第9話 ツル
山国の東側にこの島で一番高い山が聳える。
頂上付近は一年中氷った山である。その名を『ツル』という。
山国女王ハルは、『ツル』の中腹にある王宮に暮らしている。山を守ることが山国王家の使命であり、それが全てである。なぜ山を守るのかという疑問を抱いたことはハルには全くない。そこに『ツル』があるからだと答えるしかない。山国の民は、『ツル』から水、食料、動物の命を得て生きているのだ。
『ツル』の頂は
これまでに何度もこの鋼をめざして、多くの狗魔族が登頂を試みていた。しかし『ツル』の山は険しく、通常の人は登りきることは到底出来ようもない。
一つ目の難所はどう猛で人より大きなオオワシの巣がいくつもあり、登る者を見つけると襲撃するのである。
二つ目の難所は頂の直前に垂直にそびえる氷の絶壁を自らの手足のみで登らなければならない。
これらを乗り切れる人間はこの世界にはまずいない。山国の王を除いて。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます