第33話 新たな街で修行の開始
再会に涙する事、有りますよね…
現在、絶賛再会に涙しています。
相手のみが…。
「ぜんぜぇぇぇぇ、おなづがしゅぅぅぅぅ!」
俺の足にすがり付くコートニー君は、果ての村 の4歳年上のお兄ちゃんだった。
はずだ…
「先生ぇぇぇ、僕頑張りましたよぉぉぉぉぉ。」
と泣き叫ぶ…
俺は、コートニー君の頭を撫でながら、
「そろそろ、ね。
コートニー君、ほら、周りがドン引きしてるから。」
と、やんわり泣き止むように促す…
すると、
〈ハッ〉として泣き止み、
凛々しい顔するコートニー君…
〈ハーフエルフだから美形なのよ。〉
俺と大違い…
俺もハーフエルフなのだが、エルフ要素は耳ぐらいで、ドワーフ濃いめで、やらしてもらっております。
『アルドは、 かぁさんにだ。』
って韓国語っぽいなぁー
とか現実逃避してたら会場が整う。
コートニー君は皆の前で、
「私と、ここにいるアルド先生は、同じ辺境の村の出身でありますが、四歳も歳が下なのにも関わらず、算術の極意を授けてくれた学神様の使わした使徒のような方です。」
〈いやいや、コートニー君
商神様の慰謝料で転生した、
現在主神様の使徒なのよね。
ややこしいでしょ。〉
「ですが、皆様。
だからこそ!
私は、全力でこの算術勝負に挑みます。
手は抜かずに、先生に成長した姿を見ていただきたいと考えております。」
と、宣言する。
油田顔は「聞いてない!」と言いたげなアホ面をしている。
んで、今に至る…
〈ん?算術勝負?〉
やりましたよ、一桁の掛け算と、二桁割る一桁の割り算。
と、云うか
九九…
負ける訳がない。
で、大臣は約束通りに田舎に引っ越し、
若い副大臣が繰り上げ大臣に…
あのあと一週間自由行動となり、
今、改めて、謁見と云うか…
お茶会に参加している。
王様と、王様パパに
俺が転生者で在ることや、
主神様の罠で使徒をやっていること、
屑ポーションからフルポーションが作れて薬用溶媒液が副産物で出来ることなど、
洗いざらい報告して、仲間なってもらった。
それと、あの算術勝負の茶番劇は、
前の文部大臣が裏で色々やってて厄介だったから、
一旦隠居をしてもらう為の企てらしい。
油田顔も勉強熱心でがんばり屋だが、権力を握ってからおかしくなったらしい。
爵位を落とされて、どこかの田舎から再スタートさせられるんだって、
〈怖いね権力に呑まれるって…〉
新しくなった文部大臣さんは、スキル研究が専門の学者さんで、濾過のスキルのを見せたら、
とある昔話をしてくれた。
それは、何百年も前に今は滅んだ国の昔話だった。
昔々、濾過スキルの保持者が居たんだって、お茶をいれるのが上手で、その腕前だけで、城の下働きから男爵に迄のぼり詰めた。
しかし爵位を持つ者は、いざとなれば戦争へ行かねばならない。
彼は、戦場にたどり着く前の道端で、落馬して死亡した。
と、いう「運良く平民が出世しても貴族程ではない。」
みたいな笑い話としてである。
俺の濾過スキルの前任者も運がないようだな。
試しに美味しいお茶を濾過スキルでいれたら、
王様が、
「美味しい!」
と絶賛!
「男爵欲しい?」
と、聞くから、
「馬に乗れないから止めときます。」
と、断っておいた。
和やかなムードのお茶会も終わり、
真面目な話がすすんだ。
どうやら暇をもて余した王様パパが全面的に協力してくれて、
王都から数日の城塞を丸ごと使って、
俺の思う物を作るための工房がある街を整備し、
シルフィー商会協力のもと、
揺れない馬車をはじめ他国に無い商品を生み出し販売を行う商会や、
ポーション濃縮も、表向きは、クズポーションを回収して、薬用溶媒液に再生するリサイクル工場として機能させる。
そして、新・文部大臣の選抜した人員に九九と筆算を教えて、学術のレベルを底あげをし、科学者や、技術者の質と数を確保する。
そんな!一大技術都市として発展を目指す街を王様パパが隠居先に決定、
そして自動的に俺の修行場所もそこに決定した。
異世界に技術革命をおこしちゃう?
コートニー君がノリノリだけど、
君は、カイル陛下の家庭教師でしょ?…
ー 数日後 ー
と、言うことで、
〈やって来ました新しい街。〉
と言って…良いのか?…
ここは、コーバの砦 と言う軍事施設で、
近くの 強い魔物の住む森から王都や街道を守る為に、騎士団が常駐している。
壁と、砦、それに、練習場に使っていただだっ広い平地があるだけのなにもない所だ…
ここ、コーバが 前王様、ジーク・フォン・ミスティ 様の隠居の地として息子の カイル 国王陛下 から与えられた土地であると公表された。
ここに新たな街を作るらしい…
俺は、土魔法はあるが、街を作れる魔法はつかえないよ。
建物バーンとかでてこないよ。
とか、冗談言っていたら、
ジーク様が、
「力があり余ってる騎士団が千人単位でいるし
国中の私の知り合いの隠居仲間が大工や技術者や学者を引き連れて集まる予定だ。
人さえいれば国は回るっ!ふおっふおっふお」
だって。
確かにあっという間だった、国を揚げての大事業で、砦の周りに屋敷と施設をたてるにしても、
人と物の集まり方が異常だ…
各地からキャラバン隊がワラワラと、大工集団と建築材料、料理人と食材…
土木工事のプロ集団に土魔法使い集団
等々、
その原因が、今、俺を膝枕しながら頭を撫でてくれている。
シルフィー師匠だ。
ジャックさんから、
俺が面白い事になったと、報告を受けると、
「あとヨロシク」
と村から駆けつけてくれて、
各地の商会に…
「皆ぁヤルよぉ!!集合ぉぅぅぅぅ!」
と、手紙を書けば、こうなっている…
街も発展、
シルフィー師匠もイキイキ!
俺も幸せ!
なんて幸せな世界…
この幸せを壊すヤツがいる。
コートニー君だ!
「先生、授業のお時間です。」
と…
〈もう、まだ師匠が、ナデナデしてるぅ最中でしょうがぁ!〉
俺は、この街が出来て動き出すまで、
前世の知識を一部の信頼できる人間にのみ垂れ流す事にした。
その一環でコートニー君達に九九を教えて四則演算の技術向上を目指している。
そして、面積の求め方等も教えて都市建設に使えないかな?とついでに覚えてもらう予定だ。
鍛冶工房の親方には、板バネやスプリングを教えて馬車の改造案を提示し試行錯誤してもらっている
時間が足りない、シルフィー師匠に会いに行く時間が削られる…
俺は、俺で、週に3日はレベル上げに森へ入っている。
益々時間が…。
あっ忘れてた。
修行のお供に元禿げのマルゲルさんが付いてきた。
ギルドはタイラーさんに任せたんだって…
なら安心だ。
「身体が治ったから、じっとしていられるか!」
だとよ。
可愛そうなのはブライトネル騎士団のエドさん。
俺の警護とブライトネル様との連絡役で残されてしまった様だ。
〈なんか、ごめんよ…〉
そんな二人と一緒にレベルアップとスキルを生やす事に時間をさいている。
王都で買ったスキル図鑑にスキルの生やしかたやレベルアップの目安が載っていたが、
レベル5 (MAX) にするには使用者のレベルが必要レベル以上いると書いてあった。
現在、鑑定MAXの必要レベルの50を目指して、
罠にかかった魔物に向けて未習得武器でシバいてスキルを生やして、レベルも上げよう大作戦を頑張っている。
マルゲルさんもエドさんも、
ウェポンスキルの技が、他の武器を装備中も使えることを知らなかった。
実験の結果、持ち変えた武器もウェポンスキル等ががないと、発動しないのと、系統が違うと発動しない。
俺が 薪割り撃 を剣で撃てるが、大剣や槍では技が出せない。
撃つには、大剣や槍のウェポンスキルを生やさなければならない。
あと、弓のスキル 狙い撃ち をナイフで出すには切り付けでは発動しないが、投げナイフとして使えば発動する。
きる、放つ、叩く、突くに分けられが、技によっては固有の物もあるから実験が必要だな…
そんなわけで、現在俺は、槍
マルゲルさんは斧
エドさんはナイフ
で、くくり罠にかかった再生力の高い、おおきなトカゲを獲物にしている
初めは、このコーバの砦の騎士団長が一緒に来てたけど、リジェネリザードをカモにしだしたころから来たがらなくなった。
リザードマンの団長にはキツかったかな?
精神的に…
全く山籠りではないが、山籠り修行は順調に進んでいる。
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