1-7. 夜

暫くして、合計100人を殺したくらいで日暮れの時が来た。

――――――――――――――――――――

名前:

種族:人族Lv.14 → 19


HP:646/646 → 876

MP:478/478 → 660

物攻:147 → 207

魔攻:134 → 194

物防:113 → 158

体力:105 → 144

魔防:105 → 136

敏捷:132 → 182


スキル

殺奪 体術Lv.3 HP自動回復Lv.1 奇襲Lv.4

平民Lv.3 下民Lv.4 夜目Lv.4 ゴミ漁りLv.4

寝溜めLv.1 気配隠しLv.1 無臭Lv.1 無音Lv.1

――――――――――――――――――――


同じ環境で生きている以上スキルの被りは多く、スキル数はそこまで増えなかった。


が、力はついたように感じる。


「そろそろいいか。」


今まで殺してしたのは明らかな格下ばかり。

このまま雑魚狩りを続けても、種族レベルが20になるのはだいぶ先だろう。


そろそろ因縁ある”毒蛇”を含む、殺人を主とした徒党と戦うことを視野に入れてもいい頃だ。


どのグループも拠点を隠していないから、位置は把握している。

今までは避けるべき恐怖の対象として。

今はどうしても殺したい餌の対象として。


殺した100人の死体を放置するしかない以上、時間はかけるほど向こうの警戒も高まる。


レベルアップし続けたお陰で身体も軽い。

決行は今夜でいいだろう。


それまでは、死体からかき集めた飯や金で腹ごしらえでもするか。









決行の深夜。

5つある徒党のうちの1つ”アメンボ”の拠点近くに黒髪はいた。


狙う理由は2つで

他と比べて2番目に規模が小さいこと、

単独行動をするメンバーが多いこと、

が挙げられる。


地力レベルが高い者はスキルも強い上、徒党に加入しているとそれぞれが役割を持つようになる。


これまでと違い複数人を相手にすると、”連携”という意味で厄介だと感じたので”アメンボ”特有の個人行動は望むところだった。


まあ、地力が高くなければそうそう単独行動なんてできないのだが。


そして息を殺してチャンスを伺っていると、コツコツと足音が聞こえた。


「あー、くそ! ありゃ絶対イカサマだろ!」


賭け事にでも負けたのか苛立っていて、こちらに気がつく様子はない。

解析をする。


――――――――――――――――――――

名前:アッラ

種族:人族Lv.12


HP:282/282

MP:140/140

物攻:75

魔攻:43

物防:63

体力:51

魔防:27

敏捷:35


スキル

剣術Lv.2 下民Lv.3 夜目Lv.2 直感Lv.1

――――――――――――――――――――


やはりただの住民とは違う。

が、一対一なら負けようがない。


男と拠点に多少の距離が開いたところで、仕掛ける。


「むっ!?」


スキル『直感』の恩恵か、攻撃範囲内に入る前に気取られた。

しかしその目からは「なんだガキか」と警戒を解いた空気が感じられた。


好都合。


剣を持ってない剣士相手に恐れるものはない。


突っ込んできた黒髪の速度に男は目を見開いたが、もう遅い。


綺麗に鳩尾に入った右拳は骨を砕き内臓を破裂させる。


「……ゴバっ!!?」


前のめりに倒れかけたところを顔面に膝蹴り。

追撃として、頭を掴んで二度、三度と壁にぶつけていく。

急速に減少していったHPは、すぐに0になった。


スキルが流れ込んでくるのを感じながら、死体を放り捨てる。そして。


「行けそうだな。」


黒髪はに従って、”アメンボ”拠点内に侵入することにしたのだった。

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