第31話 大物揃い

自分が二人を連れてきたとはいえ、

ネオは少々不安だった。


想像していた以上に大物しかいない。


(あれって......ZIGEN?)


ZIGEN 登録者数 68万人 同接 9000人


日本で最も有名なプロゲーマーである

JPメンバーの一人。

gpexというfpsで世界チャンピオンになり、

一躍有名になったプロゲーマー。


(嘘!? ミルミル!? 本物!?)


ミルミル 登録者数 120万人 同接 3000人


歌い手から正式に歌手としてデビューし、

今ではアニソンも担当している

売れっ子歌手。


(や、やばい......シャイニングの人も

何人かいるじゃない......)


ネオは彼らの視界に入らないように

ゆっくりと後退る。


(他にも有名な事務所のVtuberが

何人かいるわね。

あれはたしかゲムプロ?)


ゲムプロ


主にゲームに優れた女性たちが

所属するVtuber事務所。

jpとの絡みがよくあり、

ゲーム好きなリスナーが多い。


(そしてあれは最近勢いのある

アニファンか.....しっかりと

主力の紺々キツナと黒猫クロネがいるわね)


紺々キツナ 登録者数 75600人 同接 3000


黒猫クロネ 登録者数 89000人 同接 3100


他の配信者たちも驚いたら

切りがないほどの大物ばかり。


(その中でも最も注目すべきは彼よね......)


プレデター 登録者数 100万人 同接 30000


10年前、世界で流行したバトル・ロワイアルのゲームで知られるcubg。

そのゲームで日本代表として

世界の頂点に君臨した伝説のfpsゲーマー。

今はプロゲーマを引退してストリーマーとして活躍しているが、その人気が衰えることはなく、そのずば抜けたゲームセンスと面白いリアクションから今では配信者の頂点として君臨している。


彼と肩を並べられるほどの同接数を誇る

配信者はほとんどいない。


彼に嫌われでもしたら、配信者としての

人生が終わる。

それほどまでに影響力のある配信者なのだ。


(気を付けなさいよ......二人とも)


────────────────────


運営からのルール説明は以下の通りだった。


1. これからの五日間でプレイヤーは

コインを集める。

コインを集めるためには、モンスターを討伐。クエストをクリア。マップ上の宝箱を開ける。物やアイテムを分解する。ギャンブル。コインを持っているプレイヤーから奪うなどがある。


2. プレイヤーキルは可能。他のプレイヤーの拠点を攻撃するのも可。


3. 他の配信者の動向を裏で

見れないように、配信には三分の

遅延を入れて、鳩防止のため

コメント欄は見ないようにする。


4. プレイヤーは最大5人の

パーティーを組める。


5. 最終的に所持していたコインの数に

よってプレイヤーの順位を確定する。

なお、パーティーに所属している者は、

パーティー全員の所持数が判定対象となる。

故に、プレイヤーはソロでやるよりも、

パーティーを組んだ方が有利である。


6. 順位に応じて運営から報酬あり。


ちなみに、一位は500万円

(※パーティーでランクイン

した場合は山分け)


他にも高性能ゲーミングpcや

焼き肉一年分などなど。


────────────────────


「500万!?

こんなの一位取るしかないじゃん!!!」


「ちょっとうるさいわよ狼」


「でも、学生にとって500万円は

大金よね~」


開会式が終わった俺たちは、

騒がしかった集会所を離れた。

他の配信者たちもそれぞれ自由に

散っている。


「まじでやる気出てきた!

絶対俺たちで一位になりましょ!

とりあえず、パーティーを」


「組まないわよ」


「え?」


ネオさんからの予想外の反応に

俺は立ち止まった。


「えー私はオー君とネオンちゃんと

パーティーになりたーい」


「マリアまで何を言ってるの!

いい!? ここには賞金を取りに来た配信者なんていないの! このイベントは普段は絡むことがない分野の配信者を集めて交流してもらうのが目的なの。そうすることによって、お互いの登録者数も増える!

だから、こんな絶好の機会に

同じ事務所の人達と絡むなんて

勿体ないわ! 二人はこの五日間で

色んな人と交流して人脈を広げて。

だから、パーティーは組まない」


「う、嘘だろ......俺ネオさんとマリアさんがいなかったら、絶対ぼっちになる......」


「貴方ね......我輩は貴方の

ママじゃないのよ。

そこは自分でどうにかしなさい」


「......はい」


「不安だったらいつでもデスコで

チャットしていいよー?」


「マリア。このゲームに

ログイン中はデスコ禁止よ」


「じゃあここでオー君と

ネオンちゃんとは話せなくなっちゃうのね」


「そうね。レベルを上げればゲーム上で

電話がクラフトできるから、

それまでは話せないかも」


「ま、まじか......」


やばい。絶望的すぎるんだが。


「まぁ大丈夫よ。

ここにいる人たちは皆

コミュ力ある人ばかりだから。

きっと狼にも絡める相手がいるわ」


ネオさんから励まされるなんて

珍しいこともあるものだ。

そんなに今の俺は落ち込んで

見えたのだろうか。


「まぁ確かに......折角の機会ですもんね。

俺も頑張ってみます」


「その意気よ」


「私これ終わったらまた皆で集まって

お疲れ様会したいな」


「ええ、分かったわ」


「了解です。

あ、てか500万は俺が狙うので、

コイン持ってら殺しに行きますから」


「オー君こわーい」


「だから、賞金目当てなのは

貴方ぐらいよ......じゃあ、

我輩はこのまま街を抜けて西に

行ってみるわ」


「それなら、私は南に行ってみようかしら」


「俺は北で。

それじゃあ二人とも健闘を祈ります」


「ええ、狼とマリアもね」


「二人ともバイバイ」



────────────────────

ここまで読んでくださり、

ありがとうございます!


作者のモチベーションに繋がりますので、

面白いと思ってくれた方は、

是非とも【レビュー】【スター】【いいね】

の方をよろしくお願いします。



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