第46話 免許皆伝と攻略の再開

やった…やりきりました。


寝ても覚めても鍛治をして1ヶ月…

やっと鍛治スキルがレベルMAXになりました。


俺が持っているスキルがレベルそのまま渡せるのと、


あとは、〈上級付与スキル〉


自然修復

クリティカル上昇

衝撃吸収

リフレクター〈魔法や攻撃の一部反射〉


の四種類が使える様になる。


初級は使用した項目の再使用まで一週間だが、

上級は威力は高いがクールタイムが1ヶ月かかる。


早速、実験も兼ねて、ミレディに俺の料理レベルMAXを移してみると、無事成功したので、


俺は、アイテムボックスから使えそうなスキルカードを使い手当たり次第に習得して、


追加でミレディに自然修復を付与する。


アイテムボックスも付与したいが、俺が既に持っていてスキルカードがあるが付与出来ない…


困り果て、ミレディに、


「ミレディには俺とお揃いのスキルを持たせたいが、俺のを渡せないからどうしよう?」


と相談したら、


ミレディは、


「マスターからお料理のスキルと自然修復を頂きましたから満足デス。


これ以上わがままは言わないのデス。」


と言ってくれたので、


じぃじ師匠と叔父さんも付与大作戦に参加してもらい、


シルバーとキッドに自然修復と、

キバにクリティカル上昇をお願いした。


俺の持っているスキルは、二人に、

スキルカードを渡して、


ミレディに〈アイテムボックス〉と、

キッドに〈索敵〉と〈マップ〉を付与して貰い、



ミレディ

ミスリルゴーレム レベル80

〈アイテムボックス LV 1〉

〈料理 LV MAX 〉

〈自然修復 LV - 〉

〈剣 LV 1 〉

〈盾 LV 1 〉

空きスキルスロット 3



キッド

魔鉱鉄ミスリルコートゴーレム レベル50

〈マップ LV 1 〉

〈索敵 LV 1 〉

〈弓 LV 1 〉

〈自然修復 LV - 〉

空きスキルスロット なし



シルバー

魔鉱鉄ミスリルコートゴーレム レベル50

〈スタミナ LV 1 〉

〈加速 LV 1 〉

〈疾風突き LV 1 〉

〈自然修復 LV - 〉

空きスキルスロット なし



キバ

ミスリルゴーレム レベル51

〈麻痺噛みつき LV 2 〉

〈自然修復 LV - 〉

〈跳躍 LV MAX 〉

〈加速 LV 1 〉

〈クリティカル上昇〉

空きスキルスロット 1



やっと済んだ。


剣、盾、弓、のスキルは俺のを渡したのちスキルカードで補充しておいた。


〈元々俺のウェポンスキルはレベル1だからね…〉


加速は、シルバーに渡したのち補充しキバに追加で渡して完成と成った。


鍛治に明け暮れる事一ヶ月…

おかげで、じぃじ師匠から免許皆伝となり、鍛治釜戸と鍛治セットを貰った。


アイテムボックスに入れて持ち運べるので、いつでも鍛治仕事ができる。


じぃじ師匠と叔父さんから装備品も貰った。


名工ドドル作 アルドの装備


ミスリルヘルム

〈衝撃吸収〉

空きスキルスロット2


ミスリルのライトメイル

〈耐久力上昇〉

空きスキルスロット3


オリハルコングローブ

〈体術 LV MAX 〉じぃじから孫へのプレゼント

〈クリティカル上昇〉

空きスキルスロット 1


アダマンタイトとサンダーサラマンダーの安全靴

俺からの特注品

〈キック力上昇〉

サンダーサラマンダーの皮の効果で〈絶縁〉

空きスキルスロット 2


アルドはんどあっくす

オリハルコンとアダマンタイトの合金の手斧で、

孫を思うじぃじの力作

〈切れ味上昇〉

〈衝撃〉

〈インパクトアタック〉

空きスキルスロット 1



ドルル作 ミレディの装備

戦乙女のミスリル兜

戦乙女のミスリルドレスアーマー

戦乙女のミスリルブーツ


オリハルコンの剣

〈耐久力上昇〉

空きスキルスロット3


戦乙女の大盾

〈衝撃吸収〉

〈リフレクター〉

〈武器破壊率上昇〉

空きスキルスロット なし



タンパ作 キッドの装備


タンパさんもレベルMAXになったので装備の制作に参加してもらった。


タンパさんが得意なのは、

裁縫と鍛治のスキルを合わせた装備なので、

無理を言って数点作ってもらった…


タンパさんは、大金貨の御礼と、鍛治免許皆伝のお祝いとして幾つかのスキルをくれた。


狩人の帽子

〈隠密 LV MAX 〉 (タンパさんから)


狩人の胸当て

空きスキルスロット3


無音の革

〈忍び足 LV MAX 〉 (タンパさんから)


ミスリルとオリハルコンの弓

〈命中率上昇〉

〈クリティカル上昇〉

空きスキルスロット 2


〈タンパさんは隠密行動が得意だった様だな…〉


そして、ドルル工房皆の自慢の逸品、

魔鉱鉄の戦車 〈シルバーが引く1人乗りの戦車〉


アルド作、咥えるタイプの忍刀

〈持ち手が平たく大きい刀〉


鍛治のレパートリーが尽きたので遊びで作った品…


以上で装備品は万全である。



「皆さん、ありがとうございます。」


と、じぃじ師匠と叔父さん、それに、タンパさんと、工房の皆さんにお礼を伝えると、


じぃじ師匠は、


「アルドや準備万端じゃな…よし、行ってこい!」


と、俺の頭をワシャワシャした後に、


「ドルル、あとは頼んだ。」


と、叔父さんに言い残して本当に〈果ての村〉を目指して旅立った。


〈よし、俺も出発だ!〉



と、いう事で、久々のダンジョン…


初めてコンビ以上のパーティーでのダンジョンアタックにドキドキワクワクです。


マイステアの街から、シルバーに引かれる馬車シルフィ号に乗り数日、メインダンジョンを目指す。


道中、


〈あぁ、初めて移動中のシルフィ号の客室に乗るなぁ、〉


と、御者を務めるキッド君を眺めながら、俺の膝に顎を乗せて、俺に頭を撫でられているキバ。


俺と向かい合わせで座るメイド姿のミレディが、


「キバだけズルいのデス。


私もマスターの膝に乗り撫で撫でされたいのデス!」


と、あまりにうるさいので、


「キバ、少し交代してあげて。」


と頼むと、〈よっこいしょ〉と聞こえてきそうな感じに仕方なく前のミレディの隣に移動するキバ…


交代にワクワク状態のミレディさんが、

〈ポン〉と俺の膝に乗った…


すると、物凄い重さが足にかかる。


「痛っっっつっっ!」


いくら軽い金属とはいえ、フルミスリルボディーのミレディさんが、片方の膝に乗るのだ、痛くない筈がない!


「ミレディさん、重くて痛いから、一旦降りよっか?!」


と優しく降りるように促すと、

ミレディは、


「マスターはひどいデス!

どうせ、私は重くて、痛い、女デス!」


と膝の上に乗ったまま、イヤイヤと身体を捻る。


俺の足の肉が、骨が、悲鳴をあげる!


「あだだだぁぁぁ!」


危うくフルポーション案件に成るところだった。


俺のまだまだ愛らしいドワーフボディーの足がヒドイ状態になる前に、


ミレディさんを隣に座らせ、膝枕して、頭を撫で撫でで、許して貰った。


撫でられながらミレディさんは、


「マスター、重いと言われて傷ついたのデス。重さ軽減を残るスロット全てに付与を希望しマス。」


と拗ねていた。


そんなことが有りながら、メインダンジョンに到着し、馬車と皆を一旦アイテムボックスにしまい、ダンジョンの受付を済ませて転移陣で30階層の下り階段まで移動し、皆を出して装備を整えた。


そして、31階層へ降りていく…


31階層は岩山の様なゴツゴツした足場のフロアだ。

残念ながらシルバーさんは、機動力が生かせないので、殿を任せ、ユックリついて来てもらい、


キッドの索敵をミレディが受け取りキバに指示を出す。


俺も、各種サーチをして、隠し通路や宝箱、鉱石も確認する。しかし、マップと索敵の結果は皆に伝えない。


なぜなら、キッド君のスキルのレベルアップのために、マップと索敵を任せているからだ。


スキルレベルが上がれぱ、弓スキルに合わせマップと索敵で、〈鷹の目〉と云う複合スキルになるとスキル図鑑に載っていた。


ミレディのゴーレムハート(レア)の能力だろう、

他のゴーレム達と無言のままある程度離れていても連絡が可能らしく、


キバに麻痺させられた魔物を俺が鑑定して、良いスキルなら濾過ポイでスキルとMPを濾しとる。


フラフラの魔物をゴーレムチームがスキルレベルとレベル上げに使い、


ドロップ品と、スキルカードは俺が収納して、MPカードは練習もかねてミレディに管理してもらっている。


彼女なら仲間のゴーレム達のMPが少なくなれば、それに気が付きMPカードを渡してくれる。


カードの出し入れでアイテムボックスも育つし、ゴーレムたちが、MPカードをパキパキしている様は、おやつタイムみたいで微笑ましい。


問題無く進み、敵のレベルは70前後だが、レベル80のゴーレムリーダー率いるレベル50代のパーティーには、一匹づつでは勝てないだろうし、


しかも、全員ボディーにミスリルを使用しており、素肌の防御力からして格上だろう。


〈安心して見ていられる。〉


一階一階、連携を確認し修正していくゴーレムチームは、レベルとスキルレベルも上がり安定して40階層のボス部屋まできた。


40階層は、だだっ広い平原に敵の大部隊が配置されていた。


俺は、鑑定先生と万能サーチ監督に敵陣営を見て貰うと、


「ゴブリンキング レベル80」

「ゴブリン軍司 レベル20」

「隊長ゴブリン レベル 40」× 7

「ゴブリンライダー レベル20」×50

(ワイルドドック レベル5 に騎乗)

