第40話 はじめてのメインダンジョン

初めてのメインダンジョン…


俺は、現在ダンジョン入口の関所の様な施設でギルドカードを提出している。


死んでも「自己責任」の書類にサインをしてからダンジョンへへと向かう。


初級ダンジョン踏破の証の腕輪を確認されていざダンジョンへ…


このダンジョンは入り口が無く転移陣が唯一の出入口になるらしい。


基本ルールとしては他のダンジョンと同じ、

ただ、踏破した最深部の転移陣にしか飛べない。


なので、見落としがないようにじっくり行きたい。


関所の職員さんは、俺が子供でソロなので心配していたが、


〈まぁ、普通はそうだろう。〉


元気に「頑張ってきます」と笑顔て答え、転移陣に乗り一階層へ転移する。

目の前に現れたのは草原だった。


魔物をサーチすると、

サブマップに赤い点が映る。


町一つ分の広さはある草原に赤い点が20~30ぐらい


続いて宝箱のサーチ、反応なし


隠し扉、隠し通路のサーチ、反応なし


罠のサーチ、反応あり

おい、おい、一階層から罠があるのか!?


〈おっかないな…メインダンジョン…〉


罠と敵を確認しながら、下り階段へ濾過ポイを振り回しながら進む。


壁のない草原、太陽もないのに明るい…

初期ダンジョンでは暗くて明かりが必要なエリアが多かったが、ここは明るくて見通しも良いので、


目の良い魔物なら遠くからでも見えるのか、次から次へと、レベル50前後が襲ってくる。


この階層のほぼ全ての魔物に襲われ、返り討ちにした。


〈メインダンジョンは鬼仕様なのかも…〉


下った二階層も草原だった。


同じ手順で進み、敵のレベルもほとんど変化がなく同じ程度の魔物が続く。


〈ピロリン〉っと、


久しぶりの告知音を聞きながら先へ進む…


〈確認は後だな。〉


景色が変わったのは6階層から、

このエリアは森である。


各種サーチをかけると、新しい反応があった。

マップ右に隠し部屋があり宝箱がある。


しかし、問題は、部屋の中で赤い点がパーティーをしているもよう。


「宝箱付きのモンスターハウスか?」


きっと、スーパーリーチにオバケがでない

ずっと魔物が居る方のモンスターハウスである。


面倒臭いが、宝箱は気になる…


〈よし。確変狙いでフィーバーしてくるか!〉


と、気合いをいれて、サブマップに従い隠し部屋付近にきた。


しかし、大きな木があるが入口が見当たらない、


木をペタペタ触っていたら、シュン と木をすり抜けた。


そして、目の前にテニスコートぐらいの広さの洞窟にワーウルフが沢山いた。


鑑定


ワーウルフ レベル55

HP 700

MP 200


「連携」「体術」「高速移動」


〈何かスピードが有りそうだな…〉


俺は濾過ポイを「魔石」からの「スキル・魔力」のパッケージあり に設定し、左手に盾を装備して、ワーウルフの群れに立ち向かう。


倒しても倒しても、続くまさに確変状態だった。


〈まぁ、狼男だからかな?〉


と、分からない方には全くピンと来ない事を考えながら戦った。


体感、一時間ほど戦った感じだ。

勝ちはしたが、久しぶりにボロボロにされた。


〈流石に連携の取れた複数攻撃を一人でさばくのは辛い…〉


ハイポーションを二本飲み干し、


軽い休憩を取った後、


爪や牙等の素材やスキルカード類に、魔石を回収してから、いよいよ宝箱にむかう…


しかし、宝箱は、鑑定の結果 ミミックだった。


〈ツイていない。〉


俺は怒った。

何に怒ったのかは判らないが…。


怒りに任せミミックをボコす事を誓う。


俺は鋼のハンマーを手に持ち、

まだ、宝箱に成りきるミミックに向けて、


「アースニードル」


と得意の土魔法を放ち、地面に縫い付けてから

ボッコボッコに殴った。


だけど、俺の気が収まる前に 〈パッシュん〉 して余計に腹が立つ結果になる。


ミミックが消えたあとには魔石はなくカードが一枚落ちていた。


鑑定すると

「鍛治師」スキルカード…初めて見た!〈職業スキル〉だ!!


〈でも、俺は要らない〉


更に疲れた。


「しまっておこう。」


と呟く…ミミックも合わせて、全ての敵を倒すと、元の木の前に居た。


どちらかが全滅するまで出られないのか…。


〈鬼だな。〉


7階層からも森が続く、出てくる魔物もレベル50前後が変わりなく、時折宝箱を拾いながら進む。


そして、10階層に着く。

遂にメインダンジョンのボス部屋…ではなくボス階層と言っていい場所だった。


だだっ広い空間に、


オーク (腰布一丁の豚野郎)

ハイオーク (毛皮の服の豚野郎)

オークエリート (マントのみの変態野郎)

オークキング (裸に王冠の上級変態)


ワラワラと、陣形を組んでいる百を越える豚軍団…


俺は、土魔法を使い罠をはる…


「ピットホール!」


と唱えて、


かなりの魔力を使い直径5メートル、深さ5メートルくらいの落とし穴をあけ、


濾過ポイを穴を塞げる大きさ、持続時間三時間で


A膜 指定枠 1 「土」


B膜 指定枠 2 「スキル」 「HP」


パッケージあり


で製作し、穴の上に置き土を被せる。


濾過膜に濾されずに残る土は穴とポイを隠す…


そして、


「アースウォール」、「アースウォール」、「アースウォール」と何度もアースウォールを使い穴までV字の動線を作る。


豚の追い込み漁の開始だ。


ボス部屋の判定の見えない防衛ラインを越えたのか、


ゆっくり王の指示で進むオーク達…


俺は、オークが近づき切る前に仕掛けをすませ、

アイテムボックスか「MP」カードを何枚も使い回復させた。

そして、盾と剣とボウガンを取り出し構えている。


「ぶぅおぉぉぉおぉぉぉ!」


と裸王冠野郎が吠える。


加速する豚から地鳴りが聴こえだす。


俺はボウガンで応戦し敵の目を罠から逸らすために動く、


ついでに派手な火魔法や特大のライトを打ち出し、


目の前まで迫ったオーク達が次々に地中に消える。


地中からパッシュん、パッシュんと渇いた音が木霊している。


目眩ましのせいで、前で起きていることも確認出来ない後続の後押しもあり、かなりの量を減らすことが出来た。


ボウガンで、狙い打ちし残りも倒す。


残るは、マント変態野郎が二匹 と 全裸の変態が一匹のみとなり、


床の濾過ポイを手に持つ。


スキルの為かこんなにデカくても軽いのが助かる。


裸マントのエリート二匹相手に網を被せる要領でパッシュんしていく。


〈さらば露出卿…〉


そして、王冠を被った丸裸の豚に、


「さぁ、守るヤツが居なくなったぜ…。裸の王さまよぉ!」


と、俺は濾過ポイを消し、


ステゴロスタイルの王様に敬意をはらい


同じく素手にて相手をする…


そして、全身全霊をかけて、あの技をくりだす。


「俺のこの手が真っ赤にナニする!」


右手に魔力を溜めると、仄かに光る…


「いくぞぉぉぉ!」


と、スピードを上げてヤツの攻撃を避けつつ体制を落とし


「もぎぃとぉれぇぇぇぇぇ!なんちゃらフィンガァァァァァー!!」


俺は、素手なのも気にせずに、王様の大事な王子様をもぎ取った。


巨体が揺れて倒れる。


「ひぃーとえんどぉ!」


と、手の中の王子を握り潰す俺…


王様は倒れたまま パッシュん した。


そう、ダンジョンファイトでは、とある部分を破壊されたものは敗北となる!!


〈…嘘です。〉


ノリで適当な事を言いました。


そして、


なんか嫌な感触を残し戦いが終わった。



はぁ、やっと転移陣か…


〈休憩しよ。〉



俺はボヤキながらドロップ品などを集めつぎの転移部屋に向かった。

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