第4話じいちゃん、ばあちゃん

じいちゃんは僕が中学二年で修学旅行前日に死んだ。

小学生時代は病院で遊んだ思い出しかない。

じいちゃんが入退院を繰り返したからだ。

中学生の頃は、じいちゃんを在宅介護していたので、お風呂介助やオムツ交換を手伝った。

手のかかる、じいちゃんだった。中学生二年生の頃は、施設に入居した。

お見舞いにいったら、

「お前様は、誰ですか?」

と言われた。認知症も進んでいた。それから間も無く、逝った。84歳だった。

霊柩車に乗ったが涙が出た。

ばあちゃんは亡くなるまで認知症もせず、生きた。ばあちゃん家に行くと、必ずラーメンの出前を頼んでくれた。

90まで畑仕事をしていた。

ばあちゃんにはお世話になった。行くたんびに、お小遣いをくれるから、僕は断っていた。父方のばあちゃんは、父が中学生の頃に亡くなっているので、母方のばあちゃんだけが、唯一のばあちゃんだった。そのばあちゃんも、98歳で亡くなる。

葬式は賑やかだった。内親族だけ集まり、ばあちゃんの歳の数まで焼酎を飲むことになった。翌朝の葬式はみんな、酒くさかった。

出棺の時、みんな泣いた。

果たして、僕が死んだ時に泣いてくれる人は何人いるだろうか?

葬式の時に、その人の人徳が分かる。

僕には人徳が無い。

恩返ししたい人ばかり。僕は迷惑しか掛けていないのだから。

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