「ゴブリンナイト レベル20」×50

「ゴブリンマジシャン レベル20」×50

「ゴブリンアーチャー レベル20」×50

「ゴブリン重歩兵 レベル20」 ×100

「ゴブリン長槍兵 レベル20」 ×100

「ゴブリンの鼓笛隊 レベル10」×10

「ゴブリンアサシン レベル35」×3

「ゴブリン レベル10」 ×300


なんと、弱いとはいえ、700を超えるゴブリン軍団に俺は、もしもの時用にHPカードを束で出して、半分をミレディに渡す。


アースウォールで本陣をはり、作戦を立てる。


一匹一匹は弱いが数が多い。


まずは、シルバーに工房特製の戦車装備をつける。


ローマ時代の映画でよく見る、1~2人乗りの馬車だが、俺の現代の知識も入り様々な工夫がされている。


シルバーは魔鉱鉄の外装を装備して、一回り大きなユニコーンの様な角がある姿でそれにつながる戦車と一体になっている。


作戦は、

シルバー戦車に乗った俺が兵隊と乱戦を繰り広げるので、


キッドが遠距離から、軍司や隊長、無理なら鼓笛隊を狙い指揮系統を潰し、


キバは、遊撃について、

アサシン三匹を麻痺らすか、やっつけて行動不能にする。可能なら隠密系統のスキルが欲しいので、一匹だけでも可能なら残してほしいと伝える。


ミレディはゴーレム達に指示を出して、マジシャンやアーチャーからキッドを守って欲しいと指示し、


〈作戦開始だ!〉


と、俺らが動き出したと同時に、敵の防衛ラインに入ったなか、


「ボェ~っボェ~っ」と角笛が鳴り、

「ドンドコ。ドンドコ!」と太鼓が鳴り響く…


ゴブリン達が隊列を作り布陣する。


中央に、ワラワラとこん棒や何かの骨や角で作った槍やボロい剣を手に手に「グゲゲ」と鳴いている。


その裏に鎧に大盾にハンマーや斧を持った重歩兵の大盾の隙間から長槍を出して槍衾(やりぶすま)をつくる長槍兵と…


その右側にマジシャンとそれを守る様にナイトが配置され、

逆サイドには、アーチャーとライダーが布陣する。


中央奥には、御輿の様な屋根付きの櫓に座る王その傍らに軍司が見える。


櫓の周りに鼓笛隊が並ぶ。


軍司が何かアサシンに命令を出した途端太鼓が鳴りやむ


一瞬の静けさが戦場に流れる。


すると、


「ブォッブォ~っ、ブォッブォ~っ」


と、違う音色の角笛と共に戦場が動きだし、

開戦である…


俺は、戦車のレバーを引くと戦車の外部装甲の隙間から長く幅広いオリハルコン刃のミスリルの刀が左右に一振りずつ出てくる。


シルバーは加速を使いゴブリンの群れに突っ込むと俺は、レバーから繋がる刀に魔力を流しミスリルの硬さを上げる…


バラバラと切り裂かれ パッシュん していくゴブリン達…何匹居ても問題無しだ。


シルバーさんは、ゴブリンの群れを突き抜けて、アーチャーの群れを目指す。


ミレディさんの指示で、機動力があるライダーと遠距離攻撃のアーチャーから潰す作戦らしい…


アーチャーを俺らに任せたミレディさんは、キッドに鼓笛隊の狙い撃ちを頼むとミレディさんは大盾を構え魔法を使い、上手くいなしている。


弓攻撃で、鼓笛隊を沈めたキッド君は軍司を狙うが屋根付きの櫓が邪魔で思うように行かない様で、


目標をマジシャンに変えたキッド君が、次々とマジシャンたちを消していく。


あらかたアーチャーとライダーを蹴散らした俺は、シルバーさんに重歩兵と長槍兵の横腹に突っ込むように指示する。


鼓笛隊が居なくなり敵の動きが鈍くなったが、隊長格が「ぐげぇ~!!」と叫び指示をして、隊を保っている。


シルバーさんがユニコーンヘッドを突き出し〈疾風突き〉と〈加速〉で隊列を崩しながら駆け抜ける。


だいぶ敵の少なくなった戦場に降り立つ俺は、


シルバーさんに本陣にもどりキッド君とミレディさんを乗せ残った奴らを蹴散らすように指示をしていると、


視界の端でキバさんが櫓に飛び込み王の脇をすり抜け、軍司を咥えて行ったのが見えた。


すると、途端に敵の動きがガタガタになる…


〈軍司の何らのスキルが切れたからだろう。〉


俺は、濾過スキルで、


2メートル、一時間継続

濾過膜A 指定枠 1 〈魔石〉

濾過膜B 指定枠 2 〈スキル〉〈MP〉

パッケージ あり


の濾過ポイを作り、

周りのゴブリン達をなぎ払っていく。


重歩兵やナイトをなぎ払い厄介な長槍の回りにアースウォールを出して槍を使いにくくしてやった。


MPカードをゴーレム達の様に噛って回復していると、


隊長ゴブリンと一騎打ちを繰り返していたキバが隊長の首に食らいつき、パッシュん させた。


〈よし!殺るか!!〉


と俺は、ミレディさんチームに残党を任せ、

キバさんと、王と側近気取りの隊長をすり潰しに向かう。


途中の草むらに麻痺って瀕死のアサシン三匹と軍司がいたので、濾しとって〈パッシュん〉して、

キバさんとふたりで櫓に着くと、


「グオォォォ!」


と叫ぶ王様…〈確かに愚王だな〉…


王様がメインで、側近と一緒に向かってくれば、「もしかして」が起こったかもしれないが、

側近に任せ連携もせずに櫓に居座った時点で積んでいる。


隊長を難なくパッシュンさせ、キバさんにもご褒美の濾したてホヤホヤのMPカードを与え頭を撫で、待機と周辺の警戒を頼む。


俺は、王様をシバきに櫓に向かう…

櫓に向かいながら、

濾過ポイを消して、再度10メールにサイズアップして濾過ポイを張り直す。


愚王は今になり焦って武器をもちだし櫓から出て来ようとモゾモゾしているが、

俺は構わずに櫓ごと愚王を濾していく。


「ハイ、ドォーン!」


と、地面まで下ろした濾過ポイの上部の櫓から パッシュん と乾いた音が聞こえた。


ピロリン

ピロリン


とお知らせが聞こえて振り向けば、立っているのは仲間達だけだった。


ドロップ品やカード類を集めて、転移陣部屋を目指す。


ちなみに、ゴブリンの王のスキルは、

「ゴブリン強化」「ゴブリン統率」「繁殖力」



…マジで要らない…。

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