第36話 クローズドサークルからの脱出1



 だんだん終わりが近づいてきてる、このエッセイ。もちろん、見た映画はもっとたくさんある。でも、記憶の底にゆれていて、創造にほのかに影を落とすような作品か……と言われれば、大半はただのヒマつぶしなので、そうじゃない。とくに邦画はあんまり心に残らないのが多いんですよね。洋画の持つ不可解さがあんまりないっていうか。

 不可解って言えば、『ヴィレッジ』なんかも面白かったですよねぇ。あれはそこそこ有名なので、見た人も多いんじゃないでしょうか?

 ネットで調べてみたら、なんかつい最近の日本の映画が出たんで、なんじゃこりゃと思ったら、たぶん、同じ原作の邦画? いや、あらすじから言うとタイトルだけ同じの別作品? 横浜流星主演。

 僕が言ってるのは2004年製作のアメリカ映画です。監督、脚本、M・ナイト・シャマラン。『シックスセンス』の監督なんだそう。シックスセンスも面白かったよねぇ……って、脱線の脱線になるので割愛。

 どっちがより有名かというと、シックスセンスかな? この監督の映画を見ようと思えば、まずはシックスセンスがいいかも。ほかに『サイン』とかあるらしい。サインは見たいと思ったけど、たぶん見れてないやつ。

 脱線ばっかしてるけど、ヴィレッジは中世風の森のなかの村で起こる不可解な事件を通して、ラストに明かされる大どんでん返しが見どころの映画。盲目の女性が主役で、ラスト近くで木の枝を杖がわりにして全力疾走するんですが、見えてないのに、よくあんな走れるなって、もうドキドキです。ころびそう。じっさい、こけたけど。美しい風景のなかで、主役の女性も印象的な容姿。村にはやぶってはいけない掟があって……面白かったです。掟をやぶると殺される? 村には悪魔が巣食ってる? みたいに思わせといて、からの〜大どんでん返し! ええー! まさか、そう来たかぁっていう。

 これ、今の時代ではもう不可能だろうなぁ。グーグルマップとかのせいで。ポツンと一軒家とかもあるし。やるとしたら、そうとう広大な森のなかに隠しとかないと……。


 ん? 今回ご紹介したい映画はね。でも、ヴィレッジじゃないんですよ。じゃあなんで、長々、ヴィレッジの話してるんだって?

 いやぁ、こういうので伸ばしとかないと、あっというまに終わってしまいそうだったから。

 例のごとく、タイトル覚えてないし。あまりにも古い映画なので、調べようがない。


 これまで書いてきた映画もたいがい古い。放映された時点ですでに古い映画ってこともあるし。1970〜2010年くらいまでの映画がほとんどだと思う。

 そのなかでも、今回ご紹介する映画は、たぶん、もっとも古いんじゃないかと思います。いや、オーメンと同じくらいかなぁ? でも見たときカラーだったから、1970年代かなぁ? たまに映画と見せといて二時間特番だったりもするんですが、たしか金曜ロードショーだった気がする。


 あまりにも小さなころに見たので、記憶はほんとあいまいなんですよ。この手の話が当時あったっていう、もうそれがスゴイ。当時としてはめちゃくちゃ斬新だったと思う。それに続く作品もなく、長年埋もれてしまってるとこがなんとも。今ならテンプレの原点と言われるはずの作品なんだけど。

 前にクリスマスをタイムリープする話を書いたけど、今流行りになってるものって、意外とずっと昔にもう世に出てるんですよね。


 この話は何の原点かというと。『クローズドサークルからの脱出』です。デスゲームにも通じるものがあって。気がつけば一室に閉じこめられている数人の男女。そこから脱出するために必死になって奔走する。そういう物語。

 今だと、CUBEとかソウとか流行ったじゃないですか。その手のやつのごく初期のものだと思う。だから、検索しても、CUBEやソウは出るけど、これは出ない。ほんと、もう一度見たいんだけど、ぜんぜんわからない。


 どんな話だったかというと、主役がいて、失神するかなんかして、次に気づくと一室に閉じこめられている。そのまわりには数人の男女。女の人はいたね。それより若い高校生くらいの女の子もいたかな。あと少年。体は高校生くらいだけど、発達障害で精神年齢は幼児なみ。たしかアメちゃんないと頑張れない。この少年がじつはかなりのキーパーソン。そのほかに成人男子が三人くらいいたと思う。


 たぶん、部屋に置き手紙かなんかがあって、明朝までにその場所から逃げださないと、鍵が閉まって永遠にそこから出られなくなる、みたいなことが書かれてる。手紙の内容おぼえてない。


 で、誰かの悪ふざけだよ。待ってたらそのうち助けに来るって、という派と、とりあえず逃げようという派。あれこれ話すけど、一つにまとまらない。それで、待つ派、逃げる派で二手にわかれて行動することになる。このときは逃げる派が優勢で、待つ派はほんの一人か二人。


 で、部屋の構造は鉄パイプを組んだような一室の六方向にロックのかかったドアがある。えっ? 六方? そうです。四方だけでなく、天井、床にもドアがある。これの意味はそのうちわかってくる。


 ドアの鍵をあけるためには、三桁だか四桁だか五桁だかの数字を入力する方式。最初の部屋にはたしか、次の部屋への暗証番号がどっかに書いてあったと思う。


 で、次の部屋へ行くと、またヒントがあり、それを探して次々に鍵をあけ移動していく。このとき、いっしょに行動してたのが、主役、女、女の子、少年、男二人くらいだったと思う。


 三部屋くらいぬけたところで、ケンカになってしまう。男二人(若くて力がある)が、「この調子じゃ朝までに脱出できない。足手まといになるやつらを置いていこう」と言いだしたから。女の人がわりと年配だったと思う。それと、発達障害の少年が変な行動ばっかりしてしまうので。ケンカの原因も、たしか、この少年がさわっちゃいけないものにさわって、トラップが作動したかなんかだった。


「ダメだ。置いていったら死んでしまう。必ずつれていく」という主役と「なら、勝手にしろ。おれたちはさきに行く」と言って、行ってしまう男二人。女の子も行ってしまったかなぁ?


 で、このとき、たしか、鍵のあいたドアが数ヶ所あって、近道なのは鉄骨をのぼっていく危険な道。もう一方は遠まわりの安全な道だったと思う。男二人は危険な道のほうへ。主役たちは安全な道へ。


 ああっ、長くなってきたので次回へ続く。のんきにヴィレッジ語ってる場合じゃなかった〜w

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る