第11話
あれから5年近く過ぎ10歳になった。何かあったかというと母親が出産して弟が一人できた。まああんまり関わっていないが健やかに成長しているようだ。できれば弟が家を継いでくれたらいいのに……。
他にも家の仕事を一部任されるようになった。といっても簡単なことで植物魔法の熟練度を上げることも兼ねた木矢や紙を作ることをした。最初は一つ一つ作ったが、途中からは一度に10本や10枚纏めて作った。
ちなみにこの世界の矢は羽とかはいらないらしい。僕も矢の構造は詳しくないから前世ではなんで羽をつけていたのかはわからない。まあとりあえずそのまま使って問題ないということだ。
あと作ったものは僕のお小遣いになった。これで好きなものを買っていいらしい。最初は使い道に悩んでいたが、そういえば植物系の魔物の素材が欲しいと思っていたためこれに使うことにした。といってもあまりお金にならないから1か月に1回買うぐらいだが。それも低級の魔物の素材だ。
理由としては魔物の素材に触れてみたいからと言ってある。実際魔物の素材だと植物魔法が発動しにくいからだ。最初のうちはだけど。徐々に慣らしていくと普通の素材のように扱うことができるようになった。
という感じで魔物の素材を集めたが特にこれといったことはない。倉庫の肥やしになっている。
自分で探しに行きたいのだが、ここで足を引っ張るのが貴族の長男としての立場だ。流石に魔物の素材を採りに行きたいと言って、許可は下りないだろう。まあ恩恵をいろいろと受けたのだから仕方ない。我慢だ。
他には武術のようなことを始めた。ようなというのは植物魔法を主体にしたものだからだ。
例えば弓、普通に引くのではなく柔らかくしてから限界まで引いて、一気に固くして高速で飛ばす打ち方をする。
剣も木剣を使って打ち合っている最中に変形させて、槍状に伸ばすことやハンマーにして叩いてきたりなど、前世の武術とはかけ離れている。
そうして道具を作ったり、武術で転がされたりしながら日々が過ぎていった。
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