第10話 平和な日々に突然のアイツ

皆様こんにちは、アルドです。

時の経つのは早いもので、6歳になりました。


勉強はバッチリ出来て、ミスティル文字もすらすらです。

あと、こちらの算数のレベルは恐ろしく低いです。

九九が有りません


掛け算は足し算、 割り算は引き算で行う


例えば 8×5は、8を5回足して 40


20÷4は、20から4が引ける回数は 5


となる。


平仮名みたいな文字しか使わないし

足し算と引き算だけって


〈この世界はお子様用なのかもしれない。〉

商神の婆さんは駄菓子屋みたいだったし…



因みに、フリューゲル様が云うには、

高等学校の卒業試験でも、あと、地理と歴史がパスできれば、

国語(高等学校では貴族など目上の人物に話す為の言葉使いや礼法が含まれる)も、

数学(ほぼ算数)も、問題なく合格できるレベルとのこと。


実は内緒で、コートニー君に筆算のやり方を伝授してみたら現在辺境伯の領都から王都のエリート学校に引き抜かれたそうだ。


〈九九を教えなくて良かった…騒ぎになっちゃう。〉


しかも、コートニー君は持ち前の勉強熱心も相まって、数学で自信を手に入れ他の教科もメキメキと伸び、王都のエリート学校の卒業も間近だと手紙がきた。


『親愛なるアルド先生へ』


と書いた封筒で…


コートニー君より年下なのだが…俺…


まぁ、そんなこんなで勉強は大丈夫だ。


もう6歳だし、家の手伝いをしなくっちゃね。


でも、シルフィー師匠の所には定期的に通っている。


〈師匠成分〉が足りなくなり補充に行きがてら、スキルや魔法それと商売について教えてもらっている。


前世の知識で楽して儲からないかな?とか考えているが、もともと博識でない俺が、無い知恵をひねった所で良いアイデアがポンポン出るわけではない…


師匠からも

「良いアイデアがあれば、協力するから一緒にガッポリ儲けましょうね。」


と、言われているので何とか師匠に恩返しをしたいと考えている。


師匠からは、


「スキルを育てるのも大事だけど、新たに手に入れるのも大事よ。」


とアドバイスを頂き、

絶賛〈スキル生やそうぜ大作戦〉の真っ最中である。


そういえば、土下座猫も言っていた


「剣をふれば、剣術スキルが生える…」と、


しかし、我が家に有るのはママさんのゴツい斧とパパさんの杖、斧は重くて駄目だし、杖は魔法がなにも使えない俺には無用である…


剣又はナイフかな?と思い、

家の中をを探しまわり、やっとキッチンの包丁を見つける。


〈小型の刃物だしイケるかな?〉


と、云うことで、


現在空き時間を見つけて振り続けること二週間。


〈ピロリン〉


と、お知らせがあり、


「何かお知らせがきた!」


と、喜びながら、急いでキッチンに包丁を戻し、テーブルに座り、ワクワクしながら。


「ステータスカード。」


と唱えると、いつものカードが出てくる。


ドキドキしながら確認!



アルド 6歳


アルフとルルドの子供

勇者の協力者


レベル 1


HP : 30 / 30

MP : 131 / 120(+12)


固さ : 25

魔力 : 38

腕力 : 24

速さ : 13

運気 : 2


スキル

濾過 LV 1

鑑定 LV 3

アイテムボックス LV 2

料理 LV 1


加護

運気向上(レベルアップ時の運気上昇値にプラス補正)



うん…


増えてるねぇ、スキル…〈料理〉が…


〈アハハハハっ

うん、増えるのが判ったから、成功だ

そうだ成功なんだ…


二週間をかえせっ!〉


とダイニングで項垂れる…


因みに、各種ステータスが上がっているのは、体の成長分のプラス補正らしい。


ただ、MPだけは、師匠からの、


「毎日ちゃんと使って寝ると筋肉みたいにMPもムッキムキになるのよ。」


の教えを守った賜物だ。


MPのプラス補正は師匠からの愛が詰まった、神木の種の首飾りの効果で、

スキルレベルが上がっているのは頑張って使ったからである


あと、本人のレベルが上がってないのは…

〈6歳児が魔物殺れますか?〉

村の中にも稀に虫魔物が飛んでくるけど、俺は虫がチョコッと駄目なタイプのアレなのと、そんなヤツはママさんの斧で一発だから、俺の出る幕ナッシングなのよ…


せめて武器スキルをと試した結果が料理スキル…


何かクッキングしようかな?…


あぁ、そうだ濾過スキルを使ってみた。

魔力に応じて濾過出来る〈膜〉を作る(金魚すくいのポイ型)


魔力1で、直径10センチ程度のポイを作り約10分維持


追加で魔力を直径に振れば10センチづつ大きく


追加で魔力を維持に振れば10分づつ長く


なので現在魔力38で、MP132なので、

一回に使える魔力が38だから、


最長で、

10センチの濾過ポイを380分だから6時間20分出すか、


最大で

380センチだから3メートル80センチのヤツを10分か


になる

それを三回繰り返したら114の魔力を使い

ラストの魔力18残る


因みにこの数値ならかなりお眠だ、ベットに入って魔法やスキルを使うと朝までグッスリとなる


寝床で 水生成 や 着火 は駄目だし、ライトは使えるが、眩しくて安眠出来なかったらいやだ、


アイテムボックスに出し入れは一回魔力3を必要とするので、出し入れを6回で夢の中と言うか気絶する。


濾過ポイの性能だか、〈泥水〉を桶にすくっておき、


濾過ポイを作成時に濾しとる〈対象を一つ指定〉出来るので〈土 〉を指定、


濾過ポイを通すとあら不思議、ポイの上にさらさらの〈土〉が残り、


下に受けた桶には〈透明な水〉が残る。


念のため鑑定でみたら


ピロリン

「不潔な水」


「見た目は綺麗だか細菌多数」


「煮沸しないと下痢をする」


と出る…使えるのかすら謎だ…


そう、鑑定さんはレベルが上がり少し賢く成ってくれたのだ!

(勿論全部ミスティル仮名だが脳内変換している。)


運気は…

そっとしておいてほしい、アルドからのお願い。


〈レベル〉が上がらなきゃ加護の恩恵がないのよぉ


爺さん神よ…あなたの慰謝料は威力を発揮していませんよ…



などと、料理スキルを生やして、

ダイニングのテーブルで、ガックリしていたら、


玄関をノックする音がする。


パパさんは、絶賛〈ゴリゴリ〉何かを磨り潰しているから聞こえない、


ママさんは裏庭の井戸で〈 ジャバジャバ〉と洗濯の真っ最中で、


〈俺が出るしかないな…〉という事で、


「はーい、どちら様ですか?」


扉を開けながら問い掛ける。


すると、


「お届け物ですニャ。」


と、聞こえ、

玄関扉の外にクロネコさんが…


いや、あの時の〈土下座猫〉が立っていた!


飛脚の手紙箱を担いで…。


〈クロネコか飛脚かどっちらかにしろよ…〉


と、心の中でツッコミを入れる俺だが、


色んな意味でヤヤコシイ状況に成っている。


どうしよう…

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