第13話
あれから捕獲した寄生木をいじくりまわしている。なぜかというと魔力を吸って強くなるが寄生木自身の魔力の器は大きくない。もしかすれば寄生した相手と魔力の器が合わさっているかもしれないからだ
1ヶ月間いじくりまわしたせいか『植物支配』の魔法をかけていなくても好きに動かなくなった。度々反抗的だったが段々となくなっていって最近では魔力消費がほとんどなくなるぐらいに抵抗がなくなった。
テイムしたのだろうか? なんか記述がないか調べてみたがなかった。まあ害があるわけではないしいいだろう。
とりあえず生物にも寄生できないか蝶々を使って試しているが成功していない。まあ気長に品種改良するしかないだろう。
蝶々に対する寄生は成功した。半年くらいたったが。
だが魔力の器を大きくするということはできているかわからない。蝶々だと魔力の器が小さすぎて上がっているのかわからないのだ。
まあ次は木、というか木材と生物の融合ができないか実験だな。
これはできたのか? なんか変なのができた。蝶々が木材に取り込まれたのか、木材に蝶々が取り込まれたのかわからない。だが魔力の器は大きくなっていてため込める魔力は増えている。
それに動けているし魔力を生成できているということは生きているということだ。魔力がかなり持っていかれたが。
どうやら魔力の器が大きくなった反動で、魔力が足りなくなったと錯覚して魔力を奪っていったようだ。
こうなると自分にやった場合他人の魔力を奪いつくしてしまうかもしれない。そうなれば殺してしまうか。どうするか……
これが完成したのは2年近くたって15歳になった時だ。
「さて、始めるか……」
夜、大樹の目の前で言う。流石に人間をやめるとなると緊張するのか独り言がこぼれる。なぜ夜にやるのかというとできるだけばれないようにするためだ。どうなるかわからないからな。
魔力が足りない問題は解決してない。だが、やるとしたらこのタイミングしかなかった。明日になると王都の学院の放り込まれるからだ。そこで貴族としての繋がりを持ったりしなければいけない。そうなるとしばらくは身動きができない。その前だとこのタイミングしかなかった。
「『
胸の前に寄生木を持って来て魔法を使う。この魔法は言葉通りだ。木と融合するために組んだ魔法だ。もっとも効果があるのかわからないが。
そうしていると体の中に異物が入り込んだような感覚がある。それがどんどん体中に広がっていく。同時に何かが致命的に足りない。何かが足りないのに魔力なんだ魔力意識が魔力引っ張られて……
「魔力をよこせ」
気がついたら意識だけの状態になった。自分であって自分ではないそんな状態だ。近いのは夢を見ている状態だろうか。ツリー家の領地を覆うように木で囲っている。そうして根っこで人々を貫いているのがわかるのに止められない。むしろ満たされていてどんどん貫いていく。そうしてたくさん、たくさん貫いて誰もいなくなったところで意識がなくなった。
気づけば朝日が出ていた。体を起こすために手を突くと緑色の肌になっているのが見えた。近くにある壊れた鏡で見てみるとそこには緑色の肌になった自分がいた。あまりショックを感じない。それどころかたくさんの魔力を感じて高揚する。
とこうしてはいられない。朝になったということは商隊とかが来て騒いでるかもしれない。見つからないようにしないと。一先ず木をはやしてその繊維からフード付きの服を作る。これなら近づかれないとばれないだろ。一先ず森に行くか。
そうして人がいないがれきだらけの領地を後にして近くの森に向かった。
死にたくない転生者 天星 水星 @suiren012
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