第37話 B級昇格と本格始動


初級ダンジョンを踏破して、

晴れて目標の B級 冒険者に…って、

なんか、B級 ってショボいイメージだけど、


B級冒険者とは冒険者の中でも一人前扱いの立派冒険者の証です。


現在、アサダの町に戻り、ギルドの宿で1泊して、

先ほど、ギルドで報告を済ませて、ようやく昇格条件を満たして、遂にギルドカードに Bとの表記されました。


これで、ミスティルの世界のダンジョンはどこでも

入れる事に成りましたよぉ~


〈ヤッフゥイ!〉


と喜んで…今何をしているか?と言えば、


〈集めたスキルカードのチェック〉です。


スキル図鑑を見ながら有用なスキルの選別を行っている。


アイテムボックスのリストのスキルカードの欄が、

長い、

だか、長いだけで、種類は少ない。


スキル図鑑を眺めがら有用なスキルや複合スキルのセットが無いかな?

と、チェックを続ける。


初級ダンジョンでは、余りピンとくるのはないけど、


「身体強化」 がいっぱいあるから俺も使って、

エドさんやトネルお兄様にもあげようかな?


「真空波」 は、正直いらない。

だって魔法があるから

よし、誰かにプレゼントだ…。


「隠密」って忍者みたいで格好いいな。

何個かあるから誰かにあげよう


色々考えたが、俺の欲しいのは「身体強化」位だった。


あとは、配っちゃおかな?


というわけで寝ます。

お休みなさい…



ー 明けて翌日 ー


俺は、ブライトネル辺境伯の館に来ていた。

二人にお土産を渡すためだ。


あと、エドさんにも…


応接室に通されると、二人に初級ダンジョン踏破の報告をすませ、本題のお土産をわたす。


「じつは、ダンジョン攻略前にリーダお姉様にプレゼントをしようと考えていたのですが、トネルお兄様にも同じ物というのも芸が有りませんから、


ダンジョンで良いのが手に入ってからと思い本日に成りました。」


と、告げた。


「アルド君気を遣わないでね…私たちは 家族 なんでしょ?」


とリーダお姉様がいう、


すると


「アルド君、まるで私がフリーダのオマケみたいな言われようだが、私達を気にしてくれていることを嬉しく思うよ。


して、何をくれるのかな?弟君は。」


とニコニコしているトネルお兄様。


俺は、


「では、リーダお姉様から、」


というと、


「やはりフリーダからか?私はオマケかい?」


と拗ねてみせるトネルお兄様に俺は、


「前世の異世界には 『レディーファースト』 という

言葉がございます。何事もまずは女性から優先に。

という紳士的な精神を重んじる国の格言です。」


と伝えて俺は、アイテムボックスから 四色のグリモアを出す。


「綺麗な本ね。本をいただけるのかしら?」


と、聞いてくるリーダお姉様に、


俺は、


「いえ、差し上げる物はこの本の中身でございます。

さぁ、リーダお姉様、このグリモアの上にお手を…」


〈中身?〉と不思議そうにしながらも、グリモアに手をのせるリーダお姉様…


俺は、四色の色が踊る鮮やかな本に魔力を流す。


すると、本から飛び出た四色の光りがリーダお姉様に溶け込む。


「終了しました。リーダお姉様。」


と、終了を告げるが、ずっと不思議そうなお姉様に


「ステータスカードをご確認下さい。」


と促す俺。


お姉様は、一度トネルお兄様を向くと、


お兄様がゆっくり頷くのを確認し、


「ステータスカード」


涼やかな声が静かな部屋に響き、カードがお姉様の手に現れる。

食い入る様に見つめるリーダお姉様


「アナタ!魔法のスキルが!」


驚く声に、トネルお兄様が、


「属性は?火か?水か?風?土なのか?どれだい?」


と、興奮して問いかけるお兄様に、


「全部です。」


と、答えるお姉様…


二人は驚き過ぎてパクパクし、油の切れた機械のように、

ギギギッと首をひねり俺を見た。


「これは、いかなる?」


と聞く二人に、


学者達に勉強を教えてたら、学者さんが良い教師を有難うございます。

と毎日の様に祈ったらしく、

学神様から正しく使ってくれる者に授けて欲しいと、


このグリモアをもらったことを報告した。


驚く二人だったが、トネルお兄様が、


「では?私には?」


と聞くので、


「身体強化」・「跳躍」・「リジェネート」

の三枚セットを

内容を伏せてわたす。


だって後から見て驚いて欲しいじゃない?


「三つの、スキルカード?なのか…」


すこし不安なのか、なかなか使わないトネルお兄様に

おれは


「前世の異世界には、『迷ったら食っとけ!』と言う言葉を投げかけるギルドの受付嬢がででくるお話があります。

たぶん、迷うくらいなら行動しておけ 的なアレです。

さぁさぁ!

パキッといっちゃってください。」


「アルド君?なんか私の時、雑なのでは?」


と、言いつつも、勢い良く、三枚同時にバキッと割ったトネルお兄様


身体かうっすら光り、そしてゆっくりと光りが消えていく。


「ステータスカード」


と唱えたトネルお兄様は三つの新しいスキルを確認している。


俺は、


「〈身体強化〉はご存知かと思いますが

〈跳躍〉はジャンプ力が上がるスキルで、

〈リジェネート〉は、使用中にじわじわ HP が回復するスキルです。


技能神様のおかげで、魔物からスキルが奪えるようになりました。」


と告げると、


「えっ!」


っと、俺の報告に、またまたビックリのトネルお兄様だった。




後日、魔法をあげようとしたら、


「自分は剣士ですから。」


と断ったエドさんに〈真空波〉をあげたら、


「あっちのほうが格好いい。」


と、トネルお兄様が大いに拗ねたのは、また別の話しで…




さて、


勇者天野君が、こっちに来るまでに、


・主神の別居中の奥さんを探して話を聞く、

・息子の魔王にも会いに行って話を聞く、


これがメイン


で、多分奥さんに会うにはメインダンジョンに行かなければ、情報もない。


メインダンジョンは魔物もめっちゃ強いから、

〈強い防具〉が欲しい、

武器は有ればいいかな?程度で良い、濾過ポイあるからね。


あとは、メインダンジョンの場所かな…


大司教とか知らないかな?


ほら、地母神様も神様だから教会に資料無いかな?

って聞きに行こう。


そして、


長旅になるからパパさんとママさんに会いに行ってから出発しよう!


そうと決まればアサダの大教会に行くついでに道中で、買い物だな。


となり、俺は長旅に備えての食料を買う、


アイテムボックスが時間停止付の容量無限だからいくら買っても無駄にならないので安心。


お金もアイデア料やらフルポーションなどの販売料金で潤っているから心配ない。


これで、主神様家族が円満なら楽しい異世界ライフなのに…。


おっ旨そうなハムだ…買っちゃお。


あと、村に行くならパパさんとママさん

それと赤ちゃんにお土産買おう。


オシメに使える布や揺り篭を買った。


〈弟か妹か、どっちだろ?〉


そんな事を考えながら歩いていたら教会についた…


大聖堂で、お勤めをしているシスターに大司教様にに会いたいと伝えてもらったら、すぐに会ってくれると返事があったのだが、


暫くして大司教様は、何故か数人連れてきて、


「一緒に聞いても構わないだろうか?」


と、聞かれたので、


「役目が済むまで〈他言無用〉ならかまいません。」


と答えたら各自メモを取り出し聞く態勢


彼らは?と聞くと、


「伝承を書き記す役職の者達だ。」


と、大司教様が答えてくれた。


〈色んな仕事が有るんだなぁ。〉


俺は、大司教様に主神様の作戦を説明し、次にマイス様からの手紙の内容を話した。


そして、俺が地母神様と魔王の話しを聞いてから、

どうするか決めたいと伝えた。


大司教様は


「地母神様の事や、魔王が何故地上にいるのかなど知らない事が沢山あったが、なんだか色々府に落ちた」


と語っていた。


そして、教会にある資料でダンジョンとダンジョンの神様に関する記録があるらしく見せてくれ、


メインダンジョンを巡り母なる神に認められた者だけが、母なる神の国にいけると…。


昔にメインダンジョンの一つを踏破した冒険者が持ち帰った石板に書かれていたそうだ。


〈やはり、メインダンジョンの踏破は決定だな。〉


俺は、大司教様にメインダンジョンの場所や情報がないか?

と訪ねると、大きな地図を持ってきて、ダンジョンの場所と、ミスティルの世界と種族の話をしてくれた。


まずミスティルには主神の他に六柱の神がいて、

それぞれ違う種族の祖として崇められている。


武神 ラウド 様 大陸の北、大山脈に住むリザードマン族


学神 メリス 様 大陸の南西、大森林の神木の森のハイエルフ族


狩神 リバー 様 大陸の西、平原地帯の獣人族


商神 フク 様 大陸中央、人族


技能神 マイス 様 大陸の北西、大山脈の麓ドワーフ族


治癒神 メディカ 様 大陸の南東、高原地帯の妖精族


そして各地に一つずつメインダンジョンが計 六ヶ所

存在している。


そして、魔族達は大陸の東に魔族領と名乗り、城を構えている。


〈さて、どこから巡ろうかな?〉


正確な場所はマップスキルと完全サーチで、ダンジョンをサーチすれば迷わないかな?


大司教様にお礼を言って教会をあとにした。


俺は、ギルドの厩舎からポチとタマを出し

果ての村 に里帰することにする…


馬車シルフィー号は風をきって村を目指して走り出した。

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