男 異世界にできた可愛い妹③
春人は勢いよく突進してくるホグワイルドの力を利用し、待ち構えると鼻にアレオパゴスの
「おっと。いででっ。」
「っ! お兄ちゃん。言い忘れてたの。武器にオドを込めないと攻撃しても倒せないなの。」
「オドって何だよ?」
「体内のマナみたいなものなの。武器は体内のオドを流し込む事で強化したり、はじめて武器本来の攻撃力を発揮するの。それがないと攻撃力はただの調理用ナイフと一緒なの。相手は邪神の力で強化されたモンスターなの。」
「どうすれば良いんだ?」
「武器に集中してなの。力を流し込むイメージで。」
「やってみる。」
春人は起き上がり、ホグワイルドを睨みつける。
「こい豚っ。美味しく頂いてやる。」
ホグワイルドは、再び春人に突進してくる。先程の春人の攻撃が弱かった事で、初撃よりも勢いを増して突っ込んできた。完全に弱者であると嘗め切っている。
ホグワイルドがナイフにぶつかると、ナイフは勢いよくホグワイルドの脳天に突き刺さる。豚は、そのまま、肉塊へと変化していた。春人の目の前に、たくさんの肉がドロップした。
「やったっ!」
それを見たレイアは、顔を真っ青にして膝から崩れ落ちる。
ありえない。考えられないのだ。
勇者だとしても、圧倒的にレベルが足りない。
何回も攻撃してやっとなら分かる。
だが一撃などはありえない。
「……Lv10でDランクモンスターを一撃? ありえないなの。」
「モンスターって、死ぬと肉の
それを聞いて、やっとレイアも理解をする。
そのおかしな出来事に。
「……絶対にならないの。普通は解体して、そうなるの。」
「え?」
「もしかすると、肉以外の素材が全てマテリアル化したの?」
「……なるほど。でも、なんで肉だけは残ったんだ?」
レイアは客観的に見て、現象を繋ぎ合わせる。
「お腹が空いていたから? お兄ちゃんの本能が、肉だけをマテリアル化しないよう望んだ結果なの。食べ物はマテリアル化の対象から外れたの?」
「たしかに。本当に極限状態だからね。」
春人は、自動スキルの詳細を鑑定してみる。
ホグワイルド討伐でレベルが上がり、鑑定が超級鑑定に上がっている。
それ以外の自動スキルを鑑定した。
≪ 自動スキル ≫
【 料理 -Ⅰ- 】
このスキルを持つ者が調理をした場合に以下の効果が適用される。
①調理は必ず成功する。
②味、見た目、匂いなど、素材の良さを引き上げる。
③イメージした旨味成分などに不足があれば、多少不足分を補う。
【 節約 -Ⅰ- 】
このスキルを持つ者が買い物をした場合、スキルや実際に以下の効果が適用される。
①スキルで円やゴールドを使用する場合、商品ごとにランダムで0~5%までの割引き価格で表示される。スキルを表示する度に価格は変動する。
ゴールドを使用する場合は、円に変換する時に95ゴールドを100円に変換する。
②スキルでの買い物は必ず表示価格が適用される。
③異世界での買い物に、0から5%の割引が適用される。ひとつの商品につき一度しか発動しない。
【 豊穣 -Ⅰ- 】
このスキルを持つ者に以下の絶大な豊穣効果を齎す。
①術者が植えた種の遺伝子は優位なものが選択されやすい。
②術者が耕した土地は、よく肥える。
③このスキルは、半径25メートル以内にある全ての食用作物に豊穣の効果を齎す。
≪ 神大 自動スキル ≫
【 遊戯 -無- 】
このスキルを持つ者は以下の効果を得る。
①異世界の全てをゲーム化する。
②GMとして異世界の理に干渉し、無属性スキルの使用を最適化する。レベルの上昇でスキル効果も上昇し、スキルコントロールが容易になる。
③確率に左右されるものも含め、ギャンブルや遊戯など全てに於いて絶対に負けない。
【 マテリア化 -無- 】
このスキルを持つ者は以下の効果を得る。
①異世界のアイテムをマテリア化し、端末に情報として取り込む。
発動部分:体表の外側15㎝。レベルがあがるにつれ1㎝ずつ広がる。
※生物のマテリアル化を拒絶しています
※食に関するもののマテリア化を拒絶しています
②スキルを使用し改変したマテリア情報を具現化する。
③マテリアを取り込んだ分のエネルギーをスキルの具現化に役立てる。
【 快適生活獲得 -無- 】
このスキルを持つ者は以下の効果を得る。
①異世界で快適に過ごす為のさまざまな無属性スキルを、天賦の才そのものにプラスして数多く獲得出来る。
②他の天賦の才がレベルアップで獲得するスキルに、快適に暮らす為の神大な影響を与える。
③快適に生活する為のアクティブスキルや魔法は必ず使いこなせる。
「……やっぱり、ほとんどが快適な生活に関わるものだ。肉になったのはレイアの言う通り俺が肉だけのマテリア化を拒絶したみたい。でも生物のマテリア化を拒絶していなかったら本当にやばかった。マテリア化は強烈な意識や無意識にも反応するのか。遊戯の効果でレベルを上げるとスキルのコントロールが容易になるみたい。」
「お兄ちゃん。……さらっと怖い事を言うの。生物のマテリア化を拒絶してなかったら、無敵なの。」
「そんな恐ろしい事はしない。さあ、食材が手に入ったわけだし、魔物が来るまでは食事の準備をしようか。」
「お肉食べるの?」
「いいや。お腹はペコペコだけど、せっかくなら美味い物が食べたい。少し待てば収穫出来るみたいだから、先に野菜を栽培しよう。」
「え?」
春人は周りの土に手を翳すと、スキルで野菜の種を蒔いていた。
早くも地面から野菜の芽が出る。
「えっーーー!? 樹属性の魔法でもそんな事は出来ないなのっー。」
「まあまあ落ち着いて。待ち時間にスキルでも確認しようか。気になるものがあるんだよね。」
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