新しい日常と共に
我々の意志など知る由もなく、忙しない日常は刻々と変容していく。大学生になり乗り慣れない電車からぼけーと眺めていた目新しい桜は既に葉を彩り、それが先日まで桃色を散らしていたことさえも追想できずにいる。共に電車に乗る人々はどう抱いているのだろうか。ありふれた光景であり特段偲ぶことなんてないのか、それとも俺みたいに色彩の移り変わりを体全体に受けているのか。はたまた、それに歓を尽くす面持ちなのか。他人の心を推し量った末に出る結論などなく、それがまた人間らしいという言葉で片付けられるが、興味を覚えずにはいられない。
新生活ということで、停滞していた環境が急激に加速する様に酔いながらもなんとか適応しようとする。その労力は計り知れず、疲労が毎日ドドドと積み重なる音がする。しかも人間関係を新しく構築しても、すぐにトラブルに発展しやすいのだから頭が痛い。それはこの数ヶ月という短期間で何度も経験しているので頭が痛いを通り越して頭がへこんでしまいそうだ。そして新生活なのは何も自分だけではなく、相手も同じ条件であることを忘れてしまいそうになる。相手も同様にへこんでいるのだと思うと少し気が楽になる。へこみ同盟、誰か組もう。
日常と新生活、それに目眩を覚えながらも突き進んでいく我々。逞しく生き続ける様相は、1滴くらい甘いシロップのお世話になっていいのではないだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます