第26話 ワーカーホリックな謹慎

ギルドの宿屋で、絶賛謹慎中のアルドです。


〈あー忙しい〉


謹慎も一週間が過ぎて、


朝はお茶屋さん、

昼に食事がてら創薬ギルドに各種クズポーションを買い占めに、


あのあと勉強して解ったのだが、


キュアポーションは、薬効成分を引き出すのが難しく

マジックポーションは、込める魔力が馬鹿多いだけで、

ライフポーションと造りは同じだった。


造りが同じならやることが一緒で濾過ポイで、

あつめて、合体ポーションが作れる


キュアポーションは勿論のこと、病気も治す 万能薬も出来た。

マジックポーションとハイマジックポーションが出来たが、一度ハイマジックポーションは魔力不足で、失敗してまった。


気絶から回復してから、やり直し、完成はしたが、寝てしまった。


気絶した2日お茶屋さんを休み冒険者からクレームが入ったが、


「新しい配合を…探してたんだ。」


と、言ったら納得してくれた。


〈何か早急に新しいお茶を考えねば…。〉



さて、言った手前新しい茶葉を探しに出る。


店屋を廻り新しい茶葉を買い付け、

調味料も沢山買った。


金物屋でヤカンや鍋を物色していたら、

銅製の密閉容器(小さな茶筒みたい)があった。

そこで、ピントきた。


茶筒を20

と、この筒に入る小さいプーンを購入する


この作戦に必要なのはバケツだか、買ったそばから薬用溶媒液入れに変わっていく、まとめてポーションを濃くしてるから溶媒ばかり余っている。


凄く邪魔だか捨てるのは、もったいない…


なので、創薬ギルドに相談にいく。


前回の職員のお姉さんがいたので、


「あのー、お姉さんに、相談が在りまして。」


と、話しかけると、


笑顔のお姉さんが、


「熊殺し君、お姉さんって、知らない仲では無いんだから、アリアスって、名前で呼んでほしいなぁ。」


お姉さん、改めアリアスさんが言った。


「では、こちらも 熊殺し じゃなくて、アルドでお願いします。」


と、交換条件を出してみる。


「了解したわ、アルド君」


と言って、俺も、


「ヨロシクお願いします。アリアスさん」


と、握手を交わし本題へ、


「実は、沢山の在庫を抱えていまして、」


と、切り出し俺は、アイテムボックスからバケツを一つカウンターに出す。


「確認します」


と言い、スポイトで数滴、試験管に何かの試薬と入れて少し振る。


紫に変わるとアリアスさんは驚く。


「これ、薬用溶媒液よね…ぜんぶ」


「はい、そうでして、」


なんか、ヤバい雰囲気がする。


もしもの時の言い訳を考えていたら、


「買うわ! ぜんぶ買う!」


と興奮するアリアスさん。


〈えっ?〉と驚く俺に、


「天候不順で数が少ない上に、少し前に降りた神託で、魔王軍との戦争が予想されるために、薬用溶媒液をつくる薬草が品薄なのお願いします。」


と、説明してくれた。


〈ヤバい何かのイベントフラグだ!〉


と焦る俺は、


「別に良いからアリアスさんに任せるから、そのバケツは好きにして、それじゃあ」


と、逃げようとする俺、


〈面倒ごとの匂いがする〉


しかし、


「待って、急に逃げようとして…なんか隠してるでしょ?


あっちで聞きます。


ギルマス!少しお時間いただけますか?ギルマスぅぅぅ!」


と、俺を掴まえながら、大声で創薬ギルドマスターをよぶ、


〈止めてくれ、何処かの新喜劇風に新しいキャストを呼ぶのは…〉


うんざりしていると、


「なんだい騒々しい。」


〈ほら、ほら、イケメンのエルフっぽい人が出てきたゾ!〉


そして、イケメンは俺を見るなりハッとする。


「君は!


アリアスさん、応接室にお通しして下さい、それとお茶をたのみます。」


返事をして動き出すアリアスさん


〈ほらほら、話が進んでるよ…帰りたい〉


俺は、


「あの~」


と切り出して、なんとか切り抜けようとしたその時、


「アルド君だね。お父さんは元気かい?」


とイケメンがいう…


〈ん?…状況が変わった。話をきこう。〉


となり、俺は、大人しく応接室に移動し

フカフカのソファーに促されるままに座った。


イケメンは、


「アサダの町の創薬ギルドのマスターをしているヤザムです。宜しくお願いします…使徒様。」


と…一瞬身構えるが、町の各ギルマスにはばれているのを思い出し…


観念して、


「ヤザムさんですね。アルドです。

使徒でなく出来ればアルドとお呼びください。」


使徒と呼ばれ不機嫌になるが、丁寧に挨拶をする。


「はっはっは、見た目は違うが、怒った時に丁寧な口調になるところは先生に似ておられる。」


と、笑ってるイケメン…


〈はいぃ?〉


と首を傾げていると、


「わたしは、先生と同じエルフの王国出身で、族長どもの嫌がらせに怒りを覚えてね…


先生と奥様に移住を勧めたのは私です。」


と、教えてくれた。


〈あっ味方だった。〉


その時、ノックが聞こえアリアスさんがお茶を持ってきた。


お茶を配るアリアスさんにヤザムさんは、


「アリアスくん、彼は私の先生の息子さんなんだよ。


少し二人で話したいからいいかな?」


と、アリアスさんをやんわり追い出す。


椅子に座りお茶をのみなが、ヤザムさんは、


「領主さまから聞いてはいたが、

初めて聞いた時はビックリしたよ。


君の行動はチェックしてたよ、薬草の納入が町一番だったり、レッドベアーをソロで倒したりと…


最近はクズポーションを集めているところまでは把握しているが、今日は、品薄な薬用溶媒液をバケツいっぱい持ってきたとか?


教えてくれるかなコレのこと。」


と、笑顔で薬用溶媒液バケツを目の前に〈ドン〉と置かれた


〈じ、尋問だ!〉


トネルお兄さんの仲間だし、パパさんの生徒らしいから、


〈もう自供しよう。〉


と、観念して、


「あのー、怒りません?」


と聞く俺


「怒られることしてるの?」


心配そうなヤザムさん…


「全部いいますね。」


と、俺は洗いざらい告白した。


使徒になり強くならなければ駄目なこと、


変なスキルが使えること、


そのスキルで、クズポーションを濃く出来ること…


薬用溶媒液がアイテムボックスにあとバケツ4つ分あることもついでに白状して、


最後に作ったポーションの全てを並べた。


全て聞いたうえで、ヤザムさんは、


「謹慎中だよね?創薬ギルド職員よりハードだよ!!


そんなところは、先生に似ては駄目です。


今度から、薬の調合は私の指導のもと安全に行います。


領主様からもくれぐれもと云われていますので、冒険者ギルドのマルゲルさんみたいに成りたくないですから!」


とファルムさんに叱られた。


お茶を飲み干し、シュンとなった俺に、


「フルポーションと万能薬を一本づつ、聖金貨2枚で譲っていただけませんか?」


と聞いてくるファルムさんに俺は、


「構いませんが、どうするんです?」


と、何気無く聞いた。


すると、


「国王陛下に献上します。

果ての村からの献上品とすれば、友好的な領土として

いざと言うときにブライトネル様も力を貸しやすいでしょうから。


それと薬用溶媒液は全て買い取らせていただきます。

大金貨一枚でいかがですか?」


と、提案された…


その話を聞いて俺は、


「ポーションの代金は要りません。村からの献上品としてください。


あと、薬用溶媒液は上げますから、低級の一部とクズのポーションを全部まわして下さい。


それで十分です。」


と、告げると


驚くヤザムさまに、俺は、


「薬用溶媒液は、クズポーション濃縮した時の副産物ですから、交換で良いです。

謹慎中の期間限定ですけどね。」


と提案すると、


ガタリ!と立ち上がり、


「本当にいいのか!?」


と聞くヤザムさんに、


頷いてはみたものの…。



はぁ、


働く予定ばかり立っていく…

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