第29話 ブリキの太鼓2



 はい。続きです。


 そのあと、独り身になったお父さんは経営してるお店で若い女の子を雇う。マリーだかなんだか。もうマリーとしときましょう。

 まもなくして、お父さんはマリーとそういう関係に。結婚する気はなく、おたがい遊びだったようだ。


 はい。ここで、児童ポルノです。このマリーが若いのに遊び人で、オスカルを誘惑するんですよね。見ため年齢三歳の幼児ですよ?

 じっさいには僕には五、六歳のように見えた気がする。七歳くらいと言ってもおかしくなかったかな? 小学年低学年のような気がしてた。三歳というのはさっきネットで調べたとき、概要にそう書いてあった。映画の設定上は外見年齢三歳だったようだ。


 その子を演じてた子役の少年は、撮影当時十二歳だったんだそうだ。うわ、すごい小柄な十二歳だな。小学低学年じゃなかったのか。

 それにしても、十二歳の子どもに、アレをさせるのはよくないんじゃないか?


 上映されてすぐ、アメリカでは上映禁止になったとか、中国は今でも放送禁止なんだそうだ。あとヨーロッパのいくつかの国でも物議をかもしたらしい。詳しく知りたければネットで調べてください。

 このとき日本では、お母さんと叔父さんの逢引きシーンは問題になったけど、児童ポルノについては話題にもならなかったそうだ。日本はほんと性虐待認識低い。


 全裸だったと思うけど、マリー。よこたわってる。おへそにジャムだかなんだか載せて、それをオスカルになめさせる。で、そのまま、マリーの股間に……。


 映画のなかでは合法ショタだから、精神年齢的にはいいんだと思う。オスカルが恋してるって表現をしたかったんだろうけど、今だったら撮れないシーンですよね。カット割りでそれっぽく見せてるだけなのか? あんまり絵としてこのシーン覚えてないしなぁ。なんかあったな、くらいにしか。それよりお母さんと叔父さんのシーンが衝撃すぎて。


 オスカルはマリーを自分の恋人だと思ってる。マリーも自分を愛してくれてると思ってる。

 しかし、その直後、オスカルはマリーがお父さんとやることやってるのを見てしまう。裏切られたと思ったのか、その最中のお父さんの尻をけるんですよ。そのせいで、お父さんはマリーのなかで出してしまう。泣きだすマリー。


「バカ。バカ。妊娠したらどうするのよ! ちゃんと外に出すって言ったじゃない」

「すまん。わざとじゃない。アイツがけったから」


 このときのことでマリーはしっかり妊娠し、責任をとってお父さんは再婚します。で、弟が生まれるんだけど。オスカルはこの弟を自分の子どもだと言って溺愛します。自分がけったおかげでできたから。怒ったというより、これが狙いでわざとけったのかも。とにかく、気持ち悪い末恐ろしいガキだった。


 ラストどうなるか。これもよく覚えてないんですけどねぇ。


 ネットで調べたところによると、映画の冒頭で、オスカルは精神病院に入院してるらしいんですよ。なんでかわからないんですが。自分のことを三歳だとか言ってるから? あの幼児の姿はオスカルが自分がこうだと思いこんでる妄想で、ほんとは見ためも実年齢と同じだった? それなら、マリーの行為もわかるな。たぶん、そのころ、オスカルは高校生くらい?


 成長するのも悪くない。これからは大人になっていこう——と、オスカル少年が決意したとこで終わる、と書いてあった。


 すべてはオスカルの妄想で現実を拒否してたのか? 横暴な父や叔父と浮気するふしだらな母を嫌って?

 弟やお父さんどうなったのか覚えてない。


 全体的になんとも気持ち悪い映画だった。なんとなく白黒だったような気もするんだけど。

 グロテスクでいびつで、奇形的な映画。インパクトは抜群。


 ところで、この映画を思うとき、思いだす別の作品があるんですよ。

 というのも、僕の記憶違いかもですが、このとき、三話オムニバス形式で見たような? 違ったかなぁ? たまたま近い時期に見ただけだったっけ?


