第10話

おれ達はドアにへばりついて泣きながら訴えた。

「たすけてくれ!社会的に死んじまう!」

「おれもです!」

だめよ。女性がいう。

どうして?

だしてるはずなのに!


「……波があるのよ。きたりもどったり」

だからトイレから出られない。


そんなオレたちもトイレしたい!

お花摘みにいかせてくださいっ


高校生と、親友は漏れ出した。二人で。一両目の、お手洗い付き車両の、そのトイレの前で。


二人で思う。あれだけ我慢して、耐えてきたのにな。うん。さよならだ。終わりたくない。終わった。


果たして、勝ち残ったのは。

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