第11話 とんでもない大物
オオカミン 登録者 26804人 同接 2000前後
俺がバズってから二週間ほど経ち、
うなぎ登りだった俺の登録者数も
落ち着きを取り戻していた。
ピコン
トイッターにDMが入る。
また誰からかのコラボの誘いだろうか?
クロネのようにコラボの誘いをしてくるVtuberはあれからちらほらあった。
けど、さすがに毎日コラボをしては
自分のファンを付けることもできないので、
今は全てお断りしている。
今回もコラボの誘いを断ろうかと
DMの画面を開いたときだった。
それはコラボの誘いではなかった。
「ブイライブ公式?」
聞いたこともない会社だ。
どれどれ......?
『オオカミンさまへ
初めましてオオカミンさん。
私、ブイライブで採用担当を行っている
畠山と申します』
俺は直ぐ様、ブイライブという
企業の名前を調べた。
なるほど......
どうやら最近設立した新規Vtuberグループ
らしい。
ネットで大々的に
「ブイライブ!一期生募集中! 貴方も
Vtuberデビューをしてみませんか?」
と募集している。
『今現在、私たちが運営している
ブイライブはVtuberを募集しております。
そこで、個人勢で実力のある
オオカミン様にスカウトのメールを
お送りした次第です。
ブイライブの詳細については
こちらのURLから公式ホームページへと
移動できます。
少しでもブイライブへの
興味がありましたら、気軽にこちらのDMに返信をお願いいたします。
それでは、ブイライブ一同、
オオカミン様からお返事を
お待ちしております』
す、す、すげぇ......まじのスカウトじゃん!
公式ホームページを確認しても、
これが嘘の情報とは思えない。
どうやらブイライブは一期生の
選考中のようだ。
昔、企業Vtuberになれば登録者も伸びるだろうと、そんな軽い気持ちで調べたことはある。
だが、レインボーなどの超大手企業の倍率は2000倍と知り、即諦めた。
まさか、Vtuberの企業からスカウトが来るなんて......
新しい企業のようだし、
レインボーと比べたら倍率は低いだろうが、
今はVtuberが何万人もいる時代。
企業に所属できるだけで凄いことだ。
Vtuberの人気は世界的ですものね。
乗るしかないだろ。このビックウエーブに。
『ブイライブさまへ
DMありがとうございます!
スカウトをいただきとても嬉しいです。
是非とも御社のブイライブグループに
所属したいです。
よろしくお願いします』
────────────────────
「よっし!」
「どうしたんです? 畠山さん」
新人はアフロの先輩社員にそう訊ねた。
「オオカミンさんから返事来たんだよ。
スカウト受けてくれるって」
「おお!
オオカミンさんって最近急に
伸びたVtuberですよね。
あの星宮リナとのコラボがきっかけで」
「そうだ。大抵は大物とコラボしても
そのあとは同接が落ちていくんだが、
このオオカミンさんは未だに
同接2000人を越えてる。
個人勢でこれは異常だ。
間違いなく才能がある。
即戦力になるな」
「いいですね~
やっぱり一人でも知名度のある
Vtuberがいてくれると企業側の
知名度も上がりますものね」
「ああ。まぁもしかしたら同期になる人たちにはプレッシャーになるかもだがな」
「でも、なんかこれ噂で聞いたんですけど、とんでもない人がうちに応募してきたって
話ですよ。畠山さん知りませんか?」
「え? そうなのか? 書類選考は他の人がやってるからな。まぁでも、スカウトの
一枠がようやく埋まったし、
俺もそっちにいけるわ」
一週間後、畠山は面接官であるにも
関わらず緊張していた。
「え、えっと、霧島ほのかさんでしたね。
まずは自己紹介をお願いできますか?」
スーツ姿の彼女は堂々と立ち上がる。
「はい。霧島ほのかです。
Vtuber経験は5年あり、
以前はVtuberグループの
シャイニングに所属していました。
本日はよろしくお願い致します」
堂々と言ってのけた彼女の
真っ直ぐな視線に、畠山は
脂汗をかいていた。
────────────────────
ここまで読んでくださり、
ありがとうございます!
作者のモチベーションに繋がりますので、
面白いと思ってくれた方は、
是非とも【レビュー】【スター】【いいね】
の方をよろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます