木でピピンちゃんとお話中だった。


「ほうほう。」「なるほど!」とファルさんが相づちを入れるが、ピピンちゃんはパタパタと羽を動かすだけだ。


〈会話は…出来てるみたいだね…〉


さすが、ファルさんだ…上位互換ゴーレムは念話が無くても意志疎通が可能だからね。


何の話かさっぱりわからない俺に、


「アルドさま、ピピンより粗方の報告は受けました。

私から皆に伝えておきます。」


と…さすが、上位互換ゴーレムは気遣いもバッチリだ。

ミレディさんも見習って欲しいよ…


「宜しく頼むよ、ファルさん。」


と、ファルさんに丸投げして、俺はリビングに戻った。



お風呂から上がった女性陣に、居ないと思っていた〈テディ〉が揉みくちゃに可愛がられている最中でした。


バトラーが、近づいてきて、

「テディが、助けを求めています。」


と、教えてくれたので、


俺は、


「はい、はい、皆さん、テディちゃんをそれくらいで解放してあげてね。


お話の続きをしませんか?」


と促すと、渋々席につく婚約者チームと、


走って俺に飛び付くテディに、


「よしよし、怖かったねぇ。」


と俺は、頭を撫で撫でしてあげながら


「で、皆さんは、どこで修行をされていたので?」


と改めて聞く俺に、


お風呂上がりの皆はニコニコしながら、


「はい、中央国のメインダンジョンの90階層のボス部屋裏の転移陣でキャンプをしながらボス周回をしていました。」


と…


〈ジャジャーン!〉


みたいなテンションで報告するシルフィーちゃんと、ウンウンと、頷く女性陣…


〈えっ!…メインダンジョンって未踏破のやつ?〉


と、驚く俺にミレディさんが、


「キッド資料を」


とキッド君に指示を出すと、


『中央国 メインダンジョン スキル表』


と書いた紙を渡すキッド君に


「これは?」


と聞くと、


「階層毎に出てくる魔物と持っているスキルの一覧です。


皆で手分けして別々の階層の転移陣を、それぞれの腕輪に登録してありますので、


だいたい近い階層からスキルを狩りにいけます。」


と、説明してくれた。


〈おぉ、凄い!〉


俺は資料に目を通しながら、


「じゃあ、明日、〈キバさん〉と〈シルバーさん〉のバージョンアップが済んだら、


明後日にでも皆でサクッと踏破に向かおう。」


と俺は、皆に提案した。


〈やっと、動けるぞ!〉


…サラバだ、あらぬ噂よ!!




ー 翌日 ー


工房にて、キバさんとシルバーさんのバージョンアップを無事に終わらせ、


シルバーさんは、黒龍の鱗の粉末を混ぜて鍛えた黒いオリハルコンボディーの天馬に生まれ変わった。


オリハルコンゴーレム (黒龍の鱗入り)

タイプ ペガサス


名前 シルバー レベル 195


スキル


「飛行」

「自然修復」

「魔力自然回復」

「騎獣の心 レベル 1」

「音魔法 レベル 1」

「滑空」

「耐熱性 レベル1」

「炎の翼 レベル1」

「加速」

「スタミナ」

空きスキルスロット なし

黒龍の鱗の効果で魔法耐性 大



オリハルコンのハミ

「マジックバリア」

「魔力吸収」

「跳躍 レベル MAX」

「身体強化 レベル MAX」

空きスキルスロット なし



ヒドラ皮の鞍

ヒドラ皮の効果で物理耐性 大


「土魔法 レベル MAX」

「水魔法 レベル MAX」

「風魔法 レベル MAX」

「追尾」

空きスキルスロット なし



愛妻号 (改)


「飛行」

「滑空」

「耐寒 レベル MAX」

「耐熱 レベル MAX」

「衝撃吸収」

「自然修復」

空きスキルスロット なし



天馬鎧

「自然修復」

「物理耐性」

「神速」

「貫通」

空きスキルスロット なし



オリハルコンチャリオット


「自然修復」

「飛行」

空きスキルスロット 3



うん!完成。


「主よ、わがままを聞いて頂き感謝します。」


礼を述べるシルバーさんに


「うん、これからも宜しくね。」


と、俺は首を撫でて答える。


〈音魔法が有ると〈おしゃべり〉が出来て便利だね…〉


そして、パトラッ…キバさんは、


オリハルコンゴーレム (黒龍の鱗入り)

タイプ フランダース


名前 キバ


スキル


「スカイウォーク」

「自然修復」

「魔力自然回復」

「忍の心得 レベルMAX」(隠密・忍び足・気配消し・不意打ち の複合スキル

「飛び影 レベル 3」 (影潜り・影渡り・急所突き の複合スキル)

「麻痺噛みつき レベル 3」

「眠り噛みつき レベル 1」

「嗅覚 レベル1」

「氷の牙 レベル1」

「音魔法 レベル1」

空きスキルスロット なし



ミスリルの犬の鞍〈前のまま〉

「騎獣の心 レベル MAX」

「加速」

「火魔法 レベル MAX」

空きスキルスロット なし



アダマンタイトのネームプレート

「魔力吸収 レベルー」

「跳躍 レベル MAX」

空きスキルスロット なし



空飛ぶ荷車

「飛行」

「滑空」

「重さ軽減」

「自然修復」

空きスキルスロット なし



という、力作が出来上がった。


試しに荷車を着けて…


「キバさん、飛んでみて。」


と、俺がお願いすると、


「りょーかーい」


と、スカイウォークで空中に駆け上がった。


「わーい!」


と喜ぶキバさんをよそに、シルフィー工房の男達が、


「パトラッシュぅぅぅぅ…」


とむせび泣いていた…


〈あのシーンみたいだからね…。〉



そして、ファルさんには、


追加で、


「神々の知恵」

※知識のグリモア産が有るので奮発して付与してみました。

「氷の爪 レベル 1」

「魔法反射」

「麻痺の爪 レベル1」

「魔力自然回復」


を、付与したのち、


ファルさんのメインイベント!


工房の広場にアイテムボックスから〈ドランユニット〉を取り出した俺は、


〈大地に鎮座する黒いオリハルコンの龍…我ながらカッチョ良いのを作ったゼ…〉


と、満足しながら、


「ファルさん」


と呼ぶと、


「応!!」


と答え空に舞い上がり、黒龍の頭部に入る…


すると、


巨大な龍の瞳に光が宿る。


「ぐおぉぉぉぉおぉぉぉ!」

「機動巨龍 ・ ファルドラン!!!」


と、名乗りをあげる黒いメカドラゴン…


〈おぉ、いいねぇ~、上出来、上出来…〉



『ドランユニット』の性能は、

「飛行」

「自然修復」

「ドラゴンクロー」

「ドラゴンブレス」

「風の牙 レベル MAX」

「氷の牙 レベル MAX」

「滑空」

「炎の翼 レベル MAX」

「耐熱 レベル MAX」

「神速」

空きスキルスロット なし


体長10メートル

オリハルコンフレームに

黒龍の鱗入りのオリハルコンの外装

鱗の効果で魔法耐性 大の追加効果つき…


そして、素材に成ったブラックドラゴンのスキルも身に付けた、


新たなドラゴン型のゴーレムユニットである。


大空を舞うこの勇姿を見た工房の親方衆が静かに男泣きをしていた。


〈頑張ったもんね…ドラゴン型の物を作るのはロマンだもんね…動いて良かったね…〉


と、親方達と一緒に頑張った俺もちょっと泣いてしまった…


頑張った日々と、あらぬ噂に悩まされた日々を思い出して…



そして、


すべてのバージョンアップが終了した後に、キッド君にプレゼントをわたした。



「上忍の装束」

シャドウパンサーの素材を使った、忍装束、

「硬化」

「身体強化」

「自然修復」

空きスロット1



忍術刀 (オリハルコンの忍者刀)

「火魔法 レベル MAX」

「風魔法 レベル MAX」

「土魔法 レベル MAX」

「水魔法 レベル MAX」



そして、仕上げに、


ドックタグに

「必中」

「追尾」


を、付与した。


最後にミレディさんを工房に呼び出し、幸せの指輪を預かり、


前に約束した通り、指輪を作ってプレゼントするのだが、


幸せの指輪を含む5つの指輪と腕輪が一つになった。


ミレディのフィンガーブレスレット 左手用

〈どうせミレディの事だ…左手の薬に絶対装着するだろうから…〉


親指

「必中」・「追尾」


人差し指

「火魔法 レベル MAX」・「風魔法 レベル MAX」


中指

「土魔法 レベル MAX」・「水魔法 レベル MAX」


薬指

「結界 レベル MAX」・「自然修復」


小指

「幸せの指輪 運気+ 20」


腕輪

「魔力吸収」・「魔力自然回復」・「豪腕」



加工が済みミレディさんに「ミレディのフィンガーブレスレット」を渡すと、


ミレディは、


「いやデス!

ダーリンから着けて欲しいデス。」


と拗ねていたので、


「しょうがないな。」


と、装着させてあげたら。


「嬉しいデス!」


と抱きつき、ほっぺにキスをしてきた。

以前からも何度かされていたが…新装備のせいでなんだか、ポヨンとする。


〈偽物なのに…偽物なのに…〉


と考えていたら。


「このドキドキは本物デス」


と去り際に念話で一言残して行った。


久々で忘れてた。


〈盗聴娘でしたねミレディさんは…〉


これで、アルドファミリー全員レベルアップやバージョンアップが完了した。


〈これで、この街から暫く離れられる!〉


「婚約者やメイドが家出をして、あまりの寂しさからイヤらしい本を片手に気を失うまで一人で何かをしている」


などという根も葉もない噂から離れたいのです!


一刻も早く!!


街の皆様…さようなら、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る