 いや……三話だったよなぁ? だとしたらカラーだったかな。ほかのがカラーだったような気がするから。


 ほかの二話は思いだせるんだけど、じゃあ、三話めがブリキの太鼓以外の話を思いだせるかというと、その記憶はいっさいないんですよ。でも三話オムニバスだった気がするので、きっと、この三話がいっきょ放送だった……ような?


 ちなみにほかの二話もめちゃくちゃゲテモノでした。三話の共通点は、映像的にはシリアス。でも、描かれてるテーマがゲテモノ。


 では、ほかの二話です。

 一つは山頂付近の高原に一人で隠れ住んでる男。というか、主役はアルプスだかどこだかの登山で越境しようとしてる男か。そのあとをつけてくる変な男に悩まされる話。つけてくる男のビジュアルをやけに鮮明に覚えてるなぁ。妙にキリストっぽいふんいきの黒髪でけっこう美形。肌の色が異様に白い。ヒゲも生えてて、古代からタイムワープしてきたみたいな。その男が主役のあとをただひたすらつけてくる。話の進行は主役のモノローグ。「あいつの目的がわからないのが薄気味悪い」から始まって「金? いや、食料? 孤独で話し相手がほしいだけか? それとも、もしかして、ゲイの相手を探してるとか?」


 違いまーす。

 夜中に襲われたとき、かみつかれたかなんか? とつぜん、男の目的がわかるんですよ。

 なんと、カニバリズムでした〜

 カニカニ。

 僕がカニバリズムにふれた最初の映画かもしれない。それ以前、高校くらいのときに、現国の先生が「遠藤周作の『野火』とかねぇ」と言ってた覚えはあるんですが。いや、『銀河鉄道999』でわりとよくメーテルや鉄郎が食べられそうになる話はあったな。日本昔話のカチカチ山に変な感じをいだいたことも。今の子どもにはたぶん、聞かされてないよね? おばあさん……。


 でも、意識して人間が人間を食べるっていうのを見たのは、これが最初だった。たぶん、その後、僕がカニバリズムにやけにこだわった作品を何度も書くのはこれが影響してる。


 自分を食べようとして、しつように追ってくる男(しかも見ため耽美)。それから必死で逃げる男。

 映画としては15分くらいのすごく短いものだった気がします。でも、強烈な印象があった。

 たしか、主役はなんとか逃げきれたはずなんですけどね。


 はい。もう一話。

 これもゲテモノでしたよぉ〜

 この話もアルプスかなんかの僻地が舞台。これも短い掌編。小さな村のなかで、なんか妙な評判が立つ男が一人いる。

 家畜を飼って暮らすふつうの青年。セーターなんか着てたな。ほんとにふつう。


「アイツが近づくと、ブタがみんな泣き叫ぶんだ」

「羊のオスがアイツを目の敵にしてるよ」

「とにかく、動物はみんなアイツを憎んでる」


 ストーリーらしいストーリーはないんですが、その青年を気になってる女の子がいたんだったっけなぁ?

 でも、ふられる?

 うーん。で、変なウワサが気になって、彼の家の家畜小屋まで、こっそりのぞきに行くと……。


 という話でした。

 そこで何があったのかは一度もハッキリは出てこなかった気がする。


 なんかよくわからないままにスタッフロールが出て、the endみたいな。


 まあ、ゲテモノなわけですよ。ようするに、人間の女より、動物のメスとやるのが好きな男だった。家畜たちは被害獣。


 立て続けにこの三本見たような気がするんだけど、違ったかなぁ?

 いっきに見るには気力消耗激しい三話。


 でも、これら、見れるならもう一回見てみたいなぁ。(ブリキの太鼓だけはタイトルわかってるので、プライムビデオとか有料サイトなら見れるかも)

 今ならもっと違う感想を持つんだろうか?

 当時は「なんだコリャー!」だったんだけど。


 洋画はシュールなものが多くて、でもそれが今の自分の引き出しになってるのはわかる。

 名作だけでなく、ときには迷作も見るべし。いつかは役に立つんです。

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