第36話 決まる方針と向かうダンジョン

えー、夫婦喧嘩は犬も食わない

と申しますが、


神様の夫婦喧嘩に巻き込まれたみたいです。

新事実で、お腹いっぱいです。


しかし、


マイス様の言いたいことも解る…


とりあえず、俺は、


『強くなってメインダンジョンを目指してみます。


話を総合すると、主神様は俺に、


〈嫁の力を削いでこい!〉って言ってるんだろうけど、神様同士はドンパチ出来ないルールらしいからといって、勝手に旦那陣営に入れられてるのも…


〈なんか嫌だ…〉


なにより、喧嘩でしょ?


旦那サイドの言い分だけでは駄目!

嫁さんサイドの言い分も聞かなきゃ…

そして、息子の話しも聞いてから決めます。


と、言うことで俺は、


嫁さんサイドのダンジョンに行って、嫁さん側の意見を聞きに行きます。


それで、話し合いが必要に成れば


その時は、マイス様が主神様を話し合いの場に連れてきて下さい!』


的な手紙を書いた。


クロネコの飛脚便はその手紙を持って消えていった…送り先票はしっかり書かされたが…


〈あいつ、マニュアル仕事はキッチリしてるな…〉



さて、猫も帰り、頂いたスキルカードを、


汝の在るべき姿に…みたいな気分で〈バキッ〉と折って解放する事にする。


一つ目が 「濾過プラス」

〈万物から指定の物を濾しとる効果を濾過スキルに追加する〉


万物からとな?財布からお金とか?…


嫌だなにそれ恐い!


でも、確かにバージョンアップには成るな…


そして、


二つ目が「パッケージ」

〈このスキルで包まれた物は故意以外で破壊されない〉


商神様…なんとも物流にはもってこいなスキル…って、どうつかうの?…


と思いながらも、


濾過プラスに続きパキッと割ると、


ピロリン

ピロリン


とお知らせが二回きた。


スキルカードを使用して、お知らせがが一回鳴るのは解るが、二回とな?…


不思議に思って、ステータスカードを確認すると、

濾過スキルが複合スキル


「濾過EX」


と、成っていた。


〈なんじゃらほい?〉


とりあえず検証は後日にして、一旦置いておくことにした。


そして最後、「四色のグリモア」だ…


魔力を流して、〈対象は俺〉と指定すると、

本から飛び出した光りが身体に入ってくる…


再びステータスカードを確認すると、


炎魔法・水魔法・風魔法が追加されていた。


土は元々あるからね。


スキルが育ったのは嬉しいしが…


なんだか、モヤモヤする気分のまま時間が過ぎる。



〈なんか、もう!!〉


パパさんやママさんとの村での幸せな生活を手放して、神様のお使いは、人類を守るお手伝いを装った、夫婦喧嘩の決着のための裏工作なんて…


それがホントなら、


〈運が悪すぎる…〉


なんて糞な気分だ。


はぁ、そろそろ旅立つか…

そろそろメインダンジョンに行かなきゃな…



ー 次の日 ー


旅立つ報告をジーク様にして、


コーバの街で働いている親方集にも挨拶をしてまわる。


そして、


研究所で、コートニー君の一派に魔法を授けた。


〈学神様からです。お礼はあちらに〉


との言葉を添えて。


シルフィー師匠には、手紙の内容を話して、情報収集もお願いをいした。


「喧嘩はめっ!ってしてきなさい。」


とのお言葉でした。


我が神シルフィー師匠の言葉を主神一家に届けるのだ!


マルゲルさんは、結局このコーバの街で、最高戦力の一人として認められ、コーバの街の冒険者ギルドマスターに収まった。


人望のある人は何処に行っても出世するのよ。


エドさんは、おれが、初級ダンジョン攻略に行くのにあわせてアサダの町に帰ることになった。


しかし、


三日後に旅立つことにするが、その前に

こっそり森に来ています。


そう!

〈濾過EX〉の実験です。

万物を濾過ってなんじゃらほい?…です。


〈サーチ〉で、サブマップに〈敵〉を映し出し、

赤い点の一つを指定して鑑定をかける


リジェネリザード レベル50

HP 400

MP200


〈スキル〉

リジェネート

囮の尻尾

微毒噛みつき


と出た。


〈よし、やってみるか…〉


と、ターゲットを決めて、


濾過スキル!

EX濾過ポイ作成 大きさ直径1.5M 持続時間 1時間

濾過膜A 指定枠1 「皮」

濾過膜B 指定枠2 「スキル」「魔石」


AとBの間にパッケージスキル 使用しますか? はい



と設定して、ポイを重ねて待機する。


茂みから襲いかかるリジェネリザードに、


火の輪くぐりみたいにヤツの体が膜を通過する様にポイを振り抜いた。


すると、


〈デロリン〉っと、俺の後方に皮を剥がれたリジェネリザードが、


ポイより前には皮のみが〈ダラン〉と落ちている…


キモ…っ


よし!ダンジョン以外ではつかわない!


ご飯が不味く成りそうだから…


そして、


驚いたのは、ポイとポイの間から

透明な何かに包まれた魔石と、


「リジェネート」「囮の尻尾」「微毒噛みつき」のスキルカードがでてきた!


なんですと?!


俺…スキルカード作れる様に成った?…



ー 数日後 ー


コーバの街を出て、アサダの町でエドさんをブライトネル騎士団に返し、ちょっと挨拶回りをした後で、


やって来ました。


〈初級ダンジョン!〉


こんなに何日も馬車移動してなぜ、俺が元気なのか!


なんと、〈マイカー〉だからです。


コーバの工房で作ってもらった特注品、


ゴムは無かったからタイヤは魔物の皮だが、全く問題なしで、板バネのサスペンション


そして、御者席も含め、スプリングコイルのマットを使用、野ざらしの御者席は防水性の高い魔物の皮を使用した。


ダメージ激軽の高性能小型馬車シルフィー号です。


俺を癒してくれ、守ってくれるもの…


〈もう!それはすべてシルフィー師匠なのです。〉


嘘です…


シルフィー商会の工房の親方がノリでボディーに、

シルフィー号と書きました。


まぁ、


「私、アルド君専用の乗り物にされちゃったぁ。」


と、シルフィー師匠が誤解を招きそうなセリフを言いながらクネクネして喜んでいたから、


問題なし、むしろグッジョブです。


ありがとう親方。と感謝しながら、

馬車をアイテムボックスにしまい、


ギルドの厩舎に愛馬のポチとタマを預ける。


馬の名前は、コーバの街には騎士団とキャラバンの馬が、それはそれは沢山いる…


かぶらない所はもう、この路線くらいしか思い浮かばなかたからの苦肉の策である…



さぁ、転送陣で10階層クリア後からコンティニューです。


久々のダンジョンだか、前回よりドキドキしない、なぜなら、修行のお陰で楽々だし、

コーバの工房で作ってもらった魔道具

「魔石式ヘッドライト、ヒカル君」のお陰で、暗いエリアも手ぶらで、なんと、魔力の消費もなし。


〈魔石はこうやって使われてるんだね。〉


ダンジョンで俺は、武器を構えていない。


なぜなら、濾過ポイ ビックサイズを構えているからだ。

出てきた魔物に合わせ

具現化、指定をしていたが、面倒臭いので、


ダメで元々精神をフルパワーにして


濾過膜A 指定1枠 魔石


濾過膜B 指定2枠 スキル 運気


パッケージを使用


と指定して突撃します。


目の前のデカイバッタに虫取網のように


〈パサっとな!〉


と被せると、


パシュん


と、消えた。ポイを退けると下には魔石があり、


ポイとポイの間には、カードが三枚あった。


「出来ちゃった。」


魔石をアイテムボックスにしまい

カードを鑑定する。


「跳躍」ジャンプ力の強化


「集団行動」群れの規模にあわせHP上昇


「運気」運気140入り


出来たけど、

微妙スキルだね。


運気のカードを手に持ち考える…


初級ダンジョンの激弱そうなバッタの運気が、レベル150の俺とほぼ同じ…


俺は、どれ程〈運気〉のステータスが低いのだろう…


〈しかし、今から変わるのだ!〉


と、気合いを入れて、俺は運気のカードを割る。


すると、金色の粒子が身体に纏わり付く


「ステータスカード!」


運気の項目は?


283!


143プラス140 で283だぁぁぁぁぁ!!


いぇーい!!


と、喜んでいたら粒子が散っていく…


そして、ステータスカードには、


…143…。


数秒のみのブーストなのね…


〈使えない…使えないじゃねぇか!〉


がっかりするが、


出したポイが勿体ないからそのまま進む。


スキルカードと運気のカードが結構たまった。

濾過ポイが、時間切れで消えたので、


次に出すポイの指定を運気 を止めて MP にしてみる。


魔力なら一度に使える魔力が増えるだろうが、多分ブースト扱い…


MPなら回復しないかなぁ?との甘い期待からだ。


サブマップと完全サーチの力ですぐに敵を見つけてデストロイ、

アイテムボックスへ魔石をしまう。


「ステータスカード」


MPは? 3353…


ここに、MPカード413 を割って使用する。


MP 3766…


暫く待ってみる…


〈減らない!〉


やった、緊急MP回復アイテムだ!

これならば〈マジックポーション〉みたいに大変な思いをして作らなくても良いし、何より連続使用してもお腹がチャプンチャプンしない!!


そして、


それからは作業でした。


30階層のボス?

カマキリでしたよ…


「真空波」って、斬撃を飛ばすカマキリ


あっと言う間でした。


頭からポイを被せて〈パッシュん〉してやりました。


踏破のご褒美宝箱は、〈腕輪〉で、

メインダンジョンに入る時にいるらしいが、

多くの冒険者は、勲章代わりか自宅の飾りになるそうだ。


一応装備しておこう…すぐ使うかもだし。


という事で、転送陣で地上に帰る。


すると、支店長のジムさんが迎えてくれた…


「ヒナさんは?」


と聞くとジムさんは、凄く悲しそうな顔で、


「寿退職しました。」


と答えた…。


好きだったのかな?なんか、ごめんね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る